国債・債券/個人向け社債の最新情報

2015年度の債券投資、その傾向と対策

預金金利も然ることながら、個人向け国債や個人向け社債への投資も厳しい状況が続いています。だが2014年度を振り返ると、何度か金利1%以上のお宝個人向け社債が発行されているのです。お宝社債をゲットするべく、2014年度の債券を取り巻く環境を検証し、2015年度の債券投資へ役立つ対策を考えることにしましょう。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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国債は2015年度も魅力なし

注目の債券は?

注目の債券は?

2014年度は1年間を通して長期金利が低下傾向にあったことから、国債へ投資するインセンティブは皆無という状況でした。2年物の新窓販国債は、2014年11月債から新規発行が6カ月も継続。

同5年債も一時期新規発行停止、その後発行が再開されましたが、その金利は0.10%に過ぎません。同10年物こそ毎月発行されていますが、金利は0.30~0.40%とおよそ10年物とは思えないほど低金利に甘んじています。

個人向け国債においても、3年固定、5年固定は最低保証金利の0.05%、10年変動も0.20~0.30%前後に過ぎないのです。このような低金利であることから、2014度の個人向け国債の発行は、月を追うごとに減少という状況に陥っているのです。

金利が低いことから敬遠されているのですが、2015年度に関しても日本銀行の異次元緩和が継続、場合によってはさらなる追加緩和も予想されています。長期金利が上昇することは難しいと思われることから、国債の金利の魅力が増すことはないと考えられます。2015年度も国債購入は見送りが賢明でしょう。

2014度のお宝社債発行企業は?

2015年度も国債に期待できないことから、おのずと期待は個人向け社債になります。2014年度、さまざまな企業が個人向け社債を発行しましたが、お宝金利と思われる1.0%以上の金利を付けて発行した企業は実は限られているのです。

クレディセゾン10年物=1.023%、あかつきフィナンシャルグループ1年物=1.85%、ソフトバンク5年物=1.45%(45回債)、同=1.26%(46回債)、ソフトバンク7年物劣後債=2.50%、東海東京フィナンシャルグループ3カ月物=1.00%、SBIホールディングス1年物=1.43%となっています。外国の政府機関や企業が発行する円建てで発行するサムライ債は除いています。

このうち、あかつきフィナンシャルグループは同条件の個人向け社債を数回発行していますが、格付けが付与されていません。格付けが絶対ではありませんが、信用リスクを測る尺度がないためリスクを厭わない投資家以外は購入を控えたほうが賢明かと思われます。

また、東海東京フィナンシャルグループは、東海東京証券でラップ口座を開設した投資家以外は購入することが出来ない条件付きの個人向け社債でした。クレディセゾンは10年物であることから、1.0%以上のお宝社債ではあるものの、他の個人向け社債よりは魅力が劣る気がしてなりません。

傾向から狙い目は2社の社債

3社の個人向け社債を除けば、2015年度も期待できるのがソフトバンクとSBIホールディングスになります。SBIホールディングスは、2015年度4月に早くも1年物=1.43%の募集を行いました。行いましたと過去形にしたのは、受付が2015年4月15日の16:00までだったからです。

SBIホールディングスの場合は、毎回購入者が多いことから抽選扱いとなっています。募集もSBI証券だけに限られることから、次回以降を期待するためにSBI証券に口座を開設しておくべきでしょう。2014年度の発行はありませんでしたが、マネックス証券もマネックス債を取り扱っています。2015年度発行があるかは定かではありませんが、マネックス証券だけの取り扱いなので、マネックス証券にも口座を開設しておいた方がよい気がします。

残る1社はソフトバンクですが、ソフトバンクは2015年度も頃合いを見て個人向け社債を発行する予定としております。ソフトバンクの場合は、1回あたりの発行額が多く、また取り扱い証券会社の数が多くなっています。万人向けの個人向け社債と言えそうです。

ちなみに、2015年1月に発行された劣後債を取り扱った証券会社は、野村証券、大和証券、みずほ証券、SMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、SBI証券、岩井コスモ証券、岡三証券、東海東京証券でした。

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