株式戦略マル秘レポート/戸松信博の「海外投資、注目銘柄はここ!」

史上最大級の上場!アリババ株は買いか!?

中国電子商取引最大手アリババ集団(BABA)が9月18~19日にも上場する見通しです。過去最大級の上場となり、世界的に注目が集まる同社ですが、ファンダメンタルを検証し、買いかどうかを考えてみたいと思います。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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史上最大級の上場!アリババは買いか!?

中国の電子商取引最大手アリババ集団(BABA)が遂に上場!

中国の電子商取引最大手アリババ集団(BABA)が遂に上場!

中国の電子商取引最大手・アリババ集団(BABA)の米国上場に関する詳細が伝わったところです。過去最大級の上場となる模様で、9月18-19日に上場予定です。上場に関する詳細は下記のとおりです。

ティッカー :BABA(ニューヨーク証券取引所)
上場予定日 :9/18~19日頃の予想
仮条件レンジ:一株あたり60~66ドル
発効済株式数:24億6500万株
公開株式数 :3億2010万~3億6812万株
資金調達額 :192億~243億ドル
推定時価総額:1479億~1627億ドル

新規株式公開(IPO)の仮条件レンジは1株60~66ドルと設定されました。これに基づく時価総額は、仮上限で決まるとして1,627億ドルとなり、これはほぼアマゾン・ドット・コム(AMZN)に匹敵する規模となります。初日の株価によっては2,000億ドル(約20兆円)も視野に入る超大型上場となります。調達額で見れば、仮条件を前提にした米市場からの資金吸収額は約192億~243億ドルであり、中国農業銀行やビザの上場時を抜いて世界最大となる見込みです。

英語教師が小さなアパートの一室で創業

アリババは英語教師だった馬雲(ジャック・マー、49歳)会長が1999年に浙江省杭州市の小さなアパートの一室でB2B(企業間取引)のアリババ・ドット・コムを設立した所から始まりました。2003年にはタオバオ(淘宝網)という中国で最も有名なマーケットプレイスの運営を開始。

その後もネット決済のアリペイ、高級ブランド品販売のTmall(天猫)などの運営を加え、中国ネット通販で不動の地位を築き上げました。タオバオ(淘宝網)とTmall(天猫)は消費者向けの販売です。企業間取引で同様のサービスを行っている傘下のアリババ・ドット・コムは2007年に香港に上場しましたが、グループ全体の上場を視野に入れた上で上場廃止された。今回上場するのはタオバオ、Tmall、アリババ・ドット・コムのほか、共同購入サイトの「Juhuasuan(聚劃算)」、クラウドサービスの「Aliyun.com(阿里云)」なども傘下に持つホールディング会社、アリババ集団となります。なお、アリペイ((支付宝)は馬会長の支配する別企業の傘下企業となります。

上場後の株主構成では、日本のソフトバンクが32.4%を保有する最大となり、米ヤフーも16.3%を保有します。馬会長はこれら2社より遙かに低い持ち株比率であり、経営権を支配するために意思決定は保有株数によるものでなく、殆どが社員で占める27名のアリババ・パートナーシップのメンバーが各1票を持ち、4分の3の賛成票によって決まるという特殊な形態となります。

>>次のページでは急拡大するアリババの業績を分析します!
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