ハーレーダビッドソン/ハーレーダビッドソンの車種情報

ハーレーカスタムガイド ソフテイル編

110年以上の歴史を持つハーレーダビッドソンのラインナップ中で、その伝統を色濃く受け継ぐカテゴリー、それがソフテイル。同ファミリーのモデルとともに走れば、きっとハーレーダビッドソンの息づかいを感じ取れるはず。

田中 宏亮

執筆者:田中 宏亮

バイクガイド

色褪せない伝統の継承者

リジッド風フレーム「ソフテイルフレーム」を骨格に持つソフテイルファミリー

リジッド風フレーム「ソフテイルフレーム」を骨格に持つソフテイルファミリー


多種多様なモデルをラインナップするハーレーダビッドソン。そのなかでも、110年以上という途方もない歴史と伝統を色濃く受け継ぐカテゴリーとして存在するのが、このソフテイルです。1985年、FXSTとともに誕生したカテゴリー(ファミリー)で、“ハーレーダビッドソンとしてのあるべき姿”を語り継いでいくために生み出された、と言っても過言ではない存在です。

スポーツスターやダイナ、ツーリングモデルなどはいわゆるツインショック型フレーム構造。対してソフテイルは、専用の「ソフテイルフレーム」を持つ特殊なスタイルとされる

スポーツスターやダイナ、ツーリングモデルなどはいわゆるツインショック型フレーム構造。対してソフテイルは、専用の「ソフテイルフレーム」を持つ特殊なスタイルとされる


ソフテイルの語源は「ソフトテイル」で、“優しい尾っぽ”という意味。他のハーレーダビッドソンモデルはすべてツインショック構造のフレームを採用しており、現代のクラシックスタイルという観点ではもっともオーソドックスなもの。対してソフテイルの骨格は「ソフテイルフレーム」と呼ばれる専用設計のフレームを採用しており、画像で見比べると分かるとおり、ツインショックフレームとはリアまわりの構造が根本的に違います。

往年の名車と呼ばれるモデルのほとんどが、リアショックのないリジッドフレームを骨格としていた(写真:磯部孝夫)

往年の名車と呼ばれるモデルのほとんどが、リアショックのないリジッドフレームを骨格としていた(写真:磯部孝夫)


ソフテイルフレームがどうしてこんな構造になっているかと言うと、1960年代まで製造されたハーレーダビッドソンがこの形状のフレームを採用していたから。現代のオートバイには不可欠なパーツであるリアサスペンションというものが当時にはなく、こうしたトライアングル型のフレーム……通称リジッドフレームがオートバイを支えるフレームの基本構造だったのです。

トライアングルを描く「ソフテイルフレーム」の下部には専用のサスペンションが内蔵される

トライアングルを描く「ソフテイルフレーム」の下部には専用のサスペンションが内蔵される


リアサスペンションがオーソドックスなものとなり、リジッドフレームは過去の遺産となりつつあった1980年代、H-D本社は「往年の名車の姿を、未来にも語り継ぐべき」と、ソフテイルモデル開発プロジェクトを立ち上げました。しかし、サスペンションのないリジッドフレームをメーカーの名のもとに販売するわけにはいきません。

そして、試行錯誤の末、形状こそリジッド型ながら、フレーム下部に特殊サスペンションを仕込み、ジョイント部分が稼働することで走行時の衝撃をやわらげる新フレームを開発したのです。ハードな乗り味のリジッドフレーム、いわゆるハードテイルに対し、ソフトな乗り心地を実現したソフトテイル……それが「ソフテイル」の語源です。

他ファミリーとは異なる骨格を持つソフテイルは、ここからさらにキャラクターが分かれていきます。カスタムのベースとなる車両選びをする際に必要な知識ですので、それでは次ページへと進みましょう。

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