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予算が心配な方も必見!? 富裕層向けのモデルハウス(2ページ目)

今回の記事では、最近増えてきているハウスメーカーの富裕層受けモデルハウスを取り上げます。富裕層と呼ばれる方々はもちろんですが、「予算に限りがある…」という方にも、参考にすべきポイントが大いに隠されています。モデルハウスの活用法や、住まいづくりについてのイメージの膨らませ方についても、今回の記事で考えていきます。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

皆さんは「ハウスメーカーに依頼すると画一的な住宅になってしまいつまらなくなる」と思っていませんか。よく言われることですし、かつてはそういう傾向にあったことも否めませんが、現在ではこのイメージは当てはまらないと考えた方が良いです。

決して画一的ではないハウスメーカーの家づくり

まず、最近は多くのハウスメーカーでは自由設計、邸別設計が基本となっており、同じような間取りとデザインの住宅を建てているというのは間違いです。特に大手ハウスメーカーはこの傾向が強く、従来の「画一的」というイメージはローコスト系ハウスメーカーに限られているのが実情です。

漆塗りの浴槽

インテリアデザイナーの橋本夕紀夫氏と漆塗りの浴槽。右奥には同じく漆塗りの洗面ボウルも見える(クリックすると拡大します)

前ページでご紹介した住友林業のモデルハウスは、自由設計・邸別設計の要素がさらに濃くなっているというイメージでとらえていただくと良いでしょう。で、このモデルハウスから理解すべきなのは、「どこまで施主の要望に応えられるのか」ということなのです。

住まいというのは施主がこだわれば、いくらでも良いものができ上がります。ただ、そのこだわりは誰にでも対応できるわけではありません。設計はもちろんのことインテリアやエクステリアなど、様々な経験を積み、知識を持った人でないと、施主の高度な要求に応えられるものではないのです。

例えばこういうこと。ローコスト系ハウスメーカーは住宅を安く手頃な金額で建てることは得意ですが、高級な住宅を建てるのにはおそらく大変苦労するはずです。なぜなら、高級な住宅にふさわしい設計力・デザイン力・提案力を持つスタッフが少ないからです。また、各種素材や設備を調達するルートも持たないのが実情だからです。

住まいに対する強いこだわりを持つ施主ほど、画一的とされる部分に物足りなさを感じるはずです。一般的にこれまでは意匠性が高い住宅については、「デザイナー」と呼ばれる設計士とその設計事務所に依頼する傾向がありましたが、最近はハウスメーカーも社内の設計担当者を育て、富裕層向けの住宅にも十分に対応できるようになっています。

ところで、今回のような高級そうなモデルハウスについて、皆さんは「私たちが見学していいの」と思うかもしれませんが、大丈夫!OKです。何の遠慮もありません。是非、見学されて参考になさるべきです。では、どう参考にすべきなのでしょうか。

そもそもモデルハウスとはどう活用すべきなの?

ハウスメーカーのモデルハウスというのは、実は様々な提案が組み合わされ建物です。ですから、内部に入ると「こんなので実生活は大丈夫?」という空間も中には存在します。ですが、それはハウスメーカーは「こんな空間も私たちは対応できますよ」と言っているに過ぎないのです。

和室

和室の様子。元々、住友林業は和のデザインに定評のあるハウスメーカーだが、このモデルハウスでは格子細工の引き戸を取り入れるなど、さらに「こだわり」をみせている(クリックすると拡大します)

例えば、前ページでご紹介した漆塗りの浴槽。一般住宅の浴槽としては豪華すぎますが、「こんな浴槽を用意できるぐらいですから、このほか色々な入浴ニーズに対応できますよ」と皆さんに語りかけているわけです。いわば、住宅展示場とモデルハウスは、そうした提案を皆さんに示す場所なのです。

中には「予算的には厳しいけれど、ここだけはどうしてもこだわりたい」という人がいると思います。一点豪華主義的な方ですが、そうした人はハウスメーカーが用意する、いわゆる「標準品」というものに満足はしないでしょう。

例えば、ユニットバスじゃなく違うニーズがあるのなら、モデルハウスに設置されている浴室提案を参考にしてイメージを膨らませればいいわけです。浴室全体の雰囲気をどうするのかなども検討しやすくなりますし、写真でも撮っておけば担当者らにイメージを伝えやすくなります。そうすれば、予算の範囲で皆さんの希望に近いものが取り入れられる可能性が高まります。

中でも最近、各ハウスメーカーが用意している富裕層向けのモデルハウスには、そういう要素がたくさん詰まっていますから、是非見学していただきたいのです。満足度が高い住宅の取得とは、そのような過程を積み重ねることで実現できるもの。一度、ハイクラスの提案も参考にすることで、最終的にプランを決定する、そんな段取りをすると、「理想の住まい」に近づけるのではないでしょうか。
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