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建築会社がスポンサーだとどんなドラマになるのか

ドラマの番組スポンサーに自動車会社がつくことが多いため、ドラマの中で自動車事故が使いにくく、その代わりによくあるのが工事現場での事故。それでは土木・建築会社がスポンサーだとどうなるのか?

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

さだまさしの自伝的小説が原作の『ちゃんぽん食べたか!』。大学に入った主人公・佐野雅志(菅田将暉)は工務店でバイトします。そこで建築工事の足場を組む仕事をしますが、ちゃんと安全帯(ベルトと命綱が一体になった転落防止用品)を使っていて、安全意識があると感心しました。

 

高所作業時には安全帯

時代背景を調べると高所作業時(2m以上)の安全帯着用が法制化されたのが1972年。さだまさしが大学に入ったのは1971年。義務化される前から普及し始めているでしょうから設定としてあってます。

高所作業をするドラマが他になかったか?考えると『あまちゃん』がありました。
潜水土木科の種市先輩(福士蒼汰)は東京の建設会社に就職。羽田空港の滑走路拡張工事を担当するはずがスケジュール遅れのため東京スカイツリーに回されます。しかし高所恐怖症でまったく役に立たず……。

それで、東京スカイツリー工事の場面を見ると安全帯は使ってはいないものの着用していました(使ってないのは階段でビビっているだけだから)。ちゃんとしています。

 

通行人が巻き込まれる

安全帯になぜ感心しているかというと、ドラマで工事現場というとやたらと事故が発生しているから。例えば『素敵な選TAXI』第4話。当たり宝くじを拾った朝倉(勝地涼)は期限ギリギリなので選TAXIを使って銀行に急ぐ、しかし最後は工事現場の事故に巻き込まれるというストーリーでした。

実際の工事現場での事故は、工事関係者の事故ならもちろんあります。しかし通行人が巻き込まれるという事故はあまりありません。近年記憶に残っているところでは2014年に神戸でビル解体現場の足場が倒壊して通行人二人が重軽傷を負った、という事故ぐらい。そんな現実に対して、ドラマでは巻き込まれすぎです。

 

建設会社のスポンサー

ドラマで工事現場での事故が多いのはスポンサーの都合。ストーリーの必要上、登場人物を事故に巻き込まれさせたい場合に、自動車会社がスポンサーだと自動車事故というのはやりにくい。しかし建築、土木工事会社がスポンサーというのはあまりないため、工事現場の事故というのが差し障りがないんでしょう。

2015年4月からドラマ枠になった日本テレビ系日曜22時30分からの日曜ドラマ。このスポンサーに大手ゼネコンの大成建設がつきました。するとどんなドラマになるのかと思ったら『ワイルド・ヒーローズ』『デスノート』と人をバタバタ殺されています。

なるほど、これなら建築現場の事故は必要ないですね。10月からも北条司原作の『エンジェル・ハート』でこの路線が続きそうです。

次は「『リスクの神様』と『花咲舞』の共通点

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