食と健康/旬・季節の食事の食べ方・レシピ

中毒症状はなぜ起こる? ギンナンの栄養成分と注意点

ギンナンがお料理に入ると、秋らしい風情が漂います。古くから滋養に良いと伝えられる一方、一度に食べ過ぎると中毒になることも知られています。ギンナンに含まれる成分や、中毒にならないための注意点をご紹介します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

古くから咳・痰の薬用

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悪臭のする果肉の中にある核がギンナン。

秋になるとイチョウの葉が色づき、種子ができます。よくイチョウ並木では足元に落ちていますが、それを踏むと最悪……強い悪臭がします。その種子の外側の柔らかい部分を外種皮といい、中種皮の中の核がギンナンです。

実はこの実の果肉には、ギンコール酸というアレルギー物質が含まれており、素手で触るとかぶれることがありますので、注意が必要。ギンコール酸は、イチョウのみに存在し、葉と外種皮に多く含まれますが、ギンナンにはほとんど含まれていません(国民生活センターより)。

このギンナンを果肉から取り出して、硬い殻と薄皮を除いた胚乳の部分を食用にします。9、10月の早い時期に収穫したものは美しい翡翠色で、その後完熟してくると黄色に。秋らしい土瓶蒸しや茶碗蒸し、素揚げとしてお酒のおつまみとなります。モチモチとした食感や、ほんのりとした苦味がおいしいですね。

木の実というのは命の源となるものなので、古くから滋養ある食べ物されていますが、ギンナンもやはり生命力のある食べ物と言われてきました。特にイチョウは生きた化石の木と言われ、2億~1億5000年前に出現して最も栄えたと言われています。

漢方では、滋養強壮の他にも咳止めや痰を切るなどの薬効が知られ、中国では紀元前2600年に既に喘息や気管支炎に用いていたという記録があるそうです(健康食品の安全性・有効性情報より)。

近年注目度が高いのはイチョウの葉?

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早い時期に収穫した銀杏は美しい翡翠色。塩入や素揚げすると、よいお酒の肴です。

では科学的に見て、ギンナンにはどのような栄養成分含まれているのでしょうか。

栄養面では、糖質やカロテン、ビタミンC、またカリウムなどが含まれています。

近年では、イチョウ葉に含まれているギンコライドという成分が、血栓を防ぎ脳の働きを活性化する、アレルギー症状の緩和に役立つのではないかという研究が注目され、サプリメントなども出回っています。

しかし、この成分の機能性についてはヨーロッパでの研究が多く、日本人への効能はまだまだ明確にされている段階ではありません。

メディアによっては、このギンコライドがギンナンの紹介でも記載されていることがありますが、ギンナンをたくさん食べたからといって、こうした効果があると思いこまないようにしましょう。実はギンナンの食べ過ぎはかえって中毒になることもあるのです。

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