運動と健康/簡単トレーニング・ストレッチ・ウォーキング

基礎代謝もアップする!正しいスクワットの方法

膝を曲げて腰を下ろして上げる「トレーニングの王様」、スクワットは主に下半身の筋力を使い、大きな運動効果が期待できるエクササイズです。身体全体をダイナミックに動かすため、筋力アップに伴う基礎代謝も上がりますし、姿勢を維持する腸腰筋も鍛えられていいことづくし。ただし間違ったフォームで行うとケガをしやすくその効果も望めません。正しいスクワットをしっかり覚えましょう。

西村 典子

執筆者:西村 典子

アスレティックトレーナー / 運動と健康ガイド

スクワットをするメリット

スクワットは「トレーニングの王様」とも呼ばれていますが、このエクササイズを行うことでどのようなメリットが考えられるのでしょうか。

  • 姿勢維持筋を鍛えるので姿勢がよくなる
  • 基礎代謝量がアップし、新陳代謝が促されて体脂肪燃焼効果が高まる
  • 筋肉がつくことによって脚が引き締まる
  • ヒップアップにつながる(お尻が垂れない)
  • 腹圧を高めるのでお腹の深層筋が鍛えられ、ぽっこりお腹にも効果的  等々

スクワットの深さや腹筋のやり方など条件によって変わるため一概には言えませんが、腹筋を鍛えるよりもスクワットのほうが大きな筋肉をたくさん動員するため、筋力アップ効果が高く、基礎代謝量が増えるといわれています。また場所をとらず、自宅でも気軽に出来るため、家事の合間やちょっとしたすき間時間に行うことが出来るのもとても魅力的です。

 正しいフォームを再確認

正しいスクワット

手を股関節に置いて行うとわかりやすい

自宅でも簡単にできるエクササイズとしてスクワットを実践する人も多いでしょう。ただ、そのフォームをチェックしてもらったことのある人は少ないはずです。スクワットを繰り返しても間違ったフォームで続けていると、期待したほどの効果は得られず、ケガの原因にもなってしまいます。正しいフォームを確認してみましょう。

  • 足の幅は肩幅程度に開く
  • 膝を曲げてしゃがむときに、股関節も同時に曲げる
  • しゃがむときに背中を丸めない
  • 膝がつま先と同じ方向を向くようにする
  • 膝がつま先より前に出ないようにする

しゃがみ込む動作で膝だけを曲げる人がいますが、股関節も同時に曲げておしりを突き出すようにします。股関節を支える腸腰筋を意識します。股関節の前に手を置いて、その手を挟み込むように曲げていくと、自然と正しいスクワットフォームになるでしょう。

イメージとしてよく私が伝えるのは「スカートをめくって和式トイレにしゃがみこむ」ように曲げること。これはかなりイメージしやすいようです。しゃがみ込む深さは太ももと床が平行になる程度までといわれていますが、初心者にはかなりハードなトレーニングになってしまいますので、最初のうちは少し浅めでも問題ありません。これ以上深くしゃがみ込んでスクワットを繰り返すと膝関節への負担が大きくなるので注意が必要です。

呼吸も意識してみよう

スクワットの姿勢が安定してきたら、ぜひ呼吸の仕方もマスターするようにしましょう。呼吸方法を覚えることで身体をうまくコントロールし、腹圧を高めてより運動効果が高まります。

  • しゃがみ込む時…鼻から大きく息を吸いながらしゃがむ
  • しゃがみ込んだ状態から立ち上がるとき…口から息を吐きながら立ち上がる

ウエイトトレーニングなどで負荷をつけてスクワットを行う場合には、呼吸法を行うだけで扱える重量が変わってくるほど効果があります。動作にあわせて息を吸う、息を吐くといったことをぜひ意識して行ってみてください。また呼吸を止めてスクワット動作を行うテクニックもありますが、血圧が急激に高くなってしまうため、基本的に行わないようにしましょう。

スクワットに見られる男女差

X脚

膝が内側に入るとケガをしやすい

女性によく見られる傾向として、膝と股関節を同時に曲げると膝が内側に入ってしまう、いわゆるX脚のような状態になる人がいます。女性はもともと膝の角度が内側に入りやすい傾向があるのですが、このような状態でスクワットを繰り返すと、膝を痛める原因になってしまいます。そのため、つま先と膝の方向と一致させるようにしましょう。

逆に男性は足首がかたくて深くしゃがみ込むことが出来ないという人がいます。こういう場合は壁や柱など動かないものを使って手で身体を支え、スクワットを行うとやりやすくなるでしょう。

自重トレーニングから負荷をつけて

何も持たない状態で自分の身体のみで行うトレーニングを自重トレーニングといいますが、スクワットもまず自重トレーニングから始め、ちょっと物足りないなと思ったら負荷をつけてみるのもいいでしょう。簡単に負荷をつけられる方法としては500mlのペットボトルを両手に抱えた状態で行うトレーニングがあります。両手でペットボトルを握り、膝と股関節を同時に曲げてスクワットを行います。このときも背中を丸めないように注意しながら行うようにしましょう。自重で行うときとはまた違って下半身の筋肉をより効果的に引き締めることが出来ますよ。

和式トイレは究極のスクワット

和式トイレ

和式トイレはしゃがみ込む動作に最適?

最近では和式トイレが少なくなりました。しかしこれこそ究極のスクワットともいえるでしょう。膝と股関節を同時に曲げる動作は、姿勢を維持するために腹圧を高め、姿勢を保持します。腹圧が弱いと姿勢が乱れ、腰痛などの原因にもなってしまいます。

股関節や膝、足首などが硬いと感じている人にとって、和式トイレは苦手かもしれませんが、動作を繰り返すことで周辺部の筋肉は鍛えられ、柔軟性も高まることが期待できます。公衆トイレなどでも、運動によるエクササイズ効果を狙うのであれば和式トイレをオススメします。ただし柔軟性が低く姿勢を保持することが難しい場合は、ムリせず洋式トイレを選択してくださいね。

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