マンション物件選びのポイント/マンションの間取り

自宅で教室を開けるマンションの間取りの基本

「いつか自宅で○○教室を開きたい」もしくは「子どもの手が離れたら在宅で仕事をしたい」と考えている人は多いと思います。それが可能になるマンション間取りのポイントを見てみましょう。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

お料理、アロマ、お花、お習字、英会話…自宅で教室を開けたらいいですね

自宅で教室を開けたらいいですね

いつか自宅の一角で教室を開いたり、在宅ワーク(SOHO)をしたいと思っている方は多いのではないでしょうか。自宅のスペースを使えば場所代もかからず、家を長く留守にすることもありません。

「自宅で教室を開く」というと戸建て住宅のイメージがあるかもしれませんが、マンションでも、教室や在宅ワークに向く間取りがあります。いつか夢や希望が実現できるよう、マンション購入の時から視野に入れて間取りを選ぶようにしましょう。

 

教室、在宅ワークに適した間取り例

では、教室を開くのに適した間取り例とチェックポイントを見てまいりましょう。

【図1】自宅で教室が開きやすいマンションの間取り例(クリックで拡大

【図1】自宅で教室が開きやすいマンションの間取り例(クリックで拡大)


【図1】は2LDK、57m2のマンションの間取りです。二人世帯に向く広さですので、ご夫婦の二人暮らしで、奥様が教室を開くと想定して間取りを眺めてみましょう。

お客様をお迎えする玄関

テラスinの玄関は戸建て感覚になる

テラスinの玄関は戸建て感覚になる

この間取りの一番の特徴は、南側のテラスに玄関が設けられていることです(【図1-A】)。マンションでは一般的に北側の共用廊下に面して玄関が設けられることが多く、南玄関は珍しいと言えます。しかし専用庭やテラスのある1階部分の住戸ならこのような間取りは可能です。

この間取りのように南側にある玄関は明るく、テラスに花や緑をしつらえれば、お客様を招き入れる教室の「顔」としてふさわしく、華やかな玄関まわりになります。

 

プライベートスペースとの分離

次のポイントは、家族の過ごすスペースとお教室のスペースがきちんと分離できることです(【図1-B】)。

この間取り例では洋室(2)が教室に向く部屋となります。洋室(2)は玄関に近く、家族のプライベートゾーンを介さずに外から入ることができます。隣り合うリビング・ダイニング・キッチンの間にある引き戸を閉めておけば、家族が在宅の時でも気兼ねなくお教室を開くことができます。

水回りの位置

さらに気をつけたいのがトイレや洗面所など水回りの位置です(【図1-C】)。ピアノ教室、お料理教室、プリザーブドフラワー教室、少人数制の学習教室など、どんな教室を開くかにもよりますが、トイレはお教室の近くにあることが望ましいでしょう。

また、教室の後にちょっとお茶をしたい場合など、ミニキッチンがあれば便利ではありますが、火を使わずにお湯を沸かせる電気ポットなどの利用を検討しましょう。準備や後片付けに家族スペースのキッチンを使用することもあると思いますので、教室のスペースと家族用キッチンが近い位置にあると便利でしょう(【図1-D】)。

お料理教室を開催する場合

お料理教室を開くときは自宅キッチンを使って

お料理教室を開くときは自宅キッチンを使って

もしお料理教室を開く場合は、ちゃんとしたキッチン設備が必要なので、その場合は自宅のキッチンを開放して使うということも考えられます。

【図1】の間取りであれば、キッチンは対面式でリビングに対しオープンなので、お料理教室に向くでしょう。玄関から近く、また、テラスから直接入ることもできます。南向きで明るく、お料理教室を開くのに向いています。

 

在宅ワークをする場合

引き戸を開けたり閉めたりして仕事環境を整えられる

引き戸を開けたり閉めたりして仕事環境を整えられる

在宅ワークをするスペースとしても洋室(2)は適しています。洋室(2)は基本的に隣り合うリビング・ダイニング・キッチンから採光を得るという2室採光形式なので、お部屋の明るさは一定しており、仕事に向くでしょう。

リビング・ダイニング・キッチンとの間にある引き戸を開けておけば家族の様子を見ながら仕事ができ、閉めれば独立したスペースになり家族がいても仕事に集中することができ、また打合せで来客がある場合も対応しやすいでしょう。

実現までは家族のスペースとして使用

○○教室を開いたり、在宅ワークを実現するまでまだ時間がかかりそうな時は、洋室(2)は家族が使うスペースとしてリビングダイニングと一体に使ったり、書斎や家事スペースとして使うなど、無駄になることはありません。

そういう意味で、今回取り上げた間取りはケースバイケースによってフレキシブルに使える間取りと言えます。決定づけているのは、南向きの玄関や各室の配置、位置関係にもありますが、大きな要因は間仕切りに引き戸を多用していることです。

このように、引き戸を多用した間取りは生活スタイルの変化に対応しやすい間取りと言えます。これからのマンション選びの参考にしてください。

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