人間関係

年末年始、夫実家への帰省が憂うつなママへ

年末年始の帰省、どうしていますか? 子どもも楽しみにしているからと、「お勤め感覚」で乗り切っているママも少なくないことでしょう。でも中には年末が近づくと胃がキリキリ痛む人も……。この機会に家族の距離感を見直し義両親のタイプ別「傾向と対策」を考えてみませんか。

福田 由紀子

執筆者:福田 由紀子

臨床心理士/メンタルケア・子育てガイド

年末年始の帰省は意外とストレス

お屠蘇

もうすぐお正月がやってきます


盆と正月は浮き世の義理が満載の季節。年に数回の帰省だし、子どもも楽しみにしているからと「お勤め感覚」で乗り切っているママも少なくないことでしょう。でも中には、年末が近づくと胃がキリキリする人も。

義両親との関係がクローズアップされがちなこの時期は、家族内の距離感を見直す絶好のチャンス。なぜ苦手なのかを整理してみると、案外楽になるものです。義両親のタイプ別「傾向と対策」を考えてみましょう。


気を使われすぎ ……いつまでもよそ者扱い

あまりに気を使われすぎると、いつまで経っても自分だけ「よそ者扱い」されているようで悲しい気持ちになってしまうようです。

もっと仲良くなりたいという前向きな気持ちを持てる義両親なら、緊張してうまく接することができないだけかもしれません。夫に「もっと気さくな関係になりたい」と打ち明けて、それとなく伝えてもらいましょう。あなたが持っているプラスの感情は、きっと相手にも伝わっているはず。ふたりきりになったタイミングで「一度ゆっくりお話ししてみたかったんです」と、自分から親しくなるきっかけを作ってみましょう。

それとなく排除されているような疎外感を持ってしまっている場合もあるでしょう。プラスの感情を持てない場合は、これ幸いと疎遠な距離をキープしてはいかがでしょうか。夫も元々他人なら、夫の両親はさらに他人。相性もありますし、無理して親しくつきあわなくてもいいのでは。何かあった時に、家族として頼ったり頼られたりする関係を保てていればOKと割り切ってしまうのも手です。

自分の実の両親との関係がよくないママの場合、「理想の親子関係」を義両親と築こうとして、息切れしてしまうことも多いようです。「理想の上司と部下」くらいにハードルを下げて、大人のおつきあいを目指しましょう。「父的な存在」「母的な存在」は、家族の外に見つけてもいいのです。


気を使われなさすぎ ……土足でズカズカ踏み込まれる

義両親との関係で相談に訪れるママにいちばん多いのがこのタイプです。「悪気はないと思うんですけど」「悪い人じゃないんですけど」という枕詞がつくことがよくあります。

無神経な物言いに傷ついても、夫はそういう親の態度に子どもの頃から慣れていたり、あきらめていたりして、「気にしなければいい」などと、的外れなアドバイスをしてきたりします。

ママがストレスを溜めがちなのは、子どもに対して「過剰な心配をされる」「過剰に物を与えられる」といったことではないでしょうか。やれ、こんなに小さいうちから保育園に預けるなんて。やれ、習い事が多すぎるのは。やれ、ひとりっ子で育つのは。やれ、こんなものも買ってあげないのは、「かわいそう」という、子育て批判に傷つくママは少なくありません。

勇気を出して「そういうの、やめてもらえませんか」と言ってみたら、「子どものため(あなたのため)を思って言ってあげたのに!」などと、思いのほか強い反応が返ってきて、それから何も言えなくなった、という人も。

気にしてしまう自分がおかしいのか?心が狭いのか?と自分を責めて、鬱っぽくなってしまうママも少なくありません。そんな場合には、顔を合わす時間を少なくするのがいいようです。

多くの場合、義両親が会いたいのは、自分のかわいい息子と孫。あなたは「おまけ」みたいなものですから、帰省に合わせて用事を入れましょう。「家族揃って顔を見せなければ」と思っているのであれば、行く時か帰る時のどちらかに合流すればいいのではないでしょうか。

傍若無人な義両親でも、夫の理解と配慮があれば、なんとか付き合っていけるものですが、調整役を引き受けず、親を「立てる」ことを当然のこととして要求してくる夫もいます。その場合は義両親との関係より先に、夫との関係のあり方を考えてみた方がいいかもしれません。義両親の言動で傷ついていることを夫に言えない場合も同様です。


「いい嫁」から「変な嫁」へ

快適な距離感は人それぞれ。ゆっくり「家族」になっていきましょう
義両親との関係に悩むママは、事を荒立てたくない、波風を立てたくないという思いが強いようです。実家が遠くて年に数回顔を合わせるだけの関係ならなおのこと、その時だけのことだからと、ついつい我慢してしまいがち。でも、新しい年の幕開けが毎年ストレスだらけ、というのもつらいですよね。

「こんなことを言ってはいけない」「こんなふうに感じちゃいけない」と、自分の感情にふたをして「いい嫁」を演じすぎていませんか。

家庭にはそれぞれの価値観がありますから、別の家庭で育ってきたあなたが「変」だと思われるのは必然です。他人同士であれば「違い」を普通のこととして受け入れることができても、こと「家族」になると、同じ価値観を要求されがち&しがち。それが多くのトラブルの元になっています。

どうせ「異分子」なのです。ならば、なるべく早いうちに「変な嫁」だとあきらめてもらい、「親しき仲にも礼儀あり」な関係を目指した方が楽かもしれません。

ちなみに、何かが変わる時には、必ず波風は立つものです。いちど本音でぶつかってから関係がよくなった、というのもよくある話。縁あって家族になり、お互い手探りで関係を築いているのですから、「苦手」が「嫌い」になる前に、無理せず関われる距離を探してみましょう。

関連記事:義両親と上手くいかないと悩んでいるママへの処方箋
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