食と健康/旬・季節の食事の食べ方・レシピ

長寿を願う重陽の節句に、菊花料理を

重陽の節句は、菊の節句。平安時代に薬草としてもたらされた菊花は、菊酒、菊花茶などにして、邪気を祓い、寿命をのばすとされていました。菊花は、シャキシャキとした歯触りがよく、普段の生活にもとりいれると、彩りよく、秋らしい風情が楽しめます。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

β-カロテンや葉酸などを含む食用菊

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煮物椀や汁物に、菊花を加えると、彩りよく秋の風情に

9月に入ると、不思議と朝夕は涼しくなってきます。今月9日は重陽の節句。お正月や雛祭り、端午の節句、七夕と比べると、存在感の薄い節句ですが、初秋の風情を楽しみたいものですね。

古代中国では、菊は邪気を祓い、長寿をもたらすと考えられていました。日本では、中国文化の影響を受け、重陽の節句には菊酒や菊花茶などをいただく習慣がありました。

生薬の菊花についての機能性や、食用菊に含まれる栄養成分などについて、「延命長寿の菊の成分に解毒作用あり」の記事でご紹介しています。

また食用菊の香り成分やフラボノイドには、消炎、血行促進、抗菌作用などがあるという報告があります。しかし人が料理としてどれくらい菊花を食べれば効果があるかどうかなどは、まだまだ明らかではありません。

菊というと、なんとなく苦味があるのでは?と思われがちですが、食用菊はクセがなく、歯触りも楽しくて、わんのりした菊の香りがおいしいものです。

「もってのほか」や「阿房宮」などの品種があります。お浸しや酢の物、煮物椀や汁物、天ぷら、お造りに和えたり、巻き寿司に加えたり……様々な料理に使えます。彩りもよく、秋らしい風情が演出できて、食卓が楽しくなります。

菊花を加えて秋らしいお浸しに

今回は、菊花を使った秋らしいお浸しをご紹介します。

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菊花を使った秋のお浸し

材料(4人分)
菊花…………20g
ほうれん草…………1束
しめじ茸…………パック
松の実…………適量
A(だし、みりん、醤油/各大さじ2)

作り方
  1. 鍋に湯を沸かして、塩少々と酢、菊花を入れてさっと茹で、冷水にととり、水分をしぼります。(生の菊花の場合)
  2. 鍋に湯を沸かして、塩(分量外)を加えて、ほうれん草を茹で、さっと冷水につけて、水分を切り、4cm長さに切りそろえます。
  3. しめじ茸は、煮立てたAに加えて、ふたをして火を通します。
  4. 3に、1.2.を加えて少し味をなじませ、器に盛りつけ、松の実を飾ります。

このレシピに、塩を軽くふり酒蒸ししてほぐしたささみなどを加えると、ボリュームも出て、おかずになります。

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一度蒸して感想された菊のり

加工品の菊のり(干し菊)を使われる場合は、すでに一度蒸して乾かしたものですから、塩や酢は入れずに、さっと熱湯で茹でるだけで使えます。日持ちもして、一度に使い切らなくてもよいので、菊のりは便利です。


食用菊や、ヨモギ、フキノトウ、ハーブのカモミールなど、キク科の植物がアレルゲンのある方はご注意ください。

関連リンク
延命長寿の菊の成分に解毒作用あり

参考
食用菊(青い森の食材研究/青森県産機能性食品素材データベース)
その他

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