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「子育てをやり直したい」と悩むママたち……育児のやり直しは可能か

インターネットで「どれが正しい育児か」を知ることは簡単にできますが、「子育てをやり直したい」という自己嫌悪も多いもの。よくあるのが「今からでもやり直しは可能ですか?」というママからの質問。そんなママたちに向けたメッセージをまとめてみました。

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド

「子育てをやり直したい」育児情報が時にママのストレスに……

子育てをやり直したい・育児に悩むママたち

何事もやって遅すぎるということはない!

今は便利な時代。育児書やインターネットですぐに育児情報を入手することができます。叱り方のノウハウを知りたければ、検索エンジンに「子供 叱り方」と入力するだけで、読み切れないほどの情報が出てきます。
  • 怒鳴るのはNG
  • 叩いてはいけない
  • ほめて伸ばそう
などなど。どれも“理想形”が示されていますよね。そんな正論を知ると、「なるほど~」と思うことも多いと思います。でも、そんな理想と自分がやっている現実の大きなギャップに、読んでへこんでしまったという経験を持つ方も多いはず。

そのようなママ達から、

「今からでも遅くはないですか?」
「子供への悪影響は今からでも防ぐことはできますか?」

というご質問をよく受けます。結論から言えば、立て直しや軌道修正はいつでも可能です!
 

子供には、その年齢だけの歴史がある

15歳の子と2歳の子では、やはり2歳の子の方が、働きかけが容易です。でも、だからといって、15歳の子の軌道修正が無理かといったら、そんなことはありません。15歳の子には、15年の歴史があるということを理解し、取り組む必要がありますが、いい働きかけをすれば、必ず前進します。

私はカウンセリングで、よくこうお伝えします。

「3歳の子には3年の歴史があるのですから、これから3年かけて変えていくつもりで続けていきましょう」

と。すると、「それだったらできる気がする」「気が楽になった」とおっしゃってくださいます。育児法を入手して、それを「1日で実現しよう」「あっという間に我が子を変身させよう」と思ってしまうと、自分にも子供にも負担がかかります。気負いをなくし、地道に続けていけば、いつだって立て直しはできるのです。

ただ、日々のカウンセリングで感じているのは、このような質問をするママは、まじめで勉強熱心な方が多いということ。だから、実はご本人が思っているほど、ダメな育児はしていないケースがほとんどです。ほったらかしたくても、ほったらかせないまじめさゆえ、ストイックになり過ぎて、悩んでしまっていることが多いのです。

過去の記事『つい頑張りすぎてしまうママの育児ストレス解消法』でも触れましたが、頑張るけれど、頑張り過ぎない力加減がベスト。育児は100点をめざして力み過ぎると、笑顔や幸福感などのポジティブな要素が失われてしまう傾向があるからです。「70点できれば上々」と思えると、育児がいい感じに回ってきます。
 

「子育てをやり直したい」と思わせるタイプの育児情報は×

一方、ママを追い詰めてしまう一因として、行き過ぎた育児情報にも責任があると私は感じています。

「○○は危険! 子供が~~になる」
「絶対に子供に○○しちゃダメ!」

のような見出し、多いですよね。こういう情報を読んだママは、1回でも○○をしたら、二度とやり直しがきかないのではと思ってしまいかねません。「あれダメ」「これダメ」ばかりの育児情報では、ママは身動きが取れなくなってしまいます。

育児は、人間と人間との関わり合い。だから、言うのは簡単、でもやるのは大変です。目の前で、真っ赤な顔をして「イヤイヤ~~」と絶叫する我が子に向かって、「怒鳴るのはNG」「叩いてはいけない」と言われても……。「ほめて伸ばそう」なんて到底ムリ、という方は多いでしょう。

親ならだれもが、怒鳴るより、ほめたい、そう思っています。でも思うようにはいかない……だから悩んでいるのです。

育児の軌道を作るためにも、正論はたしかに大切。でも、ママが本当に必要としているのは、イヤイヤを連呼する我が子の前でも、怒鳴り返さないでいられる方法であり、気持ちを抑えられるテクニックです。

ママたちをハラハラさせるような危険信号を次々にばらまくよりも、理想形を実現するためのノウハウを伝え、軌道修正をサポートすることが、育児情報を発信する側のこれからの使命だと感じています。

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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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