夫婦関係/夫婦円満のコツ

キスは気持ち悪い?若者性的感覚の歪みは夫婦の影響!?

現代の若者の恋愛感覚が変わってきているのでは? という問題に、夫婦関係専門家二松まゆみとAV監督溜池ゴローが切り込みます。キスって気持ち悪い? 身体的な関わりができないなど、若者の性的感覚はどこから変わってきたのか、監督が考える教育論まで熱い対談になりました。vol.4

三松 真由美

執筆者:三松 真由美

夫婦関係ガイド

夫婦間のキスついての対談をしておりましたが、話は若者のキス論・身体論・教育論へと。現代の若者がなぜ性的なモノに対して拒否反応をみせるのか。知らず、知らずのうちに夫婦関係が与えている子どもへの影響……セックスレスも、ディープキスの問題も子育ても、実はみんなつながっているんです!

溜池監督に根掘り葉掘り聞かせていただきました。

溜池ゴロー監督に根掘り葉掘り聞かせていただきました。


ということで今回は若者の性的感覚がなぜ歪んできたのか、AV監督溜池ゴロー氏と二松まゆみで考察します

キスは気持ち悪いもの?

二松:最近、若手の学者さんがこんな発言をしていました。キス、つまり唾液の交換が気持ち悪いって。女の人がキスしたりするそういうときに豹変するのが気持ち悪いと。今まできれいだったものがくずれるから、引いてしまうというお話なんですが。

私も20代女性たちから相談をされるようになりました。聞いていると、そういう男性、増えているような気がしてならないんです。恋愛相談など聞いていると「彼氏が性欲ゼロで困ります」っていう女性たちが少なくない。彼の部屋にお泊まりしてもゲームして終わり。口を揃えて「でもねチューはあるんです。1秒未満のチュー。それで寝ちゃう」……

溜池:俺の若い時からは想像もつかないぞ。 他人との距離感が遠くなっているのかな。ちょっとこれ予想でしかないんですけど。相手が望んでいることを読み取れないってことか。

二松:ゲームやらネットやらのIT全盛時代に生まれている現象?他者と目を合わせず、コミュニケーションする。他者の表情、深部の感情を読み取ることが苦手になります。もちろん触れることも。

溜池:そうですね。人を好きになるって、視覚とか聴覚とか臭覚という五感で感じるわけです。最近は視覚だけで好きになる人が多く、他の触覚とかが抜け落ちてきているんじゃないかって。ネット社会の弊害ってひとことで言うと一般論的で嫌なんだけど、触覚を試す力がないのかなって気がするんですよ。

二松:ふむふむ。キスは触覚だけでなく味覚も臭覚もフル回転しますからね。愛する人とのキスはおいしい。個人的な見解ですけれど、両親がエロチックな関係でない場合、子供はそれを敏感に感じ取ると思うのです。

母親は自分が性的に夫の対象から外されている、家族でしかない、女性としてはNGと無意識に思い込んでしまうような気がするんです。すると我が子にそういうことはしなくていいのよ的な威圧感を醸し出すんではないかと。 性的世界に属するものを「我が家」から排除したい。

溜池:なるほどね。セックスレス家庭の子供達は、性に臆病になりやすいってことか。

二松:いろいろ妻たちの告白を聞いていますとそんな感じがします。「夫とは親としての役割でしか付き合っていない、私は異性として意識されてない。仲良しのパパとママでいいじゃないって言われるけど、それでいいのか」って。

溜池:そうか!40代、50代でセックスレスを悲しいと感じている女性の子供世代は20代くらい?

二松:あ、ちなみにセックスレスの悩みは「夫が誘ってくれない」だけではないんですよ。一般男性とそういう関係がなくなっていることで、このままおばあちゃんになっていいのかっていう無意識の不安、女性として求められていない寂しさ。このあたりの女性心理の学習は「婦人公論」をお勧めします。

溜池:へえそうか。俺はいつでも奥さんを求めてる。キッチンでも、リビングでもベッドでも。異性として、男としての役割はバッチリ。不安になんかさせない。「疲れてる」って言われると、見せていただいて一人でもする。

二松:ワイルドですなあ。

溜池:それと、父親の役割をしっかり果たしています。うちは男の子を育てていて、女好きになるかどうかはわかりませんが(笑)、絶対いい男になるんです。なぜかって言うと 視覚、聴覚、触覚を磨く機会を与えまくっている。

溜池流子育ての仕方

溜池:人と違う自分の意思を持たせたり、人と接触させたり促すことがとかなり多いんですよ。セックスレスのママさんたちって子供を危険な場所に置かないんじゃないかなあ。推測だけどね。あくまでも推測。

たとえば日光に当たると皮膚がんになるからって陽に当てない、海に連れて行っても深いところは連れていかない。大波の時は遊ばせない。

うちの息子は雪山だ、海だ、渓谷だって冒険させまくり。海に連れて行くと僕なんかよりシュノーケルで深くもぐるし。

日常でも学ばせているよ。前に電車に俺ら二人で乗っててね、いじめを見たんだよ。二人の座っている男の子と立っている男の子がいた。じゃれあっているようなんだけど、でも、よおく会話を聞いているといじめてるんだよ。

そしたら息子が彼らをじっと見てて、
「お父さん、あれはじゃれてるの、いじめてるの?遊んでるように見えてるけどいじめてるよ。お父さん助けなきゃ、助けてあげて」って言うんだ。

俺はね「助けてもいいんだけど、たぶんやめろよっていたらその場ではやめるよ。お父さん、身体デカイし、こんな顔だし、こんな髪型だから怖いしね。じゃあ、そのあと、あの子はどうなる?」って考えさせる。

「そうか電車降りた後、よけいいじめられる」って気づく。
「だよね。じゃあこういう場合、あの子はどうすればいい?」って、また考えさせる。そしたら「自分で止めなきゃ」って。
「そのとおり!お前は、いじめられたらまず自分で抵抗するんだ。暴れてもいいからまず抵抗。俺なら抵抗するよ。逆にいじめる側にもなっちゃいかん。見てて嫌な感じするだろ」

なんて聞こえるくらいの声で話していたら、そのいじめてる二人が気がついたみたいでコソコソ電車降りて行った。

そしたらその後があるんだよ。後ろからメガネのちっちゃい男の子がトコトコ来て、いじめられていた子と仲良く話し始めたんですよ。友達だったんだけど、いじめっ子が怖くて来れなかったんですよ。俺は言ったね。

「いい社会勉強になったって。あのメガネの子はいじめられてた子の友達なんだね。お前はあのメガネの子の立場だったら絶対止めるんだぞって。大事な友達がいじめられていたら。殴られても止めろ」って。

反面教師がいっぱいるよ。世の中は。結局人間の距離感を近いところで見せて、考えさせなくちゃ。

二松:ジーーン。 ゴローパパのような「人との距離感」を実践で教えるパパ。子供にとってはかっこいい。ママにとっては、死語かもしれないけど「男らしー!」。

世のパパは忙しくって、会社にずっといるし、子供に反面教師の実地訓練する時間がなかなか取れない。いや、パパが会社でいじめられてるかもしんないし。パパがメガネの子かもしれないし。

溜池:そうね。そしてお母さんの方は「お父さんはいい大学出て、いま有名な会社にいて、一生懸命働いているから、家族が食べれるんだよ。塾のお金も出してくれてるのよ。だからあなたも勉強しなさい、早稲田、目指して。エロいことはいけないことなのよ。エッチな動画やAV見ちゃダメよ」って言うイメージあるなぁ。

高校くらいになると、「女は悪いやつがいっぱいいるから気をつけなさいよ。渋谷は行っちゃダメよ」とかさ。男女の距離感の前に、人との距離感を体感しなくちゃ。

うちの子なんてけんかバンバンしてましたから。すごい距離感わかってきている。5年生くらいになってだいぶけんかしなくなってきました。そういうの知っている子のほうが人間の空気感とか距離感とか感じ取るよ。

触覚でしょ。喧嘩は。視覚もあるね。相手が怒っているか、すでに負けているか、表情でわかる。五感を鍛えるのに、社会の摩擦はいい場になる。

こういう経験をせずに危険やエロチックなことから隔離されて育って18歳になる。そういう奴はディープキスなんかできそうにないなあ。大人になるとさ、五感発達してない奴は戸惑うかもしれない。

初めてセックスしましたって時に、頭ん中、真っ白。人間には体臭もあれば、汗もかくし、唾液だって臭いあるでしょ。人の唾液って汚いイメージがある、ディープキスなんて唾液を舐めるわけよ。飲んだりね。汚いとか思っている奴はできっこない。

そりゃ、おっさんの唾液は嫌だけど。好きな女性の唾液は蜜の味。ってそうじゃないですか!?  たとえばクンニリングスをやって、臭いがきつかったとする。それで別れるのか? そんなことで嫌いになるんじゃなくて彼女の全部を好きになろうよって、言いたい。

>>次は、引続き若者の感覚を掘り下げます。

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