住宅設備・建材の選び方/住宅設備・建材選び

カビ対策の最新傾向 バス・サニタリー設備&内装建材

システムバスや洗面化粧台、トイレなどの水まわり機器や内装材、窓サッシなど、最近ではカビに対する対策を施した商品も多くみられます。ここでは、機器や建材にどのような工夫がされているのか、選ぶ前に知っておきたい最新傾向をまとめました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

水まわりと空気が循環しにくい空間が要チェック!

梅雨の時期だけでなく、日々の暮らしの中で、やっかいなもののひとつがカビ。換気を心がけ、家の中の湿度を抑えるなど配慮しても、少し気を許すと、発生してしまうケースもあるものです。

住まいの中で、まず気になるところといえば、バスルームや洗面、トイレなどの水まわり。窓を開けたり換気扇を回すなどしても、湿気がたまってしまう場所です。また、クロゼットや納戸など、空気が循環しにくい空間も要注意。扉も閉め切りがちの狭いスペースでは湿気もたまりやすく、カビも生えやすいものです。

これらの場所に取り入れられる設備機器や建材商品には、カビの発生を抑える、さまざまな提案がみられます。メーカー独自の素材や加工技術などによって、細かな工夫が施されているものも増えてきているので、選ぶ際には、性能やデザインだけでなく、日々のメンテナンスを楽にする技術も重視することが重要でしょう。

汚れがつきにくい排水口の形状や素材、乾きやすい床、掃除のしやすいカウンターなどを清潔さを保つ工夫がみられるシステムバス。[サザナ]undefinedTOTOundefined http://www.toto.co.jp/

汚れがつきにくい排水口の形状や素材、乾きやすい床、掃除のしやすいカウンターなどを清潔さを保つ工夫がみられるシステムバス。[サザナ] TOTO

システムバスのカビ対策

■排水口
システムバスでカビが気になる場所のひとつが、洗い場の排水口でしょう。最近のシステムバス商品は、排水口のヘアキャッチャー部分に工夫を施し、お手入れしやすく、ゴミの処理も簡単なものが一般的。排水口まわりなども凹凸を少なくし、汚れがたまりにくい形状となっていますし、抗菌・防カビ効果を持つ樹脂などを用いてぬめりやカビ汚れの増殖を抑えたタイプも。また、浴槽の排水口まわりもすっきりとした形状として、汚れや水アカがたまらないようにした商品もみられます。

■内装材
システムバスの床材は、表面の形状や処理加工に工夫することで、水分が残りにくく、早く乾くタイプが一般的になってきています。また、壁や天井の部材の目地をなくしたり、形状に工夫するなどして、汚れや水アカが溜まらないようにしたものなどもみられます。

■カウンター
カウンターも汚れがつきやすい部分。裏側や奥の部分のお手入れがしやすいように、壁や浴槽と離れたデザインとなっていたり、カウンターを取り外すことができる商品も。凸凹のないすっきりとしたデザインも増えています。

■出入口扉の形状
システムバスの出入口扉では、カビの発生、浸透を抑えたパッキンを採用したり、ゴムパッキンをそのものを無くしたタイプもみられます。また、汚れがたまりやすい扉の下の換気口のガラリを外して洗えることができるもの、換気口をドア枠の上部や横に設けるなどの工夫を施した商品も。扉の形状がすっきりすることで、埃や汚れも付きにくく、カビも発生を抑えることが可能でしょう。

洗面化粧台のカビ対策

■排水口
洗面化粧台もシステムバスと同様に、排水口まわりの工夫が多くみられます。ピンク色の汚れなどがたまりやすいフチの隙間をなくしたり、形状に工夫を施して水アカなどの掃除のしやすいものも。簡単に取り外すことができ、お手入れも簡単なヘアキャッチャーを取り入れた商品も揃っています。

■水栓金具まわり
水栓金具の根元に水がたまることで、発生する水アカやヌメリなどを防ぐ工夫が多くみられます。水がたまらないように水栓金具を立ち上がりの壁面に設置したもの、ミラーキャビネット下に組み込まれたタイプなども。その他、水アカをはじく素材のボウルを取り入れたり、ボウルとカウンターなどを継ぎ目のない一体成型としたものであれば、汚れもたまりにくく、カビも抑えることができるでしょう。

トイレのカビ対策

■便器や便座のフチ
トイレでは、カビなどの発生の原因となる汚れがたまりやすい便器や便座のフチを無くしたものが増えてきていますし、表面加工や素材に工夫を施すなどして、掃除のしやすいタイプも多くみられます。全体的に凸凹を無くし、すっきりとした形状なのも特徴でしょう。メーカーによっては、イオンや除菌水などで、汚れの付着を抑制する商品もみられます。

調湿や通風に配慮した居室空間に用いる建材

■調湿性のある壁材
水まわりだけでなく、居室空間でも湿度が高ければ、カビの心配もあるものです。快適な空間を生み出す調湿作用を持つ内装材なども注目されており、機能性の高いタイル、珪藻土などの自然素材、壁クロスにも調湿機能を持つタイプなどが揃っています。商品や素材ごとに性能は異なるので、取り入れる空間、環境に合わせて選ぶことが大切でしょう。

調湿作用によって、結露、カビやダニ発生の原因となる高湿度になりにくい。[エコカラットGシリーズundefinedビンテージオーク]undefinedLIXIL http://www.lixil.co.jp/

調湿作用によって、結露、カビやダニ発生の原因となる高湿度になりにくい。[エコカラットGシリーズ ビンテージオーク] LIXIL

■室内に風を通すルーバーやランマ付の扉
室内の空気がよどまないように、効果的に通風が可能な室内扉や建材も揃っています。ルーバーなどを取り入れた扉や開閉機能を持つランマ付ドアなど、扉本体を開けなくても、新鮮な風を取り込むことが可能なタイプなどがみられます。洗面室や納戸だけでなく、プライベートな空間でも取り入れることができるデザインの商品も増えてきました。また、使い方に合わせて開閉し、風を通しやすい引き戸タイプの室内扉の商品バリエーションも豊富になってきています。

縦に設けた中軸回転式機構は、簡単な操作で開き角度を変えることができるので、設置する部屋に応じた通風が可能。[ラフォレスタ通風ドア]undefinedYKK AP http://www.ykkap.co.jp/

縦に設けた中軸回転式機構は、簡単な操作で開き角度を変えることができるので、設置する部屋に応じた通風が可能。[ラフォレスタ通風ドア] YKK AP

調湿や脱臭に配慮したクロゼットや収納

■壁装材
空気が循環しにくいクロゼットや納戸、収納スペースなどにもカビは生えやすいもの。建材メーカーからは、湿気を吸収・放出し、収納内部をさわやかに保つ調湿建材、消臭効果やホルムアルデヒド吸着性能などを持つ収納・押入ボードなども提案されています。これらの建材を取り入れたシステム収納などもみられます。

■カビ菌や臭いを抑制
靴などを収納する玄関システム収納には、イオンなどによって脱臭効果や付着カビ菌を抑制する機能を搭載したタイプもみられます。玄関収納内を清潔に保つことができるでしょう。

設備機器や建材など、カビの発生を抑えることができる工夫は、見た目ではなかなか分からない技術も多いものです。商品を検討する際には、必ずショールームで確認すること。具体的な性能や効果、メリットなど、ショールームアドバイザーに説明を求め、しっかりと理解しておくことが大切です。


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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