株式戦略マル秘レポート/西村剛の「統計で勝つトレード」

3月に買ってはいけない銘柄は?

3月は、例年株価が上がりやすい傾向のある月です。今回は3月相場の中でも、例年株価が軟調に推移する傾向にある銘柄をご紹介します。

西村 剛

執筆者:西村 剛

株式ガイド

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3月株式市場の傾向(日経225銘柄)

3月は大半の企業にとって年度末で、3月期決算の業績が確定する月であり、決算に伴い株主優待や配当の権利が確定する月です。また、3月は、機関投資家や3月決算企業による決算対策の株式売却や、年度末のドレッシング買いが出やすい月とも言われ、様々な要因で株価が大きく動く月です。月ごとの株式市場の傾向や、業種・個別銘柄がどのような傾向にあるのか、といったことをきちんと把握することで、不用意なリスクを抑えることができるでしょう。今回は3月相場の中でも、例年株価が軟調に推移する傾向にある銘柄をご紹介したいと思います。

例年、株価が下がりやすい傾向にある銘柄をご紹介する前に、3月の株式市場について検証していきます。2月末に日経平均採用銘柄(225銘柄)を購入し、3月末に売却した場合の成績は以下の通りです。

【検証結果】

システムトレードの達人

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勝率: 56.69 %
勝ち数: 2,682 回
負け数: 2,049 回
引き分け数: 83 回

平均損益(円): 4,524 円  平均損益(率): 2.26 %
平均利益(円): 18,653 円  平均利益(率): 9.33 %
平均損失(円): -13,788 円  平均損失(率): -6.89 %

合計損益(円): 21,777,629 円  合計損益(率): 10,888.96 %
合計利益(円): 50,028,626 円  合計利益(率): 25,014.95 %
合計損失(円): -28,250,997 円  合計損失(率): -14,125.99 %

プロフィット・ファクター(総利益÷総損失): 1.771
平均保持日数: 27.25 日

以上が、3月株式市場の傾向(日経225銘柄)の検証結果です。検証結果を見てみると、勝率は56.69%、平均損益は2.26%です。勝率が高く、平均損益も大きなプラスとなっていることから、3月の日経平均採用銘柄は、上がりやすい傾向があると言えるでしょう。

なお、全銘柄を対象とした検証は、「3月株式市場の傾向は?」で取り上げていますので、こちらもあわせてご覧ください。全銘柄を対象とした検証では、「勝率52.87%、平均損益1.72%」です。

全銘柄を対象とした検証においても、株価上昇しやすい傾向が確認できることから、3月相場では、大型・中小型株問わず上昇する傾向が強いようです。しかし。マザーズ銘柄で同様の検証を行うと、「勝率37.78%、平均損益-0.26%」です。また、JASDAQ銘柄では、「勝率47.88%、平均損益0.81%」と若干上がりにくい傾向が確認できます。これらの結果を見る限り、3月相場では、日経平均採用銘柄などは比較的上昇しやすく、特にマザーズ銘柄などは株価が下落しやすいと言えるでしょう。

今回の検証では、日経平均採用銘柄(225銘柄)は、3月相場では上がりやすい傾向があることが確認できました。では、例年、3月相場で株価が下がりやすい傾向にある銘柄をご紹介したいと思います。

3月低成績ランキング


システムトレードの達人

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上記の表は、先ほどの日経平均採用銘柄(225銘柄)を対象とした検証において、勝率が低い銘柄ランキングです。今回は、勝率が50%以下の銘柄をご紹介しています。低成績ランキングの上位銘柄を確認すると、

【電力銘柄】

<9503>関西電力[勝率:31.82%]
<9501>東京電力[勝率:39.13%]

といった銘柄が挙げられます。これらの銘柄の特長は、「ディフェンシブ銘柄」です。ディフェンシブ銘柄とは、電気・ガス、医薬品などの景気動向に業績が左右されにくい安定的な業種の銘柄をいい、景気後退が懸念される場合に買いが入りやすい銘柄です。一方で、3月相場のような株価が上がりやすい局面では、投資家の資金がディフェンシブ銘柄から、値上がり益の期待できる日経平均採用銘柄などにシフトすることが予想されます。上記のほかにも、「第一三共<4568>」や、「アステラス製薬<4503>」といった銘柄も比較的相性が良くないようです。3月相場では今回ご紹介したような「ディフェンシブ銘柄」は株価が上がりにくいと言えるでしょう。

業種や個別銘柄は、月によって、株価が上がりやすい月と、下がりやすい月があります。今回のように簡単な検証をすることで、3月の投資戦略を考える上での、有効な判断材料の1つになることでしょう。なお、3月は株式市場全体が好調に推移しやすい傾向がある中で、過去の勝率が低い銘柄をトレードするよりは、成績が良好な銘柄をトレードした方が、より利益が期待できることでしょう。

これらの数字は、あくまでも過去の検証結果ですので、これから先の未来でも同様の結果になる保証はありません。しかしながら、統計的な背景がある数字は、安心してトレードに臨むことができる心強い味方となってくれるでしょう。みなさんも投資する際には是非一度検証してみて下さいね。


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(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします。)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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