男のボディケア/デオドラント・臭い対策

脂臭いニオイが気になったら? 3つのチェックポイント

東洋医学では、内臓を陰陽五行の理論にしたがって、5つに分類して説明していて、この5つのどれにトラブルがあったかで、発生するニオイの種類も異なるとされます。そして「肝臓・胆のう系」にトラブルがあると脂臭いニオイがするのです。

大泉 高明

執筆者:大泉 高明

男のボディケアガイド

<目次>

肝臓・胆のう系のトラブルが脂臭さにつながっている…3つのポイント

脂臭いニオイが気になる

脂くさいニオイが気になったら、次のポイントをチェック!

内臓の機能が低下すると、いろいろな代謝が上手くいかず、異常な代謝産物が増えてしまい、結果としてニオイ発生の原因になります。東洋医学では、内臓を陰陽五行の理論にしたがって、5つに分類し、それぞれの相生相克関係(高め合ったり、抑え合ったりするする関係)を説明しています。

内臓は「肝臓・胆のう系」「心臓・小腸系」「脾臓・胃・すい臓系」「肺・大腸系」「腎臓・膀胱系」の5つに分類されますが、この5つのどこかにトラブルがあると、連鎖的に全体のバランスが崩れ、ニオイを発生します。また、5つのどれにトラブルがあったかで、発生するニオイの種類も異なるとされます。

そして、「肝臓・胆のう系」にトラブルがある場合、脂臭いニオイがするとされています。もし脂臭さが気になったら、次のポイントをチェックしてみることをおすすめします。
 

チェックポイント1:脂(油)っこいものを食べ過ぎていませんか?

自分では食べ過ぎてはいないと思っていても、実は食べすぎのことが多いのです。脂や油を構成している脂肪酸は、デンプンや糖類に比べて6倍のエネルギーを持っているといわれます。それだけに、脂肪酸を消化器で消化し、さらにそれを肝臓で分解して私たちが使えるエネルギーにするには、かなりの手間がかかります。

脂肪の多い食品は糖質やタンパク質を主とする食品にくらべ、消化・吸収に時間がかかります。普通食後3、4時間してやっと脂肪が吸収されるようになります。脂っこい料理は腹持ちが良く、食べ過ぎると胸やけがするのはこのためです。

脂臭いニオイは、消化分解しきれなかった脂やその酸化分解物が、血液を経由して皮脂腺から漏れ出て、皮膚の常在菌によって酸化することで起こります。脂臭いニオイが気になる人は、油で揚げた料理や、脂肪の多いまぐろのトロやロース肉を食べすぎていませんか? この他にも、スナック類やナッツも要注意です。ラードやバターなどの動物性脂肪を多く使った料理も脂臭いニオイの原因をつくります。

また、油っこいものを長い間食べ過ぎると、「肝臓・胆のう系」が弱って、本来の働きができなくなり、更に油っこいニオイが出てしまいます。こうなってしまうと、「肝臓・胆のう系」は脂肪酸代謝だけでなく、様々な他の代謝や解毒機能も低下して、血液が汚れた状態になってしまいます。血液が汚れてドロドロになると、他の内臓への血液の供給が減り、全体的な機能低下にもつながります。
 

チェックポイント2:胆のうに負担をかけすぎていませんか?

油や脂肪などの脂肪酸を消化するには、胆のうから分泌される胆汁が必要です。食品に含まれる脂肪の多くは、中性脂肪とよばれるもので、体内に入ると中性脂肪は十二指腸で胆汁により乳化されます。多くは肝臓で代謝されますが、たんぱく質と結合したリポタンパク質は、リンパ管から吸収されリンパの流れにのり、腹部、胸部、さらに左頸部下から鎖骨下静脈、心臓を巡って動脈に移り全身へ運ばれます。

脂っこい食べ物を常に食べ過ぎていると、常に大量の胆汁を必要とし、やがて胆のう・肝臓系が疲弊してしまいます。また胆石などが溜まって、胆のうの機能が低下していたり、胆管が詰まってしまっていたりすると、脂肪を分解できず脂臭いニオイの原因になります。

また、胆のうポリープ、胆のう腺筋腫症、胆のう癌などの危険性もあります。胃が張った感じがある、軽い痛みや胸やけがある、右上腹部(のうのある位置)にしこりや強い痛みがある、食後に痛みがある、皮膚・爪・白目が黄色っぽい、食欲不振などがある場合は、胆のうの異常が疑われます。
 

チェックポイント3:肝臓が弱っていませんか?

脂っこい食べ物を消化するために必要な胆汁(胆汁酸)は、肝臓でつくられます。肝臓にはたくさんの酵素群が存在し、体中の代謝の中心的臓器になっています。その機能の一つが胆汁の産生です。

また、小腸から吸収された脂肪酸を「β(ベータ)酸化」という代謝経路でエネルギーにするのも大事な仕事の一つです。β酸化とは脂肪酸を酸化して、アセチルCoAというエネルギーの元となる物質を取り出す代謝経路のことです。動物細胞では脂肪酸からエネルギーを取り出すための重要な代謝経路です。

しかし肝臓が弱ってくると、正常に機能しなくなることもありえます。これが肝機能障害といわれるものです。肝臓が何らかの異常によって障害を受けることにより、正常に機能しなくなってしまうことをいいます。

肝臓は沈黙の臓器といわれ、自覚症状がないことが多いですが、進行すると全身倦怠感・食欲不振・黄疸などの症状が現れます。肝炎、脂肪肝、肝硬変、肝がんなどで肝細胞が障害を受け、機能低下を起こすと、脂肪酸の代謝だけでなく、解毒代謝をはじめとした様々な代謝機能が上手くいかず、血液が汚れてニオイの原因になります。

皮膚・爪・白目などが最近黄色っぽい、食欲がない、倦怠感がある、寝つきが悪い、首筋が凝る、足がだるいなどの自覚症状があったら、もしかすると肝臓の障害があるかもしれません。肝機能障害をそのまま放置すると、肝炎・肝硬変・肝臓がんなどに進行する恐れがあります。

血液検査をすればALT(GPT)・AST(GOT)・γ-GTPといった肝機能の数値で肝機能障害の有無が診断できますので、症状が気になる方は一度診断してもらうことをおすすめします。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して体調不良を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮し、正しい方法で行ってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。

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