英語

関係代名詞の多用していませんか? 改善点を解説!

ビジネス文書に関係代名詞をたくさん使ってしまうと、読み手にとって読みにくい文章になるのはご存知ですか? 今回は、関係代名詞を使わずに魅力的な文章を作成するためのちょっとしたヒントをお伝えします。相手の心をグッと引き寄せる英文を意識しましょう。

齋藤 浩史

執筆者:齋藤 浩史

ビジネス英語ライティングガイド

関係代名詞の多用はカッコ悪いって知ってますか?

関係代名詞の上手な使い方

関係代名詞の及ぼす影響

日本人の多くが、関係代名詞(whichやthatを使って直前の単語を修飾する)は重要と学生時代から教え込まれるせいか、英文を書きなれていない人ほどこれを多用しているように感じます。 もちろん関係代名詞を使うこと自体を悪いと否定しているわけではありません。文章構成をするうえでは必要なものです。ただ、関係代名詞は使い過ぎてしまうと、それだけで読みにくい文章となってしまい、せっかく作った文章が相手に理解されないということにもなりかねません。例えば、外資系就職に必要なカバーレターで自分の魅力を明確にアピールするはずが、関係代名詞を使い過ぎて読み手に刺さらず、それどころか余分な負荷を与えてしまうこともあるのです。

では、なぜ関係代名詞を多用すると読み手が混乱しやすいのでしょうか?それは関係代名詞以降に入る文章は補足情報であり、主たる文章ではないと認識されるからです。もちろん文章を詳細に説明するためには、このような修飾文は必要でしょう。しかし、全て補足情報として文章に盛り込んでしまうと、文章がいたずらに長くなり、読み手にしてみればどの情報が大事なのかわからなくなくなってしまいます。このような文章を”読み手に解読を求める文章”と呼びますが、ビジネスシーンでは致命的です。できるだけ余計な情報はそぎ落とし、読み手に間違った解釈をさせない短い文章作成が必要となります。

そこで今回は、関係代名詞が多用されたときと全く使わないケースを比較検証してみたいと思います。
 
<目次>
 

改善前の英文

以下は現在アジアに在住する日本人ビジネスマンに作成してもらったカバーレターの一部を編集したものです。(個人情報は全て編集しています)
 
To quickly summarize my background, my career started as a sales person in ABC where I was trained from Mr. Nagasaki who currently works as the manager for XYZ that is a manufacturing company. My sales experience in ABC had developed my business skills which I have been looking for and operation knowledge which is highly needed for business persons who have high responsibility in teams.

【日本語訳】(一部意訳が入っています。)
簡単に私の経歴を申し上げると、最初のキャリアはABC社で、そこで私は製造業のXYZ社でマネジャの長崎氏からトレーニングを受けました。そこでのセールス経験により、欲していたビジネススキルやチームで責任の高いビジネスマンに非常に有効なオペレーション知識を得ることができました。

読めないわけではないのですが、なんとなく読むのに疲れる印象ではないでしょうか。今回は数行なのでさほど問題はなかったと思いますが、このパターンが数十行にも及んでしまうと、くど過ぎるために採用担当者が読む気力を失ってしまう可能性もあります。日本人のみならず、アジア諸国のガイドの友人も関係代名詞があると読みにくいというぐらいです。
このようなことが実際の転職やその他ビジネスシーンで起こらないためにも、関係代名詞の多用を少し控えてみる(できるならば使わない)トレーニングをしてみてはいかがでしょう。文章が明快になり、相手へのアピールが力強くなることがわかると思います。
 

改善後の英文

ガイドは文章を以下のようにしてみました。
 
To quickly summarize my background, my career started as a sales person in ABC.(*1) At work I was trained from Mr. Nagasaki, the manger deployed from (*2) the manufacturing company XYZ. My sales experience in ABC had developed (*3) the long-desired business skills as well as increased operation knowledge (*4) as a highly-responsible leader.

【日本語訳】(一部意訳が入っています。)
簡単に私の経歴を申し上げると、最初のキャリアはABCで始まりました。そこでは、製造会社XYZから派遣された長崎氏よりトレーニングを受けました。私はABCでの営業経験により、求めていたビジネススキルを向上させると同時に、責任ある人材としてオペレーション知識を増やすことができました。
 

改善点の解説

修正点は2つです。それぞれについて具体的に説明していきましょう。
 
  • 関係代名詞を使わない文章を心がけてみる

今回のテーマである”関係代名詞”を一切使わないで文章構成をしてみました。ここでガイドが一番注意をしたことは、とにかく細かい文章説明は、関係代名詞を使わないで作成するよう心がけたことです(以下改善例参考)。
一部テクニックが必要なところもありますが、読み手にとってスッキリとした文章を作ることができました。
 
<改善例>
*2: XYZ that is manufacturing company → the manufacturing company XYZ.
*3: business skills which~ → the long-desired business skill
*4: business persons who have~ → as a highly-responsible leader
 
  • 関係代名詞で強引に文章を繋ぐのではなく、並列に繋げてみる

改善前の文章では、「ABCで働き始めたこと」と「ABCで長崎氏からトレーニングを受けたこと」を強引に繋げようとしたせいで、非常に読みにくい文章になっていました。そこで、この文章を2つに分けて並列に繋げてみたのですが、改善前と比べると格段に読みやすい文章ができたと思います。
 
<改善例>
*1: in ABC where I was trained~ → as a sales person in ABC. At work I was trained~
 

学校英語教育とわかりやすさはいつもトレードオフ

関係代名詞の省略が、相手に伝わる魅力的なビジネス英文作成のキーになると思った方は多くないでしょう。

"正式な文章を教える教育英語"と"実際のビジネス英語"は、わかりやすさという点でトレードオフ関係にあり、2つが融合することは永遠のテーマというぐらい難題です。

一方、(一部学生の方を除いて)皆さんは学校やテストで点数を取る事より、どうすれば仕事につかえるビジネス英語を習得することができるかが最も重要な課題のはずです。
一般人にはわかりにくい学術系論文は別にして、文章を書く目的が「読み手に理解してもらい」、「アクションを起こしてもらう」ということであれば、まずは読み手がわかりやすい文章を書くよう意識することが大事なのではないかと思うのです。

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