どうして若者は活用しない？NISA利用率14％の理由
NISAが始まって1年が経ちました。利用状況を見て驚きました。20～30代の利用率が15％未満だそうです。長期投資で資産形成がもっとも期待できる世代が、もっとも利用していないのです。その理由に興味をもって、身の回りの若者に尋ねてみました。その典型的な回答にマネードクターのコメントつけてまとめました。
お金がない
若者A：投資するお金の余裕がないから。ドクター：まだ給料が安いから、月末は厳しいよね。僕だって、その頃は金欠だった。でも、毎月1万円でもいい。収入からお金を残して投資したらいいと思う。その1万円はきっと30年後には、10万円くらいになると思うよ。
お金が増えることが信じられない
若者B：投資でお金が増えるなんて信じられないドクター：世間には、投資で失敗した話ばかり目立つから、そう思うのも無理はない。日本人は投資オンチだからね。でも、原則を守る人は地道にお金を増やしているし、そんな成功例を自慢する人もいないから、誤解されている。必ず増えると歴史的に証明できる方法はある。投資でも努力すれば報われる、マネーの世界もけっこう公平にできているもんだ。
お金が減るのが怖い
若者C：お金が減るかもしれないのは怖いから。ドクター：そうね、お金が減ることはだれでもイヤ。そして、絶対に損をしないで儲かる方法なんていうのもない。そこが、ビミョーなところだね。”虎穴に入らずんば虎子を得ず”という格言があるように、勇気を出して挑まないとできないことはけっこうあるよ。
そんなときに判断基準にしたいのは、どっちがよりマシな怖さかという比較論。まだマシな怖さに挑戦して、最悪の怖さを避けるという知恵はどう？たとえば、人生とお金なら、お金が一時的に減る怖さと、将来にお金が決定的に足りなくなる未来を比べてみることだな。
増やそうとも思わない
若者D：そもそもお金を増やそうなんて思わないから。ドクター：確かに、お金は人生の目的じゃない。お金より大事な何かを見つけられていたら、それは素晴らしいことさ。でも、お金が十分に有ったら、実現できると思う体験を想像してみてくれないかな。
今の若い人は将来は生活保護でも生きていけるなんて考えていると聞いたことがあるけど、お金に冷淡でいてなんとか食えるていどの人生と、経済的な余裕があっていろんな体験を積める人生と、どっちが楽しいか想像できるだろう。ある程度のお金は有った方が楽でもあるんだよ。
非課税という仕組みに興味ない
若者E：非課税というメリットに実感がないから。ドクター：あまり大きな税金を払ったことがまだないから、それも仕方なしか。でも、日本人は生涯で2～3億円稼ぎ、数千万円の税金を払っていく。税金は人生では最大級のコストなんだ。投資での儲けに対して、20％の税金が取られるルールになってるから、NISAを使えば、10年間で100万円くらいの税金をセーブできる。それだけ手取りが増えるってこと。これ、すごくない？
将来を考える余裕がない
若者F：そんな未来のことを考える余裕がないから。ドクター：今に集中するのは悪くない。でもね、足元だけ見ていたら、道に迷ってしまうだろう。迷わないためには小さな目標を持つこと。最初は月末にいくら貯めようでいい。次は、来年にはいくらにしよう。慣れてきたら、10年後の資産額をイメージする。
最終的には、リタイアするときに、お金がいくら有ったら安心だなと考えるんだよね。少しずつ遠くの目標を作って、そこを目指すことは、人生をゲームのように楽しくするよ。
関心が持てない
若者G：そもそも、お金や経済に関心がないから。ドクター：人生で大事なことは心だよね。お金ばかり追い求めるのは、私だってサモシいと思う。でもね、お金に対して最低限やっておかなければならない手続きがある。
まして今や、超低金利、大増税そして年金不安という時代に生きている。お金に対する姿勢で、生活がまるっきり変わってしまう。酷なようだけど、お金との付き合い方を、少しだけ考えた方がいいなあ。
面倒くさい
若者H：面倒くさいことには関わりたくないから。ドクター：証券だ、投資だ、所得税だって、確かに面倒くさいよな。でもね、”アリとキリギリス”という童話があっただろう。やりたい放題していたキリギリスが冬になって食糧に困り、コツコツ貯めていた地味でつまらないアリさんに救われる話だよ。
少し学んで、最低の準備をするだけで、みじめなことにならないようにできる。面倒なことには、それをかかわるメリットがあるってこと、知って欲しい。
お金と人生について、自分の経験を超えたところにある知恵を身につけられたらいいですね。
”愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ”
