海外旅行の準備・最新情報/一人旅の注意点

荷物だけアフリカへ? 空港で荷物が出てこなかったら

預けた荷物が、いくら待っても出てこない。もしくは、出てきた荷物が壊れていた。そんな経験はありませんか。全世界の空港でおこる1年間の「ロストバゲージ」の数はなんと、3000万個を超えるそうです。ということは、誰にでも起こる可能性があるということです。ここでは、ガイドのロストバゲージ体験談と対策をご紹介します。

平塚 智恵

執筆者:平塚 智恵

海外女子一人旅ガイド

年間3000万個を超える、ロストバゲージ

荷物

年間3000万個を超えるロストバゲージは、あなたの身に起こる可能性も


カンボジアのシェムリアップ空港に到着したときのことです。驚くほど簡素な空港に戸惑いながらも、念願のアンコールワットに会える高揚感とともに、荷物が流れてくるのを待っていました。しかしいくら待っても出てこない。ターンテーブルの周りの人だかりは、いつの間にか数人になり、いよいよ一人きりになったのです。これはおかしい。はじめての経験だったガイドは、どこでどういう風にクレームをつけたらいいのか分からない。近くを通りかかった空港職員に尋ね、「バゲージクレームセンター」の存在を知ったのです。バゲージクレームセンターでクレームタグを見せると、よくあることと言わんばかりに、「荷物は別の国に行ったため、2日後に空港に取りに来るか、3日後にホテルに届ける」と。カンボジアの滞在はたった3日間。結局、2日後に空港に取りに行き、無事に荷物が戻ってきたものの、2日間汗臭い服で過ごす羽目になるわ、洗面道具等の購入や空港までの余計なお金はかかるわ、貴重な時間をムダにするわ、なんとも散々な目にあったのでした。

それからというもの、荷物を預ける際はロストバゲージも念頭に入れて預けるようになりました。ここでは皆さんに、ロストバゲージをした際の補償等、本当はこうすればよかった! と後から知った対策をご紹介します。

【事前対策1】必要最低限の洗面道具や下着は、機内持ち込みのバッグに。

すぐに荷物が戻ってくればいいですが、荷物が手元に戻るまでに数日を要する場合があります。最悪の場合、荷物が見つからないということもあり得ますので、必要最低限の洗面道具や下着は、手元に持っておきましょう。

【事前対策2】預ける荷物の中には、貴重品を入れない。

「空港職員が預け荷物のスーツケースを開けて、貴重品を盗んでいた」という唖然とするニュースを覚えている方も多いのでは。ロストバゲージになるだけでなく、なにが起こるか分からない預け荷物の中に貴重品を入れるのは御法度。必ず手荷物で、肌身離さず持ち歩きましょう。

【事前対策3】「クレームタグ」を無くさない。

チェックインの際に、クレームタグ(荷物の半券)をもらいます。通常、手続きをしてくれたスタッフの方が、搭乗券に貼付けてくれます。そのクレームタグは、とても重要。最終目的地で荷物を受け取るまで、絶対に無くさないようにしましょう。もし無くした場合、荷物の追跡ができなくなる可能性があるので、要注意です。

【事前対策4】携行品損害の海外旅行保険に加入する。

当たり前ですが、海外旅行に出かける前に必ず、海外旅行保険に加入しましょう。ただし、「携行品損害」の担保がないものもあるので要注意。「携行品損害」の補償がなくても、追加料金を払えば補償を追加できる場合もありますので、もう一度ご自身の保険を確認しましょう。

【事前対策5】スーツケースには、名札をつける。

英語で、名前、住所、電話番号を記入した名札を付けておきましょう。航空会社から配られた名札を、そのまま付けっぱなしにしている方も多いのでは。ロストバゲージになった際に混乱する恐れがありますので、できれば航空会社の名札ではなく、自分の名札を付けることをおすすめします。

実際にロストバゲージになったら、どうしたらいいか。つぎに、事後の対策についても見ていきましょう。

【事後対策1】「バゲージクレーム」で、申請をおこなう。

いくら待っても自分の荷物が出てこなかった場合は、クレームタグ(荷物の半券)を持って、各航空会社の「バゲージクレーム」センターに行きましょう。無くなった荷物の特徴などを伝え、いつ荷物が戻るのか等、スタッフとその後の流れを相談します。また預けた荷物が破損していた場合も、ここで状況を説明し、保険会社に提出する「事故証明書」を発行してもらいます。

【事後対策2】身の回り品を、航空会社でもらう。

もしも荷物が数日間戻ってこないと言われたら、「バゲージクレーム」センターで手続き後、身の回り品をもらえるか、確認しましょう。航空会社によってはロストバゲージ対策として、洗面道具や下着等を用意していたり、購入費を補償してくれる場合があります。ただし、航空会社から提示してくれるなんてことはまずないので、自分から確認しましょう。

【事後対策3】身の回り品の購入レシートは取っておく。

無くなった荷物が手元に戻るまでに購入した洗面道具や着替え等の身の回り品の購入費用は、航空会社にもよりますが、請求できる場合がありますので、レシートは必ずとっておきましょう。航空会社の補償内容は「バゲージクレーム」センターで確認できます。また加入している保険会社の補償内容でカバーされるかも事前に確認しておきましょう。

いかがでしたか。バゲージクレームは誰の身にも起こる可能性があります。旅のはじまりで出ばなをくじかれることになりかねないので、まずはその存在を知り、対策を十分参考にして、楽しい旅のはじまりにしてくださいね。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます