パリ/パリの美術館

ドラクロワ美術館/パリ

サンジェルマンデプレの裏通りにひっそりと構えるドラクロワ美術館。ドラクロワは19世紀を代表するロマン派の画家で、激動に揺れる時代のフランスを描いた多くの作品を残しました。ドラクロワ美術館は、晩年にドラクロワがサンシュルピス教会の壁画を描くため、近くに構えたアトリエ兼住居を改装して建てられました。

野口 裕子

執筆者:野口 裕子

フランスガイド

ドラクロワ美術館/パリ

ドラクロワ美術館

サンジェルマンデプレの裏通りにひっそりと構える (c) Paris Tourist Office - Photographer : Amelie Dupont

フランス革命後の激動の時代を生きた近代絵画の巨匠、ウジェーヌ・ドラクロワ。後の多くの芸術家に多大なる影響を与えたフランスが誇る画家です。パリのサンジェルマンデプレ地区の裏通りにひっそりと建つドラクロワ美術館は、ドラクロワがサンシュルピス教会の壁画を製作する際に構えたアトリエ兼住居だった場所を改装した美術館。一般公開されているサロン、アトリエ、庭園は芸術家が残した貴重な遺産は、ゆっくりと時間をかけてまわりたいですね。

ドラクロワとはどんな画家?

ドラクロワ美術館

多くの画家に多大な影響を与えた (c) Paris Tourist Office - Photographer : Amelie Dupont

ウジェーヌ・ドラクロワは1798年に生まれ1863年に死去した近代絵画の巨匠です。「悪の華」で知られる19世紀の詩人ボードレールは彼を「ルネサンス最後の、近代絵画最初の巨匠」と称して讃え、また、セザンヌ、ルノワール、マネといった印象派の巨匠たちに多大な影響を与えました。

1830年に起きた7月革命を描いた「民衆を導く自由の女神」は、ルーヴル美術館で見られる彼の代表作ですので、ここを訪れる前に見ておきたい作品です。それから、この場所にアトリエと住居を構えるきっかけとなったサンシュルピス教会の壁画「ヤコブと天使の戦い」を見ておくことも忘れずに。

アトリエ兼住居を改装した美術館

ドラクロワ美術館

中庭でひと休み (c) Paris Tourist Office - Photographer : Amelie Dupont

ドラクロワが1857年から息を引き取る1863年まで晩年を過ごした場所であり、サロン、アトリエ、庭園はそれぞれ小さな空間ながらもドラクロワの世界観を感じられる構成になっています。調度品や家具をはじめ、アトリエで使用していたパレットなどの画材も残されているので見逃せません。もちろん、ドラクロワが描いた作品も展示されており、中でも交流があった作家ジョルジュ・サンドの肖像画は必見です。

ドラクロワの世界にどっぷり浸かったら、階段を下りて庭園でひと休みしましょう。緑に囲まれた自然豊かな庭園は、創作活動の合間にここで癒されたのだろうなと想像できる静かで穏やかな空間です。

ドラクロワ美術館 Musée national Eugène Delacroix
住所:6 rue de Furstenberg 75006 Paris
電話:01 44 41 86 50
アクセス:地下鉄4号線Saint-Germain-des-Présか、地下鉄10号線Mabillonから徒歩5分
開館時間:9:30~17:00
休館日:火曜日、1/1、5/1、12/25
料金:6ユーロ(企画展は7.5ユーロ)、毎月第一日曜日は無料

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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