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給与明細書、すぐに捨てないほうがいい理由とは?

給与明細書とは、給与の額やその内訳、社会保険料などの控除項目とその金額、差引支給額を項目別に細かく書き出した文書のことです。雇用主には、給与を支払う相手に対してその明細を発行することが、法律で義務づけられています。給与明細書を見ると、実際に支払われた手取りの金額や、税金や社会保険料をいくら支払ったかが分かります。家計のやりくりに役立つだけでなく、捨てずに置いておくことで、税金や社会保険料の推移を確認することもできます。

井戸 美枝

執筆者:井戸 美枝

マネープラン・もらえるお金ガイド

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給与明細書とは?書いてあることは?

給与明細書とは、給与の額やその内訳、社会保険料などの控除項目とその金額、差引支給額を項目別に細かく書き出した文書のことです。雇用主には、給与を支払う相手に対してその明細を発行することが、法律で義務づけられています。

給与明細書を見ると、実際に支払われた手取りの金額や、税金や社会保険料をいくら支払ったかが分かります。家計のやりくりに役立つだけでなく、捨てずに置いておくことで、税金や社会保険料の推移を確認することもできます。

また、会社が突然倒産して離職票を発行してもらえず失業給付の申請ができない、未払いの残業代などの請求を会社に行いたい場合など、突発的な事由が起こった時、給与明細書が証拠書類となる場合があります。

失業給付の確認期間や賃金請求期間は原則として過去2年となっていますので、この期間分を保管しておくと安心です。

 

給与明細書の3つの項目

会社によって書式は異なりますが、給与明細書には大きく分けて3つの項目があります。

1. 勤怠……月々の勤務日数、勤務時間など就業に関係する項目です。
2. 支給……月々の基本給など支給(支払われるお金)に関係する項目です。
3. 控除……月々の保険料や税金などの、控除(差し引かれるお金)に関係する項目です。

 
給与明細書の例

給与明細書の例

















 

1.勤怠

出勤データの項目です。
「出勤日数」「欠勤日数」「残業時間」「特別休暇日数」「有給日数」「有給残日数」などが記載されています。
 

2.支給

会社から支払われるお金の明細の項目です。
「基本給」「非課税通勤費(月10万円までが非課税)」「残業手当」「家族手当」「資格手当」などが記載されています。

それぞれの会社の規定によって、「基本給」が、「本給」や「職能給」「職務給」など、細かく分かれている場合があります。

「本給」は年齢や勤続年数などで決められるものです。

仕事の遂行能力に対する「職能給」、仕事の内容や責任度に応じて決められる「職務給」や「職責給」、職種に応じて支払われる「職種給」などがあります。

手当には、「時間外手当」や「深夜勤務手当」など超過勤務に関する手当や、「役職手当」「資格手当」など仕事の内容や職務に関する手当、「家族手当」「住宅手当」など家族や生活に関する手当があります。
これらの手当は、全ての会社で支給されているものではありませんので、ご注意ください。
 

3.控除 【税金】

控除される(差し引かれる)お金には、主に「税金」と「社会保険料」の2つがあります。
「税金」の方をみてみましょう。

給与から会社が天引きする税金は、国の所得税と地方自治体の住民税の2つです。

・所得税
所得税は、毎月の給料から通勤費(10万円まで非課税)と社会保険料(非課税)を引いた金額をもとに、配偶者や子どもなど扶養する人数に応じて、天引きされる金額が決まります。税率は5~45%で、所得が多いほど高くなります。

ただし、毎月天引きされている金額は仮のもの。本来であれば所得税から差し引くことのできる生命保険料控除などが反映されていないことや、途中で扶養家族が増えることもあるからです。正確な計算は、12月の給与支払いの際に、年末調整という形で実施されます。

・住民税
住民税は、前年の所得額に基づいて計算され課税されます。
税率は基本的に一律10%です。前年の所得のない新入社員の方は、住民税はかかりません。逆に、会社を辞めて所得が変わった場合などでも、前年の所得額に応じて住民税を支払うことになります。
 

4.控除 【社会保険料】

次に「社会保険料」をみてみましょう。

・健康保険料
ご存知の通り、医療費の自己負担を軽くするもので、保険料は会社と従業員が半分ずつ負担します。具体的な金額は、「標準報酬月額」×「保険料率」で計算します。「標準報酬月額」は50等級に区分されており、4~6月の報酬の平均額で決定され、その年の9月から翌年の8月までの1年間利用されます。

・厚生年金保険料
健康保険と同様、保険料は、会社と従業員が半分ずつ負担します。具体的な金額は、「標準報酬月額」×「保険料率」で計算します。「標準報酬月額」は31等級に分かれていて、4~6月の報酬の平均額で決定され、その年の9月から翌年の8月までの1年間利用されます。

・雇用保険料
保険料は、平成30年度の一般事業の場合、給与総支給月額に雇用保険料率0.9%を掛けて算出します。これを、事業主が0.6%、従業員が0.3%負担します。

・介護保険料
介護保険料は40~64歳の人が支払います。保険料は、会社と従業員で半分ずつ負担します。
具体的な金額は「標準報酬月額」×「保険料率」で計算します。「標準報酬月額」は50等級に分かれていて、4~6月の報酬の平均額で決定され、その年の9月から翌年の8月までの1年間利用されます。

上記以外にも、財形貯蓄、個人生命保険などを給与から天引きしている方は、それらの項目も記載されます。

2.の支給額から、3.控除された後に残るのが、手取り額です。

いかかでしたでしょうか?

このように、会社からの支給内訳や社会保険の負担を知ることができるのが給与明細です。まだ見たことのない方は、一度内容を確認してみましょう。
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