子育て/児童虐待

もしも子どもを愛せなかったら

大きくなってきたお腹をさすりながら、新しい家族を待ちわびる日々。でも、中には「生まれてくる子どもを愛せなかったらどうしよう」という不安が胸をよぎるプレママがいます。その不安、実は子育てする上でとても大切な感性。不安の出口の見つけ方を提案します。

福田 由紀子

執筆者:福田 由紀子

臨床心理士/メンタルケア・子育てガイド

妊婦

プレママは期待と不安がいっぱい

大きくなってきたお腹をさすりながら、新しい家族を待ちわびる日々。でも、中には「生まれてくる子どもを愛せなかったらどうしよう」という不安が胸をよぎるプレママがいます。

母親としてしなければならないことはきっちり頭に入っています。おっぱいやミルクを与え、オムツを替え、風呂に入れる。あとは安全管理かな……そこに行き着いたとき、ふと不安が頭をもたげます。自分は赤ちゃんにとって「安全」だろうか、傷つけたりしないだろうかと。自身が虐待を受けて育っていたり、親との関係がよくない場合には余計に不安が強くなるようです。

しかし、そんな不安を持つ人は、まず大丈夫ですので安心して下さい。「虐待の連鎖」は、無意識の中で起こることがほとんどだからです。親からされてきたことを「いやだった」と思えている人は、つい同じことを子どもにしてしまったとしても、そのことに早く気付くことができるでしょう。気付けば対処ができます。「虐待なんてありえない、自分は絶対に大丈夫!」と思っている人の方が、かえって危ないかもしれません。

不安は子育ての安全装置

日本では虐待の加害者の過半数を「実母」が占め、そのデータは子育てに孤軍奮闘している母親の多さを物語っていると言われています。

仕事を続ける女性が増え、日本は「晩産化」していると言われていますが、出産年齢の女性で社会的な力を持つ人は、まだまだほんの一握り。良くも悪くも「力の行使」には慣れていないのが現状でしょう。それが「出産」を機にいきなり、手の中の小さな命を生かすも殺すも自分次第、という絶対的な強者の立ち位置を与えられるわけです。密室の中でストレスと権力を突然与えられれば、力の加減を誤るのも無理はありません。

その点、「虐待してしまったらどうしよう」と不安になってしまう人は、不適切な力の行使に対する感受性を持っているということでもあります。自分に対する「信用のなさ」は、子育ての安全装置として機能することが期待できます。

「子どもをかわいいと思えない」のは、孤独な育児に疲れてしまっているサイン。夫の育児参加をうながしたり、地域の子育てサポートにつながる原動力にしていきましょう。

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