男の子育て/イクメン・父親の育児

パパスイッチは本当にあった!

カルガリー大学の神経科学者がマウスで実験したところ、子どもの誕生後、父親の脳には補足的なニューロンが生じ、ホルモンバランスも変化することがわかりました。

執筆者:おおた としまさ

生物学的にもパパスイッチは存在する

父性はどうやって育っていくのか?

父性はどうやって育っていくのか?

女性は自分の体の変化に伴い、自分が母親になることを実感しやすい。でも男性の体には何も変化がない。「できてたみたい・・・」という報告を受けて、その事実を追いかけるように父親になることを自分に言い聞かせなければいけない。…と一般には言われますし、その通りなんですけれど、父親になった男性に、本当に何にも変化がないかというとそうでもないようなんです。

しかし最近の科学的研究によると「子どもの誕生後、父親の脳には補足的なニューロンが生じ、ホルモンバランスも変化する」ということです。父親になることによって男性の脳にも物理的な変化が起きているということです。パパとしての自覚が芽生えることを、私は「パパスイッチが入る」と表現しますが、精神的な意味だけではなく、生物学的にもパパスイッチは存在するようなのです!

父親になった男性の脳になんらかの変化が起きている可能性が高いことがわかり、それを確かめるために、カルガリー大学の神経科学者がマウスで実験したところ、以下のようなことがわかりました。
・子マウスの出生後数日間に新しいニューロンが新しい回路を形成する。
・嗅球では自分の子マウスの臭いにだけ反応する新しいニューロンが発達した。
・父親マウスの海馬(脳の中で記憶を司る中枢)では、別のグループのニューロンが発達しており、おそらくこれが子マウスのにおいを長期記憶に統合したのだろう。

そこで疑問が生じるでしょう。「もし、以前関係をもった女性が、自分でも知らないうちに妊娠・出産していたら・・・自分の脳に変化は起こるのか?」ご安心ください。答えはNOです。生物的に父親になるだけでは脳の変化は起こらないようなのです。

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