Eurocucina2010 総括報告
景気動向がキッチン業界にも大きな影響
◇ミラノサローネを主催するCOSMIT(イタリア家具輸出振興組合)の最終報告では、今年は昨年を7%も上回る33万人もの来場者があったとされている。
ユーロクッチーナの開かれる年には、今まで連続して20年以上視察し続けてきた筆者の印象では、27万人を集めたという2008年度のサローネに比較すると明らかに来場者は少なかったように思えた。
以前なら地下鉄出口から会場までノロノロ歩きせざるをえないほど人で溢れかえっていたのが、初日の開場時間前でも地下鉄の車内はそれほど混み合わず、地下鉄を降りて会場までほとんどまわりを意識せずにどんどん歩けたのは、明らかに来場者が少なかったからだ。
2日目にはアイスランドの火山が爆発し、3日目にはミラノから帰る人やミラノに訪問しようとしていた多くの人たちが足止めをくったことも、来場者数に大きな影響を与えた。
◇サローネ会場全体の中で、ユーロクッチーナ会場やバスサニタリー会場などが会場面積を広げてきたことも、家具見本市の中でキッチン空間やバス空間への意識が高まり、ニーズが拡大してきていることも顕著な変化だった。
このことは会場をサラッとひと回りしてみると、ガラーンとした家具メーカの展示場と、人が溢れ喧噪に充ちたユーロクッチーナ展示場の違いとしてはっきりわかる。
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◇今回の視察で、最初に感じたのは「トラディショナル回帰」だ。イタリアモダーンなキッチンが圧倒的に多かった前回に比べると、トラディショナル、レトロを感じさせるキッチンデザインが、全体の中でも相当のウェイトで展示されている。トラッドなデザインと最新鋭のビルトイン機器を組み合わせる手法も多いが、ビルトイン機器にもレトロ感覚の手法で作られた最新鋭機器が増え、業務用ガスレンジに近い感覚の製品も多い。
◇もうひとつの特長は、「ガス機器の復権」だ。ヨーロッパの中でも北欧は電気クッカーの普及率が高いが、ラテン系の国々はガスクッカーのほうが普及している。それにも関わらず、前回はわれもわれもと開発を手がけたIHクッカーが今回は、それほど増えていなかったことだ。一昨年の視察での最初の印象がフルフラットな「フラットフェースキッチン」であったことは、
eurocucina2008 reportでも報告したが、このフラットフェースを実現するためにIHクッカーの与えた影響は多大なものがあった。
今回は、トラッドデザインのガスレンジが増え、框組の伝統的な扉デザインが増えたこともあって、先鋭的な鋭いデザインよりも、「優しいキッチン」に変化しつつある。
今年のキッチントレンドをひとことで表現するのは難しく、いくつかの傾向をグループ分けして、その特徴的なキーワードでまとめて解説する。
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