ベトナム唯一の複合遺産「チャンアン複合景観」
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タムコックの絶景。パッチワークのように広がる黄と緑の水田からタワー・カルストの奇岩群が立ち上がっている
今回はこれらの名所を構成資産に含むベトナムの世界遺産「チャンアン複合景観」を紹介する。
カルストの絶景「ハロン湾」と「チャンアン複合景観」
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ハンムア寺の山頂から眺めたタムコック。ハンムア村に行く人は多くはないが、この絶景と農村風景はオススメだ
実はこの辺りの土地は広大なカルスト地形。2億5千万年前には海底にあり、生物の死骸が積もって1kmにも及ぶ分厚い石灰層を生み出した。これが隆起してインドシナ半島の一部となったわけだが、水に溶けやすい石灰岩は川の流れや風雨の浸食を受け、数百万年をかけて深い渓谷や奇岩・奇峰を生み出し、また地下水の流れが無数の洞窟を掘り出した。
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どこか懐かしいタムコックの絶景
このふたつの世界遺産はもともと同じ地形を持つ兄弟のようなもの。しかし、海にたたずむハロン湾と、川と緑に覆われたチャンアン複合景観ではまったく異なる趣を持つ。
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ハンムア村のウシと、背景には奇岩群。生活と自然が一体化した景観が美しい
陸のハロン湾、タムコック
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タムコックのクルーズはおよそ2時間の行程。参加する際は、日焼け止めや日傘、水、洞窟を照らす懐中電灯を持っていこう
船着き場で船に乗ると水面のあまりの近さに少し驚く。比較的大きな船でクルーズするハロン湾よりもはるかに水面が近く、エンジン音もないので水がとても身近に感じられる。船頭が足でオールを漕ぐと、聞こえてくるのはギシッ、ポチャっという船の音、水の音と風の音のみ。とても心地がいい。
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足で器用に漕ぐタムコックの船頭さん
断崖絶壁からなる奇岩・奇峰はなんとも雄大で、黄緑色の稲穂や水草が生い茂る川のやさしい流れはなんとも優雅。これこそ日本ではまず見られない大陸ならではの山水風景だ。
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タムコックの洞窟を抜ける。クルーズで訪れる最大の洞窟は長さは127m、幅20mに達する