男のボディケア/デオドラント・臭い対策

脂臭いニオイを「食べて治す!」方法

東洋医学では宇宙の森羅万象を陰と陽、5つの要素と元素に整理して考えますが、この東洋医学的な考えに基づいた脂臭いニオイを「食べて治す」ポイントを紹介します。そこには人間の「歯の数と、その役割」が関係してきます。

大泉 高明

執筆者:大泉 高明

男のボディケアガイド

東洋医学では「全てはつながっている」と考える

東洋医学(漢方薬など)は、西洋医学とは異なる論理体系に基づいて構築された医療のジャンルです。この東洋医学の中心にある論理体系が「陰陽五行論」です。

宇宙の森羅万象を陰と陽、5つの要素と元素に整理して考えます。陰陽は月と太陽に例えられ、陰陽五行論で宇宙を構成する元素と考えられている5元素は、木、火、土、金、水にたとえられます。宇宙は陰陽つまりプラスマイナスと、5つの要素でできており、全てのものが5つに分類されるとされます。

私たちが普通、学校で習う西洋で発達した科学とは根本的に異なる論理体系で、少し解り難いところがあるかもしれません。一言でいうと唯一絶対的な真理が必ずある、という前提に立っているのが西洋で発達した科学なのに対して、全てのものは相対的な関係にあり、絶対的な真理は存在しないというのが東洋的な論理体系です。
陰陽五行

陰陽五行


東洋医学では、内臓を陰陽五行の理論にしたがって、5つに分類し、それぞれの相生相克関係(高め合ったり、抑え合ったりする関係)を説明しています。内臓は「肝臓・胆のう系」「心臓・小腸系」「脾臓・胃・すい臓系」「肺・大腸系」「腎臓・膀胱系」の5つに分類されます。

脂っこいものを食べ過ぎたり、「肝臓・胆のう系」に問題があったりすると脂臭いニオイが出るとされています。脂っこいものの食べ過ぎといっても、どれ位食べたら食べすぎなのでしょうか?また、深刻な肝臓・胆のうの疾患はともかく、普段の生活や食事で良くする方法はあるのでしょうか?食べて治すための3つのポイントを紹介します。

食べて治すポイント1:人間は何をどれ位ずつ食べれば良いのか?

厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準2015年版」では、推奨される三大栄養素の摂取比率は概ね、たんぱく質16.5%、脂質25%、炭水化物57.5%とされています。これは国が最新の栄養学と、最新の調査に基づいて導いた数字で、平均値として参考にすべき数字です。

しかし、人間が何をどれ位ずつ食べれば良いのか?という問いに対して、別のアプローチから答えを導き出す方法もあります。それが、「歯の役割に応じた割合で、肉、野菜類、穀類を食べる」というものです。

永久歯

永久歯


人間の歯は全部で32本あり、食べ物を食いちぎるための切歯が上下8本(25%)、肉食動物の歯である犬歯が上下4本(12.5%)、食べ物をすりつぶすための臼歯が上下20本(62.5%)です。

切歯は野菜などをかみ切るための歯、犬歯は肉や魚を引きちぎるための歯、臼歯は穀物をすりつぶすための歯と理解することもできます。この歯の本数の比率で食べ物を食べるのが一番良いというのが、この考え方です。

歯の本数の比率を野菜、肉や魚、穀物に当てはめてみると、野菜を食事の25%程度、肉を12.5%程度、穀物を62.5%程度食べると良いことになります。しかしこれでは三大栄養素の一つ脂質が抜けてしまいます。

私たちは揚げ物などの脂(油)を使った食品を食べたり、不自然に太らせた家畜を食べたりしますが、これは自然界ではあり得ません。野生動物の体脂肪率は、北極圏の動物などを除くと、3~10%程度、イワシなどは5%前後と考えられています。また、大豆油の原料である大豆でさえ、油脂は10%程度(ゆで豆)、米(ご飯)の脂質は0.5%程度です。

野菜類にはほとんど脂質がないと考え、先ほどの歯の比率で野菜(脂質0%)を25%、肉や魚(脂質5%)を12.5%、米や小麦、大豆などの穀物(脂質平均1%)を62.5%食べたとすると、それらに含まれる総脂質は1%程度です。この考えからからすると、現代人は明らかに脂っこいものを摂りすぎていることになります。

この脂質1%はともかく、脂っこいものを食べ過ぎないことが、脂臭いニオイを食べて治すための一番大事なポイントです。脂っこい食べ物といっても、揚げ物や炒め物だけではありません。

乳製品、ウィンナーなどの加工肉、玉子、明太子などの魚卵などは脂質が多い食品ですし、ラーメンやカレーライスなども脂質が多い食品です。また、加工食品なども脂質が多いものがかなりありますので、要注意です。

食べて治すポイント2:腸内環境の悪化と脂の酸化を防ぐ

食品として食べる脂質はどちらかというと良いニオイなのに、脂っこい体臭は大変不快なニオイがします。これは食品として食べた脂質が、いろいろなプロセスで酸化され、最後は皮膚の常在菌によってニオイの原因物質になるからです。

ラーメン

脂質が多い食品ばかりでなく、善玉菌が増える食事を心がけること!


このプロセスの中で最も問題になるのが、腸内環境です。腸は食べたものを消化して吸収するための大事な臓器ですが、消化酵素だけではなく、様々な常在菌による腸内フローラ(腸内菌叢/ちょうないきんそう)の働きによって分解・消化活動が行われています。その数は100種類以上、個数は約100兆個ともいわれています。

大きく分けて善玉菌と悪玉菌があり、善玉菌が多ければニオイは出にくいのですが、悪玉菌が増えてしまうと腸内で異常発酵が起こり、一種の腐敗状態になってしまいます。こうなると脂質は異常な状態で酸化され、これが血液を経由して皮脂腺から分泌されて、脂臭いニオイの原因になります。

では、善玉菌を増やすためにはどうしたらよいのでしょうか。まず大事なのは繊維です。野菜類などを心がけて多く食べることですが、サラダなどはかさばる割に意外と量は食べられないので、蒸し野菜やおひたし、根菜類などを心がけて食べるとよいでしょう。特に緑の野菜に含まれる葉緑素はニオイを吸着して中和する働きがあるので、緑の濃い野菜を多く摂ることをおすすめします。

また白米ではなく、玄米、発芽玄米、七分づき米などにすれば効率的に繊維を摂れます。麦ごはんやオート麦(オートミール)なども繊維が多い穀物です。

食べて治すポイント3:さらに善玉菌を増やしてニオイを防ぐ

納豆やぬか漬けなどの発酵食品も腸内環境を良くするものとして知られています。ぬか漬けは日本の伝統的な食品ですが、ぬか床で発酵させた漬物は、腸までとどく元祖・乳酸菌食品です。特定保健用食品のヨーグルトなどは腸まで乳酸菌が届くとされて良いのですが、反面、脂質も多いので要注意です。

また、植物の葉や実の皮は、もともと空気中の酸素による酸化を防ぐ抗酸化作用を備えています。キャベツの外側の青い葉や、大根、ニンジン、ゴボウなどの根菜類の皮、果物の皮、穀物の皮は、剥いで捨ててしまうことが多いのですが、良く洗って工夫をすれば食べることができ、食べた脂などを酸化させない作用があります。

腸内の善玉菌が増えるにはビタミンやミネラルも必要です。ビタミンやミネラルは野菜や海草に豊富に含まれていますから、緑黄色野菜や根菜類、海藻類からビタミンやミネラルを補給すれば、同時に繊維も摂れるので、一挙両得です。

ビタミンB郡は玄米、ぬか漬け、菜の花、枝豆、ほうれん草、からし菜、ナッツ類、バナナ、納豆などに多く含まれます。ビタミンAはカロチンのかたちでニンジン、ほうれん草、小松菜、パセリ、ニラ、シソの葉などに多く含まれます。

ビタミンCはブロッコリー、芽キャベツ、ピーマン、菜の花などに多く含まれます。ビタミンEはアーモンドなどのナッツ類や小麦胚芽などに多く含まれます。鉄分やカルシウムはホウレン草や海草から摂れば、繊維や葉緑素も同時に摂れます。

バランスの良い食事に発酵食品などを加えて、常に腸内環境を良い状態に保ち、善玉菌が増えるような食習慣を心がけましょう。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して体調不良を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮し、正しい方法で行ってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。

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