北陸の観光・旅行

金沢から1時間、加賀を丸ごと楽しむ大人な旅プラン

金沢から電車で1時間の石川県加賀市は霊峰白山と日本海に囲まれた風光明媚なエリア。金沢と似て非なる独自の文化が薫る今すぐ駆けつけたい観光スポットから地の食材を使った絶品グルメまで、大人が楽しめるとっておきスポットをご案内します。

吉田 薫

執筆者:吉田 薫

金沢ガイド

多彩な表情を併せ持つ加賀の素顔を探して、とびきりユニークな大人の旅へ

加賀温泉駅

加賀の旅はここから!加賀の玄関口「加賀温泉駅」。門が立派です。

金沢から電車で1時間。北陸有数の温泉地・加賀温泉郷で知られる石川県加賀市は霊峰白山と日本海に囲まれ、地の食材を使った絶品グルメや金沢と似て非なる独自の文化が花開いた風光明媚なエリア。

今回は今すぐ駆けつけたい観光スポットから自然とリンクしたユニークな見所、そしてもちろん、ここでしか味わえない加賀の恵み満載のグルメまで、大人が楽しめるとっておきスポットをご案内します。

■加賀市への詳しいアクセス方法:
http://tabimati.net/access

稀代の芸術家&美食家・北大路魯山人が終生愛した安らぎの別荘:いろは草庵

外観@北大路魯山人の寓居 いろは草庵

北鎌倉の星岡窯の石畳を模したアプローチの傍には星岡窯から株分けされた百日紅(さるすべり)が植えられています。

篆刻家・画家・陶芸家・書道家・漆芸家・料理家・美食家など多くの肩書を持ち、20世紀を代表する芸術家であり文化人の北大路魯山人が1915年(大正4年)8月から翌年の春先、わらびの出る頃までの約半年間滞在したのが加賀市の山代温泉エリアにある魯山人寓居跡 いろは草庵

当時はまだ福田大観と名乗り、芸術家としても料理人としても海のものとも山のものともつかない魯山人の才能をいち早く見抜き、仕事場として自らの別荘(現いろは草庵)を提供し面倒を見たのが山代温泉吉野屋旅館の主人・吉野治郎でした。
囲炉裏の間@北大路魯山人の寓居 いろは草庵

魯山人が山代の旦那衆と書や美術、骨董について語らい、加賀の豊かな食材を使った料理に舌鼓を打った「囲炉裏の間」。

残念ながら吉野屋旅館は2006年4月に廃業してしまいましたが、その跡地には杉や檜張りの趣ある総湯(日帰り入浴が可能な公衆浴場)が建っており、明治時代の総湯を復元したレトロな雰囲気が満載の古総湯と並んで山代温泉のシンボルとなっています。

古きよき風情が溢れた山代温泉の片隅に佇むいろは草庵は、明治初期に建てられた当時の面影を偲ばせる紅殻色が艶やかな木造瓦葺の風雅な建物。
庭園@北大路魯山人の寓居 いろは草庵

風流な庭園。この庭を眺めながら、美味しい加賀棒茶と干菓子をいただけます。

寓居と展示室を繋ぐロビーから望む庭園も美しく、美味しい加賀棒茶と干菓子でほっとひと息吐けば、たちまち魯山人がいた頃にタイムスリップ。

魯山人はここで山代の旦那衆と書や美術、骨董について語らい、初めての作陶や料理の手ほどきを受けるなど、後の人生に多大な影響を受けました。
加賀棒茶と干菓子@北大路魯山人の寓居 いろは草庵

寓居と展示室を繋ぐロビーでいただける献上加賀棒茶と干菓子。干菓子は金沢の茶菓工房たろうの「地の香」です!

後年“北陸に足を向けては寝られない”と言っていた魯山人の芸術家・美食家としての原点であるいろは草庵は魯山人ファンならずとも訪れる価値大です。

魯山人寓居跡 いろは草庵
住所:〒922-0242 加賀市山代温泉18-5
TEL:0761-77-7111
開館時間:9:00~17:00
休館日:水曜日(祝日の場合は開館)
入館料:500円

杜氏一代、酒屋末代。人、米、水にこだわった芳醇な美酒を堪能:鹿野酒造

蔵内@鹿野酒造

入り口を入って右手に飾られている、これまでに受賞したトロフィーや表彰状の数々。

藩政期には北陸道の宿場町として賑わった加賀市西部の動橋エリアの一角に、文政2年(1819年)創業の鹿野酒造はあります。

本願寺中興の祖・蓮如上人(れんにょしょうにん)に由来する白水の井戸から湧き出る清水と自社栽培している酒米の最高峰・山田錦を使って丁寧に仕込まれるこだわりのお酒は美酒と呼ぶに相応しく、一口飲めば同社のブランド名通り、まさに「常きげん」。
純米大吟醸 常きげん、特別純米 幻の加賀の庄、山廃純米吟醸無濾過生原酒 山廃吟@鹿野酒造

左から「純米大吟醸 常きげん」、「特別純米 幻の加賀の庄」、「山廃純米吟醸無濾過生原酒 山廃吟」

今では地元のみならず、ルイ・ヴィトン・ジャパンのニューイヤーパーティーやiPS細胞で山中教授が受賞した2012年のノーベルナイトキャップで振る舞われるなど、世界中で愛されています。

どのお酒もほんのり甘く、それでいてすっきり飲みやすいので何を選んでも間違いはないですが、とりわけ美味しいのはやはり大吟醸でしょう。前述のパーティで採用された「KISS of FIRE」は「常きげん」初体験におすすめです。
酒蔵内@鹿野酒造

巨大なタンクが並ぶ酒蔵内。酒蔵内は寒いので見学する際は防寒対策をしっかりと。

もう少し手頃な価格では特別純米酒「幻の加賀の庄」や個人的にお気に入りの甘酒も1度味わってほしい逸品。特に甘酒はクセがなくさらっとしていて喉越しも滑らか。もちろんノンアルコール、砂糖不使用なので、家族揃って楽しめます。

鹿野酒造のお酒はインターネットでも買えますが、蔵直売は全種類揃っている上、製造期間中(11月~3月中旬)は事前に予約すれば酒蔵見学もできるので、ぜひ足を運んでみてください(但し、期間内であってもその時々の状況によっては対応できない場合があります)。
発酵中のタンク@鹿野酒造

ただいま発酵中。沸騰しているみたいにぐつぐつ泡を吹いててお酒は生き物だということがわかります。

鹿野酒造
住所:〒922-0336 加賀市八日市町イ6
TEL:0761-74-1551
営業時間:8:00~17:00
定休日:日曜日、祝日、12月31日~1月4日

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