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『千年の一滴 だし しょうゆ』と、ドキュメンタリー

日本が世界に誇る和食の源である「だし」と「しょうゆ」のなりたちを追いかけたドキュメンタリー『千年の一滴 だし しょうゆ』は美しく素晴らしい作品です。このドキュメンタリーをフックにして、食・家族・スポーツ・ファッションと芸術のドキュメンタリーをピックアップしてみました。ドキュメンタリーの魅力をぜひ感じてください。

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

ドキュメンタリー映画の世界は広く、エンタティメントから社会問題まで幅広く製作されています。そんなドキュメンタリー映画をカテゴリ別に紹介してみましょう。

まずは2015年1月2日より公開の『千年の一滴 だし しょうゆ』から、食のドキュメンタリーをご紹介。そのあと家族、スポーツ、ファッション&芸術の世界へと続きます。

食の成り立ちを知る映画

『千年の一滴 だし しょうゆ』(2014年度作品)
『千年の一滴undefinedだしundefinedしょうゆ』

これぞ千年の一滴です!


各家庭のキッチンに必ずあるであろう「だし」「しょうゆ」。これがなくては和食は作れませんからね。でもそのなりたちを知っている人はどれくらいいるのでしょうか?

『千年の一滴 だし しょうゆ』は「だし」と「しょうゆ」のなりたちを追い続けたドキュメンタリーです。「だし」は昆布、カツオ、干しシイタケから取れますが、昆布漁をする漁師は海の近くに住んでいるのですよ。漁で得た昆布を「だし昆布」にするまでのプロセスが忍耐も要することで、これほど自然の力に左右されるとは驚きです。

これは昆布だけでなく、カツオや干しシイタケにも言えることです。私たちは自然の恵みに生かされているのだなと、しみじみ……。
 
『千年の一滴』

和食の源「出し」と「しょうゆ」の世界


「しょうゆ」のなりたちも驚きです。しょうゆ誕生の鍵はカビです。これも含めて、職人さんたちが大豆から「しょうゆ」を育てていくプロセスは興味深い。「しょうゆ」がまるで生き物のように見えて来るから不思議。

この映画を見ると、もっとちゃんと「だし」「しょうゆ」を味わいながら料理したり、食事したりしなければと思うはず。そして職人さんたちの懸命な仕事ぶり、そのプロフェッショナルな姿にも感動することしきりです。
『千年の一滴』

職人さんたちの真摯な仕事ぶりにも感動


2015年1月2日よりポレポレ東中野ほか全国順次公開
監督:柴田昌平 語り:木村多江「だし」奥貫薫「しょうゆ」
(C)プロダクション・エイシア/NHK

『世界が食べられなくなる日』(2012年度作品)
食の素晴らしさではなく、危険を声高に訴えるドキュメンタリーもけっこう多いです。『世界が食べられなくなる日』は、遺伝子組み換えについての真実を探るフランスのドキュメンタリーです。

遺伝子組み換えは食のテクノロジー。実験を経て、遺伝子組み換え食品は食卓に届きますが、果たして本当に安全なのか。また原発問題を抱えるフランスと日本。果たして原子力が食物に与える危険性は?

ジャン=ポール・ジョー監督は福島を取材。食の安全性に危機感を持っていることを伝えます。監督が語る「原子力は悪魔との契約だ。次世代への究極の犯罪だ」という言葉が重い! この映画を見た後、食糧を買うときに「遺伝子組み換え」か否かを確認するようになるはずです。

監督:ジャン=ポール・ジョー、語り:フィリップ・トレトン

>次は感動と学びがある、家族ドキュメンタリーを取り上げます。
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