企業経営のノウハウ/企業と経営の関連情報

コミュニケーションの質を高める社内施策とその順番

コミュニケーションを良くする、活性化する。多くの企業でさまざまな施策が取り入れられています。社内報、社内イベント、そしてフリーアドレス。では、社内コミュニケーションが活性化させるとは一体どのような状態なのでしょうか?あるべき姿が明確でなければ、せっかく実行した施策も場当たり的なものとなりかねません。今回は、社内コミュニケーションのあるべき姿とそのための施策について考えてみましょう。

豊田 健一

執筆者:豊田 健一

総務人事・社内コミュニケーションガイド

コミュニケーション、進化の順番

いきなり深いコミュニケーションが実現することはありません。
挨拶がされている様子

存在の認知、挨拶からコミュニケーションが始まる

活性化するのにも順番があるからです。その順番とは、コミュニケーションの質を高める順番でもあります。そして最終的な姿は、組織の構成員同士が、本音で思いをぶつけあっている、ある課題についてそれぞれの立場を超えて本気で議論している、そのような姿ではないでしょうか。

この状態に至るまでにはいくつかのステップがあります。そもそも、コミュニケーションはどのようなきっかけから始まるのでしょうか。道すがら行き交う人とコミュニケーションを取ることはないでしょう。その人の存在を認知する、意識することからまずは始まります。

意識した人の「人となり」、仕事のことやプライベートのことを少しでも知ることで、会話の糸口、きっかけが見つかります。自らとの接点が見つかると話しかけやすくもなります。まずは挨拶から始まり、雑談に発展していくでしょう。

雑談を通じて、さらにその人への深い理解がなされ、その人の得意分野、持っている知識や経験を知ることで相談に発展する可能性が出てきます。お互いの考えが理解できるようになると、相談を超えた議論の場に発展していくでしょう。

このように、いきなり深いコミュニケーションがされるのではなく、お互いの認知から始まり、挨拶、雑談を経て相談、議論へとコミュニケーションの状態が進化していくのです。このような進化の過程をどのように仕組んでいけばいいのでしょうか。

存在、人となりを知る

最初のフェーズである、存在の認知、人となりを知るですが、ここは社内コミユニケーションメディアの活躍する場です。同一部署内のメンバーであれば、自己紹介をする場があり、歓迎会があり、リアルな場でお互いの存在の認知、さらに人となりを知る場が多くあります。

他の部署の人のことになると、そのようなリアルな場はほとんどありません。社内コミュニケーションメディアの部署紹介や人物紹介、あるいは人物事典などで存在を知ってもらう企画を掲載する施策が考えられます。

そのような企画もさることながら、社内報に積極的に社員を登場させることで、いろいろな側面からその社員の存在が認知されるきっかけにもなります。単なるニュースコーナーにおいても関係者を登場させ意見を言ってもらう、写真を掲載するなどして認知度を高めていきます。

また、仕事に関するネタで登場させつつも、プライベートの情報も掲載することで、それがコミュニケーションのきっかけともなります。好きな本、好きな食べ物、出身地などが掲載されていれば、接点が見つかり話しかけやすい状況が作り出せます。

このように、社内コミュニケーションメディアを駆使して、さまざまな社員を取り上げ、社内における認知度を高め、会話のきっかけを提供することが大切です。
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