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小野寺修二×藤田桃子『白い劇場』インタビュー!

コンテンポラリー・ダンス界の異才、小野寺修二さんが立ち上げる新たなスタイルのカンパニー『白い劇場』シリーズ。オーディションで募ったメンバーと共にクリエイションを行い、この春第一回公演 『分身』で初お披露目を果たします。ここでは、主宰の小野寺修二さんと藤田桃子さんにインタビュー。『白い劇場』シリーズ発端の経緯と、今後の展望をお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

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この春お披露目公演を行うカンパニー『白い劇場』シリーズ。原則3年という期間を設け、新たなスタイルのカンパニーとして集団での創作活動を目指します。シリーズ設立の発端は何だったのでしょう?

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『白い劇場』稽古場にて

小野寺>もともと僕らは水と油というカンパニーで活動していたので、改めて団体をつくることに対して慎重になっていた部分がありました。結婚でいうと一回破局してるから、集団になるのをちょっと避けていたというか。水と油が休止になったときも、団体の枠に捕われずにいろいろなことをやってみたい、もっと広げていきたいという想いが自分の中にあった。だけどここ数年劇団のひとたちと一緒に仕事をしたり、その在り方を見ていたら、団体の良さに気付くようになって。ステキだな、ちょっと羨ましいなってすごく思ったんですよね。

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藤田>水と油のときは同じマイム研究所出身者で始めたこともあり、メンバーが共通言語を持っていること自体あまりに当たり前になっていたし、それが特別だという意識はありませんでした。でもカンパニーの外へ出ていろいろな団体を目にする内に、同じ方向へ向かうひとがいるのは贅沢なことなんだって改めて気付かされたというか……。瀬戸内の浜辺で上演した『人魚姫』や、岡山の小学校で『ロミオとジュリエット』を上演したことも良い経験になりました。“大きな劇場に上がっていきたい!”と夢見るだけじゃなくて、本当の意味で力を付ける作業を一緒にやるひとを探せたらと。ひとそれぞれ幸せの形って違うけど、向いてる方向、目指すものを共有できたらと思って。水と油のときの経験から、同じ目標を持って目指す強さは知ってたし、あの感じで進んでいけたらと……。

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小野寺>若いひとたちと出会いたい、という気持ちもありました。“新たな出会い”と“団体であること”を天秤にかけたとき、できれば両方手に入れたい、両方が上手く合致する方法はないものかと考えて。ならば思い切ってオーディションをして、ちょっとゆるやかな形の団体を目指してみるのはどうだろうと二人で話したのが始まりでした。やることは変わらないけど、積み上げていく作業を前提にやってみようと。なかなか一歩を踏み出すのって大変だけど、アーツカウンシル東京が興味を持ってくださって、それも後押しのひとつになりました。

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藤田>ここ数年常に目の前のことでいっぱいになっていて、取りあえずひとつひとつクリアしていくような状態でした。そこで学ぶことも多かったけど、先のことまで考える余裕が持てないまま、慌ただしく過ぎていった気がします。でもアーツカウンシル東京に3年間の助成金申請をするとき、“3年単位で物事を考える”という捉え方に目からウロコのような想いを抱いて。今までそういう感覚はなかったけれど、もうちょっと長い目で考えたら、いろいろ試していけるかもしれないって思ったんです。

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