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受験シーズン到来! 本番で実力を発揮するためのコツ

受験シーズンに入り、緊張した日々をお過ごしのご家庭も多いと思います。ここまで長い年月をかけ、一緒に歩んできたご両親も、ここまで来ると、ただただ「これまでの力を全て出し切ってほしい」と願うばかりかもしれません。今日は、試験本番で強さを発揮するためのコツを心理学的な側面からお伝えしていきます。ご家庭での声かけなどのご活用ください。

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド

本番に強い人、弱い人の違いはどこから?

入試当日に本領を発揮するために捨てるべきものとは?

入試当日に本領を発揮するために捨てるべきものとは?

大人でも子供でも、本番に強いタイプとそうでないタイプがいます。また、自分自身を振り返っても、本領を発揮できるときとそうでないときがあるものです。

一般的には、本番に強い人を、「肝が据わっている」「心臓に毛が生えている」と言ったりしますが、心理学的には、その違いをこう説明します。

本番に強いか弱いかは、完璧主義か否か。

と言っても、「完璧主義=本番に強い」ではありません。その逆で、「完璧主義だと本番に弱く、そうでないと本番に強くなる」、と言われています。


完璧主義だと、逆に完璧になれない理由

一見、完璧主義というと崇高なイメージで、どんなときも動じないように思えます。しかし、実際には逆のことが起こります。完璧を目指すあまり、ミスや失敗を極度に恐れるようになり、いざ本番と言うときには、「もしもの不安感」が押し寄せてきます。

「もし解けない問題があったらどうしよう」
「もし苦手なあの部分が出てしまったらどうしよう」
「もし落ちたらどうしよう」

これでは、本来集中すべきことに集中ができなくなってしまいます。

これまでに、準備万端で本番に臨んだのに「頑張らなくちゃ」と思うほど、頭の中が真っ白に……。こんな経験はありませんか? まさにその状態こそ、ここで言う「完璧主義による負のスパイラル」です。

テストを前に、「100点でなくてはダメだ」「満点を取れなければ先がない」と自分を追い込んでしまうと、まだテスト問題を見る前から、起こってもいない不幸に悩まされてしまうのです!


脱・完璧主義=サボりではない

本番で力を発揮するコツは、完璧主義を捨てることなのですが、もともとのハードル設定が高い完璧主義の人にとって、それを止めるには抵抗があります。なぜなら、完璧を目指さない=手抜き、に感じるからです。

これは受験するお子さんだけでなく、親御さんにも当てはまります。我が子が「完璧を目指さない」ということが、ハードルを下げることのように感じられ、なかなか許容できないのです。

しかし実際にはそうではなく、完璧主義をやめるということは、その子が感じている自分への強い縛りを解いてあげるということ。日々の努力はそのままでOK。「絶対に100点」という余地のない見方だけを削除していくのです。隔たった見方を止めることで視野が広がり、そのおかげで、頭もよく動くし、余計な不安もこみあげてこなくなります。


普段から気をつけたい親の声かけとは?

完璧を追い求めると、完璧がどんどん逃げていく……。なんという皮肉でしょう。これを起こさないようにするにはどうしたらよいのでしょうか?

そもそも、子供の発想というのは、親の影響が大きいことが分かっています。完璧主義も然りで、親が日頃から、「○○しなくてはダメだ」「○○すべきだ」と極論で子供に話す習慣があると、子供もその発想を身につけていくことになります。親の普段の言葉づかいは、子供の完璧主義度に大きく関わっているのです。

もし「うちの子は完璧主義かもしれない」もしくは「本番に弱いタイプかもしれない」と感じていたら、今からでも遅くはありません。お子さんの心の力みを取ってあげる声かけにスイッチしていきましょう。

まず、完璧主義の人特有の口ぐせです。

「○○しなければいけない」
「○○すべきだ」
「絶対○○だ」
「決して○○でない」

この中に、よく使っている言い回しはありますか? もし思い当たるものがあれば、このような白黒ハッキリした言い方は避けるようにしましょう。

その代わりに、

「○○だといいね」
「できれば○○がベストだね」
「○○なら大丈夫だよ」
「○○したらいいと思うよ」

と、力をワントーン抜いた言い回しがおすすめです。

「絶対100点じゃなくちゃダメ」と思うと100点が遠ざかり、「100点ならベスト♪」と思えると100点に近づける……。心の中の不思議なシーソーをうまく活用し、受験シーズンを乗り切ってください!
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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