妊活・子作り・妊娠準備/基礎体温を測る・排卵日を予測する

基礎体温をつける本当の意味と正しいつけ方

基礎体温をつけた方がいいのは、妊娠を目指している人や軽い月経不順がある人です。基礎体温をつけることによって、排卵の有無や黄体機能不全の有無、そして冷え性かどうかが分かります。基礎体温のつけ方から活用法まで、基本的な知識を解説します。

清水 なほみ

執筆者:清水 なほみ

産婦人科医 / 女性の病気ガイド

基礎体温をつけた方がいいのはどんな時?

婦人科を受診したら、「とりあえず基礎体温をつけましょう」と言われる場合がありますが、実際はどのような時に基礎体温が必要なのでしょうか。例えば、妊娠を目指していなくて月経が28~30日周期できっちり来ている人が基礎体温をつける意味はあまりありません。また、月経が90日以上来ない人が基礎体温をつける意味もあまりありません。

基礎体温をつけた方がいいのは、妊娠を目指している時と軽い月経不順がある時です。あえて「軽い」月経不順としたのは、月経周期が長すぎる場合は排卵の有無にかかわらず、受診して検査や治療が必要だからです。受診せず基礎体温をつけて様子を見てもよい目安は、月経周期が60日以内の場合です。

基礎体温でわかること

基礎体温で読み取れるのは次の3点です。

  1. 排卵の有無と排卵の時期
  2. 黄体機能不全の有無
  3. 低体温(冷え性)の有無

排卵の有無は、体温が2相性になっているか、つまり低温期と高温期に分かれているかで判断します。ただし、高温期があまりに短いとか低いといった場合は、一見2相性になっていても排卵していない場合もあります。排卵の時期は、低温期から高温期に入る直前が排卵日である可能性が高いので、グラフを「後から振り返って」排卵日を特定することが可能です。

黄体機能不全とは、高温期にたくさん出る「黄体ホルモン」というホルモンの働きが不十分になってしまうことです。黄体ホルモンは着床を助ける働きがあるため、黄体機能不全があると妊娠しにくい要因になります。黄体ホルモンが不足すると、高温期が短くなる・高温期と低温期の差が少なくなる・いったん高温期に入ったのに途中で体温が下がる(高温期がM字型になる)といった変化がみられます。

基礎体温をつけてみて、体温が35度台の日があるようならかなり冷え性です。グラフ全体が低めになっていないかをチェックすることで、冷え性かどうかが分かります。

正しい基礎体温のつけ方

基礎体温は適切なスケールのグラフにしないと読み取れない

基礎体温は適切なスケールのグラフにしないと読み取れない

基礎体温は、ワンポイントごとの体温を見ることに重きを置いていません。つまり、グラフにしないと意味がないのです。しかも、適切なスケールのグラフにしないと読み取れません。よく携帯やスマートフォンのアプリで基礎体温を記録されている方がいますが、それだと画面が小さいため変化が読み取れないのです。必ず適切なスケールのグラフにアウトプットするか、紙のグラフ用紙に転記をしましょう。適切なスケールのグラフは婦人科に置いてありますし、薬局で購入することも可能です。

体温の測定は婦人科体温計で、舌下で測ります。朝起きぬけの、体を起こす前の状態の体温を測りますので、枕元に体温計を準備して寝ましょう。毎日記録することが理想ですが、数日抜けてもある程度必要な情報は読み取れます。

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