照明・LED/照明・LED関連情報

写真を撮るだけで部屋の輝度対比が分かる

照明を計画する際、照明器具のデザインや光の効果に関心がいって、部屋の内装色などと照明の関係があまり考慮されないことがあります。そのため天井・壁・床の明るさバランスが悪くなり、落ち着かない雰囲気になってしまうことも考えられるのです。実際に、部屋の明るさバランスは測定器がないと計測できません。しかし、今日ではiOSとAndroidのスマホやタブレットがあれば、部屋の写真を撮るだけでそれを可能にします。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

輝度と照度の違い

明るさを測る単位にルクスがあります。照明のなかではもっともよく使われる単位です。照度が高ければ高いほど明るく、物が良く見える、確かにそういった側面はありますが、しかし必ずしもそうとは言えない面もあるのです。

パソコンのキーボード

写真1. パソコンのキーボードの明るさ

写真1を見てください。ここではパソコンのキーボードがほぼ同じ照度で照らされています。全体に黒い面になっていますが、白い文字や記号が明るく浮かび上がって見えます。

このように同じ照度で照らされていても、白い部分と黒い部分でどちらが明るく見えるか?と言えば一目瞭然です。

照度は照らされている部分の反射率が反映されていません。それに対して光源そのものの明るさや反射率、透過率を考慮した面の明るさを輝度と言います。実際に、見た目の明るさを評価するのであれば、照度より輝度の方が近いことになります。

それでは何故明るさの代名詞に照度があるのでしょうか?もう一度キーボードの例で説明します。もし照度が下がって暗くなると、白い文字や記号でさえ見えにくくなります。

長時間見えにくい状況が続けば作業効率も低下し、目も疲れやすくなります。したがって、特に視作業に関して言えば、照度はとても重要なのです。

照度は照度計があれば簡単に計測できます。以前もスマートフォン(以下、スマホ)が簡易照度計になる記事を紹介しましたが、視作業面以外で部屋全体の明るさや明るさ感を知りたいときには、天井や壁面の輝度が重要です。ただ、それを測定器でいちいち測ることは大変です。

次のページでは「タブレットやスマホで輝度対比を測定」についてご紹介します。

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