睡眠/睡眠のしくみ・快眠度チェックリスト

睡眠の質を上げたい人のための生活習慣チェックリスト

【医師が解説】睡眠障害は生活習慣病の一つです。生活習慣を整えることで、多くの人がグッスリ眠れるようになります。ここでは「睡眠検定ハンドブック」から、睡眠に関わる生活習慣のチェックリストをご紹介します。

坪田 聡

執筆者:坪田 聡

医師 / 睡眠ガイド

生活習慣・生活リズムのベースになる睡眠と覚醒

快眠のための生活習慣

睡眠を改善するためには、食事や運動などの生活習慣の見直しが大切です

夜はぐっすり眠り、日中はスッキリと活動できる。昼と夜、そして覚醒と睡眠のリズムがしっかりできていると、心身のリズムが整って健康的な生活を送れます。逆に、生活習慣が乱れ、睡眠と覚醒のリズムがバラバラの状態で、風邪などの病気にもかかりやすくなってしまいます。

一般の人に睡眠の知識を広めるために書かれた「睡眠検定ハンドブック」(全日本病院出版会)には、睡眠の質を良くする生活習慣のチェックリストが載っています。ここではその項目に解説を加えながらご紹介します。

ちなみに「睡眠検定ハンドブック」は、睡眠検定に合格するためのテキストです。もっと睡眠に関する知識を深めたいと思う人は、睡眠検定に挑戦してみてはいかがでしょうか。詳しいことは、睡眠健康大学のサイトをご覧ください。

体内時計をメンテナンスする

私たちの体を作っているほぼすべての細胞には、体内時計があります。人間の体内時計は24時間より少し長いので、毎日リセットして外界の24時間に合わせなければなりません。そのためには、規則正しい生活やしっかり光を浴びることが大切です。

次の5項目は、体内時計を整えて生体リズムを規則正しくする習慣です。できているかいないかを、チェックしてみましょう。
  • 毎日、ほぼ決まった時間に起きている
  • 朝食は、よくかみながら食べている
  • 午前中に太陽の光をしっかり浴びている
  • 8時間睡眠にこだわらず、自分に合った睡眠時間を規則的に守っている
  • 睡眠時間が不規則にならないようにしている

ぐっすり眠るためにしっかり目覚めていることが大切

歩く女性

歩くと、覚醒物質のセロトニンが増えます

睡眠と覚醒は、振り子のようなものです。明るい時間帯にしっかり目覚めていると、夜にはぐっすり眠れます。しかし、日中の覚醒度が低いと、夜に寝つきが悪くなったり、睡眠の質が低下したりします。

たとえば、休みの日に遅い時刻まで二度寝をくりかえしていると、目覚めてからもなかなか眠気が取れないのは、これによるものです。日中にシッカリ目覚めておくためには、太陽の光を浴びて、活動的に過ごすことが大切です。

日中や就床前の良好な覚醒状態を確保するための生活習慣は、次の7項目です。
  • 日中はできるだけ人と会っている
  • 日中はたくさん歩いて活動的に過ごしている
  • 趣味などを楽しんでいる
  • 日中は太陽の光に当たっている
  • 昼食後から午後3時の間に、15~20分(55歳以上では30分以内)の昼寝をしている
  • 夕方に軽い運動や、体操や散歩をしている
  • 夕方以降は居眠りをしていない

質の良い入眠のためには準備が必要

夜になったら、少しずつ眠る準備をしましょう。自律神経には、交感神経と副交感神経があります。交感神経は日中に活発に働きますが、眠る前には交感神経をしずめて、副交感神経が優位な状態を作る必要があります。

そのために、夜になったら光やカフェインなどの刺激物を控えましょう。ぬるめのお風呂に入ると、心身ともにリラックスできて眠る準備が進みます。寝床の中でスマートフォンや携帯電話を使うと、睡眠の質が悪くなります。スマートフォンなどの画面は小さいですが、ここから出る青い光(ブルーライト)は、睡眠ホルモンのメラトニンを減らすので要注意です。

次にあげる10項目が、就寝前のリラックスと睡眠への脳の準備をする生活習慣です。
  • 夕方以降はコーヒーや緑茶などを飲んでいない
  • 寝床に入る1時間前からタバコを吸っていない
  • 寝床に入る1時間前には部屋の明かりを落としている
  • ぬるめのお風呂にゆっくりつかっている
  • 寝床でテレビを見たり、仕事をしたりしていない
  • 寝室は静かで適温にしている
  • 寝る前にリラックス体操(腹式呼吸)を行っている
  • 眠るために、お酒を飲んでいない
  • 寝床の中で悩み事をしていない
  • 眠たくなってから寝床に入っている
以上、22項目の生活習慣チェックリストを、「睡眠検定ハンドブック」からご紹介しました。

すでに行っていることは、これからも続けてください。これまでやってこなかったことのうち、やればできるかな、あるいはやってみようかなと思う項目があれば、一つでもよいですから今日から始めてみましょう。1カ月も続くと、きっと睡眠の質が良くなったと実感できるでしょう。

さらに快眠環境について知りたい方は、「睡眠環境・寝室・ベッドの工夫」を、睡眠と覚醒のメカニズムや睡眠のリズムの詳しい解説は「睡眠のメカニズムとリズム…夜眠くなり朝目覚める理由」を、自分で睡眠の質を診断したい方は「世界標準の快眠度チェックリストで、睡眠の質を測ろう」をお読みください。
【編集部おすすめの購入サイト】
楽天市場で睡眠用品を見るAmazon で睡眠グッズを見る
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます