記憶術/記憶術の例

成功者が実践する、最適な睡眠を手に入れる方法

「試験まで1ヶ月。睡眠時間を削るしか…」「明日のプレゼン、このままでは間に合わない。今夜は…」。試験や仕事など、本番が近づき焦ってくると、ついつい手をつけるのが睡眠時間。でもこれが実は危険なワナ。寝る時間を削るのは、あなたの記憶に大きなダメージを与える危険性があるのです。寝ている間も脳は勉強や仕事をしてくれているからです。記憶と睡眠の関係を知れば、ぐっすり寝ながら勉強も仕事もデキる人になれます!

宇都出 雅巳

執筆者:宇都出 雅巳

コーチング・マネジメントガイド

睡眠時間は単なる休息時間ではない

徹夜明けのビジネスマン

徹夜の仕事で失うものは?

「○○試験まであと1ヶ月。でも、ぜんぜん勉強が追いつきません。死ぬ気でがんばる覚悟なので、ぜひアドバイスください!」……。

大学入試やさまざまな資格試験の直前期になると、私のブログや書籍をネット検索でみつけた受験生からの緊急メールが届きます。

試験に限らず、大事なプレゼンや会議の準備など「このままだと失敗してしまう……」と不安になることはありませんか?

気持ちばかり焦って、なかなか準備が進まない……。そんなとき、試験勉強でも仕事の準備でも、焦ってすぐにやりがちなのが、睡眠時間を削ること。しかし、これが危険なワナなのです。

決して睡眠時間をムリに削らないこと。徹夜などはもってのほかです。なぜなら、睡眠時間は大事な勉強時間、仕事時間だからです。

寝ている間、脳は休んでいると思っているかもしれませんが、実は脳は休んでいません。フルに活動しているのです。

寝ている間に脳は何をしているのでしょう。

睡眠時間は脳の整理・片づけ時間

脳は何をしているかというと、起きている間に勉強したこと、経験したことを整理し、統合しているのです。

よく、コンピュータシステムでメンテナンス時間ということで、その間はアクセスできない時間がありますよね? そのとき、コンピュータは休んでいるわけではなく、メンテナンスとして、データベースの整理やプログラムの更新をしています。

それと同じように、脳も新たな情報を遮断しながら、過去の記憶を呼び覚まし、新しい記憶と照合し、必要な知識を「長期記憶」と呼ばれる長期間覚えられる記憶にしているのです。

この寝ている間に行われている作業は「メモリー・コンソリデーション」と呼ばれています。その日に新しく経験したことすべてを「長期記憶」にすると、さすがの脳もすぐに記憶容量が一杯になってしまうので、この作業によって、必要な知識を整理・統合しているのです。

もし、配布される資料、送られてくる郵便物などを整理しなければ、机の上や中、部屋はたちまち混乱して仕事の効率が下がりますよね。「メモリ―・コンソリデーション」は脳の中がそんなことにならないためのとても大事であり、そのためにも睡眠時間はとてもとても大事な勉強、仕事時間なのです。

ですから、寝るときは「これから勉強するぞ!」「仕事するぞ!」というぐらいの気持ちで堂々と寝ればいいのです。

もちろん、起きている間に勉強・仕事をしておかないと、睡眠時間の“勉強”“仕事”は充実しませんから、起きている間にしっかりと濃い勉強などの準備をすることは必要です。

では、この大事な睡眠時間、どれぐらい取ればいいのでしょう? 長ければ長いほどいいのでしょうか?

最適な睡眠時間は眠りの深さ・周期から考える

最適な睡眠時間を知るためには、まずは眠りの深さについて知ることが必要です。

実は、眠りの深さは時間とともに変化することがわかっています。眠った直後1時間ほどで、もっとも深くなるのですが、それから浅くなったり、深くなったりをくり返していくのです。

この浅くなったり、深くなったりする睡眠の周期は、約1時間半。そして、その1周期目、2周期目、3周期目と周期によって、整理・統合される記憶の性質が違うと考えられています。

早めの1周期目、2周期目では最近の記憶が、そのあとの3周期目、4周期目では古い記憶の整理・統合が行われると言われています。

このため、3時間睡眠などの短い睡眠では、古い記憶の整理・統合が行われない危険性があるのです。

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