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我妻恵美子『肉のうた』インタビュー!

大駱駝艦の女性最古参舞踏家・我妻恵美子さんが新作『肉のうた』を発表! 女性舞踏家を総動員し、大駱駝艦の拠点・壺中天を舞台に独自の作品世界を提示します。ここでは、創作にあたる我妻さんにインタビュー! 作品づくりの過程とその想いをお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

バレエガイド

大駱駝艦のメンバーが自身作を発表する場である壺中天。
今回我妻さんが作品を発表しようとしたきっかけとは?

我妻>当人にやりたいという意思があれば、在籍年数にかかわらず壺中天(こちゅうてん)で作品を発表するチャンスがもらえます。私自身は壺中天フェスティバルやイベント的なものでちょこちょこ作品を上演していますが、壺中天で新作を発表するのは今回で三回目です。

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2006年『天体のズー』 ph松田純一

最初に作品を発表したのは2006年で、以来3~4年に一回のペースでつくっている感じ。自分の中に溜まってきたものを発表するという意味では、私にとってはそれくらいのペースがちょうど良くて。今回新作をつくろうと思ったのも、日々の出来事や経験したことの中からいろいろ拾ってきたものが、自分の中に溜まったというのが理由のひとつ。

もうひとつのきっかけになったのが、最初に発表した『天体のズー』という作品。冒頭に肉の詩を読みながら世界を歩くシーンがあって、それが今回の作品の原点になっています。詩の内容は、肉だけで世界をつくり、肉のお家に住んで、お父さんもお母さんも全部肉でーー、というもの。発想としては、処女作ということでまだ世に出る前の痛い思いをしてないような、子宮の中にいるようなイメージがありました。時間が経った今、それをもう一度深く広げたいと思って……。

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2010年『煩悩カケル』 ph松田純一

例えば今日の夕飯は何にしようかと考えたとき、しばらくラーメンが続いてたから野菜も食べなきゃと栄養のバランスを踏まえて摂取する部分と、お腹が空いたから食べるという自分でコントロールできない部分、両方ありますよね。今回はどちらかというと、自分で制御できない部分、意識でコントロールできない部分にスポットをあてたいと考えています。女性的な動き、女性的なものって、内臓の感覚に近いなと思ったことがあって。子宮というキーワードにしてもそうだし、生理があったりするのもそう。それらをひっくるめて肉と言っています。

女性の身体が宿してるものってやっぱり強い。今回は智恵による逞しさではなく、肉の逞しさ、生きる強さ、身体内部の生命に向かう逞しさを表現したい。それに自分も女性メンバーの中で立場が上になってきていることもあり、女性ダンサーを総動員して作品をつくろうという考えに至りました。

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壺中天にて


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