国債・債券/個人向け社債の最新情報

三菱UFJFGの劣後債、個人投資家に人気

夏のボーナスキャンペーン金利がぱっとしないことから、好金利を求めた動きは事実上ストップしている状況のようです。そんな中、定期預金よりはましと考える人が多いせいか、個人向け社債の発行は好調なようです。三菱UFJフィナンシャルグループが発行した劣後債は人気が殺到して発行額を300億円も増額したようです。同個人向け社債を含めて、債券の動向を見て行くことにしましょう。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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低金利ながらも発行は多い

最新の社債の発行情報は

最新の社債の発行情報

数千億と言った多額の発行でない限り話題にならない個人向け社債。しかし、2015年7月もいくつもの個人向け社債が発行されているのです。あかつきフィナンシャルグループ、1年物、利率1.50%、東京建物、6年物、利率0.59%、小田急電鉄、3年物、利率0.12%、東海東京フィナンシャルグループ、1年物、利率0.41%、同3カ月物、利率1.60%、クレディセゾン、4年物、利率0.256%などです。

もう1つは、三菱UFJフィナンシャルグループが発行した劣後債です。償還期間は10年間ですが、発行されてから5年後に期限前償還される可能性があります。利率は当初5年間が0.61%、以降は基準金利+0.32%となっています。三菱東京UFJ銀行の10年物定期預金0.10%の約6倍の金利(当初5年間)であることから、当初500億円の発行予定が800億円まで増加したのです。

同劣後債は、国際的な自己資本規制に適合するバーゼル3劣後債と呼ばれる商品で、これまで機関投資家向けに発行されたことはありますが、個人投資家だけを対象とした商品は初めてとなっています。想定以上の人気であることから、みずほフィナンシャルグループや三井住友フィナンシャルグループ、三井住友トラスト・ホールディングスなどの国際基準行が追随する可能性があると言われています。

注意したいのが、バーゼル3劣後債は発行体が実質破たんと認定された際には、投資家も元本削減などの責任を求められることです。また、今回の三菱UFJフィナンシャルグループが発行した劣後債の最低投資金額が200万円以上200万円単位と高額であることです。

ちなみに、東海東京フィナンシャルグループ、3カ月物、利率1.60%はかなりの好条件の個人向け社債ですが、同社債は東海東京証券の退職金特別プラン(受け取り後1年以内の退職金を新規に入金した場合)を申し込んだ投資家に限り購入できる商品となっています。

国債は低調が継続

国債についても簡単に触れておきましょう。

新窓販国債は、2年物は新規発行停止の状態が継続しております。5年物、10年物は発行されていますが、2015年7月発行分を含め過去3カ月は、5年物は0.10%、10年物は0.40%の利率が続いています。

個人向け国債は、3年固定は最低金利の0.05%が継続、5年固定は長期金利に動きによって少し変動があり、最低金利の0.05%~0.10%の間の金利が適用されています。0.10%以上の利率で発行された5年固定は、2014年10月募集の第43回債までさかのぼらなければなりません。

長期金利は低下傾向が続いていますが、それでも毎日動いていることから変動10の利率も毎月変わっています。2015年7月募集の変動10の利率0.34%でしたが、同年1月募集(58回債)、2月募集(59回債)の0.20%を下回るようなことはないようです。

ただ、国債の利率は低いことに変わりありませんから、少しでも好金利を求めるなら情報のアンテナを張って、個人向け社債を吟味されるとよいはずです。
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