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ハイレゾ対応のイヤホンとは?ハイレゾロゴの価値とおすすめ製品

ハイレゾロゴのついた製品しか、ハイレゾが楽しめないのでしょうか?また、ハイレゾロゴの無い製品でハイレゾを聴いたら、どうなるのでしょうか?そんな素朴な疑問にお答えします。

鴻池 賢三

執筆者:鴻池 賢三

オーディオ・ビジュアルガイド

ハイレゾ音源が注目されている

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右上にあるのが日本オーディオ協会が推奨する「ハイレゾ」ロゴ


CDよりも高密度なデジタル音声データを持ち、高音質の「ハイレゾ音源」が注目を集めています。しかし、この高音質を楽しむには、ハイレゾのクオリティーを再現できるオーディオ装置が必要です。最近では、人気のイヤホンやヘッドホンにも「ハイレゾ」ロゴ付きの製品が登場しています。しかし、これらは「ハイレゾ」ロゴの無い製品と何処が違うのでしょうか?

「ハイレゾ」ロゴのついた製品でしか、ハイレゾが楽しめないのでしょうか?また、「ハイレゾ」ロゴの無い製品でハイレゾを聴いたら、どうなるのでしょうか?そんな素朴な疑問にお答えします。

【目次】  

そもそもハイレゾマークとは?

現在、日本国内で販売されているオーディオ機器で良く目にするハイレゾロゴの商標権は、
日本オーディオ協会」が所有しています。ハイレゾロゴを表記できる条件は、同協会がプレスリリースを行った『ハイレゾリューション・オーディオ(サウンド)の取り組み』に示されています。条件を簡単にまとめると、
 
  1. メーカー又は販売者が、日本オーディオ協会の会員であること。
  2. アナログ系機器(ヘッドホンを含む)は、40kHz以上の高域再生性能を持つ事。
  3. 生産または販売責任において聴感評価が確実に行われ、各社の評価基準に基づき、聴感評価を行いハイレゾに相応しい商品と最終判断されていること。

となっています。解釈としては、生産者や販売者の自己申告でハイレゾロゴを記載できることになりますが、日本オーディオ協会の会員企業が推奨する製品として、相応の品質を期待できます。裏を返せば、「ハイレゾロゴの無い製品=ハイレゾ非対応」でも無いことです。事実、ハイレゾロゴが無くても、音の良い製品はたくさんあります。
 

ハイレゾ音源対応のおすすめ製品

■イヤホン製品の例
■ ヘッドホン製品の例  

ハイレゾ再生に必要な要素は?

ハイレゾロゴに関係なく、ハイレゾ再生に必要な要素を考えてみましょう。CDの音質(器)は、サンプリング周波数が44.1kHzで、量子化ビット数は16bitです。44.1kHzのサンプリング周波数は、人間が耳で聴くことが出来るとされる高域上限の約20kHzをカバーします。量子化ビット数の16bitは、サンプリングした音の大きさを「16bit=65,536段階」で記録できるという意味です。

一方、日本オーディオ協会が定義するハイレゾ音源は96kHz/24bit以上。96kHz/24bitの器とは、上限が約50kHzまでの周波数をカバーし、サンプリングした音の大きさを「24bit=16,777,216段階」で記録できるという意味です。

ここで重要なのは、ハイレゾのメリットは、再現できる音の高さの上限だけでなく、サンプリング周波数の倍増と24bit化(16bitの256倍)で、音の波形をより緻密に記録したり再現できる点です。

例えば、ギターの弦を弾くとしましょう。ピックした直後に鋭く立ち上がる音も、サンプリング周波数が高ければより早いタイミングで拾い上げることができます。また、消えて行く余韻も、bit数が高いほど、より小さな音まで記録できます。つまり、ハイレゾは、より生に近い音が楽しめるのです。

ヘッドホンにおけるハイレゾ再生に必要な要素とは、スペック上、超高域音の再現能力を有するかどうかと言うよりも、むしろ、繊細な音を忠実に表現できる解像度や「質」そのものが、重要と言えます。
 

ハイレゾ「ロゴ付き製品」で聴くハイレゾ音源

人間の耳で聞こえる音の高さの上限は20kHzなのに対し、日本オーディオ協会が条件とする「40kHz以上」は矛盾するように思いますが、40kHz程度まで再生できる能力があれば、可聴帯域上限の20kHzでは余裕を持って良い特性が得られると期待できます。また、ハイレゾロゴ付き製品は、日本オーディオ協会が認めた会員企業が責任を持って製造または販売する訳ですから、総合的な音質も一定レベルにあると期待できます。
 

ハイレゾ「ロゴ無し製品」で聴くハイレゾ音源

先述の通り、ハイレゾ音質を楽しむのにハイレゾロゴは必須でありません。優れた製品でも、ハイレゾロゴを付けない場合もあるからです。また、特に耳に装着するイヤホンやヘッドホンの場合は、周波数特性として40kHzを必ずしもカバーする必要もないでしょう。24bit化による音の強弱表現の豊かさは、大抵のイヤホンやヘッドホンで体感できるはずです。

ユーザー自身が信用するメーカーやブランド、あるいは、試聴して気に入れば、それで良い訳です。また、昔から所有しているイヤホンやヘッドホンを、「ハイレゾ非対応」と嘆く必要もありません!
 

結局ハイレゾロゴは無意味?

自身で情報を収拾したり、自身の耳で試聴してヘッドホンの質を判断できるユーザーの場合、ハイレゾロゴは、それほど大きな意味を持たないでしょう。一方、ハイレゾブームに乗り、市場には、「ハイレゾ対応」を謳って「高音質」を印象づけようとする粗悪な製品も登場しています。オーディオに詳しくない一般ユーザーは混乱してしまうでしょう。

ハイレゾロゴは、ハイレゾを中心に新たなオーディオ市場を育成するため、一定の品質を満たす製品の目印あるいは目安として機能するのです。自身で音質の判断が付かない入門者にとっては、業界のお墨付きとも言えるハイレゾロゴの製品を選ぶのは安心です。

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