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CB400SF試乗インプレ!生き残ったスタンダードの走りは?

CB400SFは新しい排気ガス規制の施行によりカタログ落ちが危惧されていましたが、先日、継続販売が発表されました!教習車としても使われ、全てのライダーのスタンダードバイクともいえるCB400SF。モデルチェンジ直前のバリエーションモデルCB400SBに試乗し、モデルチェンジ前後での違いを確認してみました。

相京 雅行

執筆者:相京 雅行

バイクガイド

CB400SF、カタログ落ちせず!

CB400SF フロントビュー

ホンダ CB400SF フロントビュー

1978年にリリースされたヤマハのSR400は、デザインを変えずに40年も販売されてきました。今後新しいSR400が発売される可能性はありますが、現在は排気ガスの新しい規制に対応できずに一時的にカタログから姿を消しています。40年も変わらないスタイルで販売されてきたバイクがカタログ落ちになるわけですから、業界でもこのニュースはあちこちで騒がれました。ですが、今年38歳になる私としては、SR400よりも気になっていたのがCB400SFの動向です。

追記: 2018年11月にSR400も復活しました!
当時教習車に使われていたCB400SF NC31

当時教習車に使われていたCB400SF NC31

私がバイクの免許を取得したのは、大学3年生だった2002年でした。今から16年前の話ですが、当時はどこの教習所も教習車にCB400SFを採用していたので、初めて乗るバイクは必然的にCB400SFでした。筆者が免許取得後に必死でアルバイトをして購入した最初のバイクは、CB400SF verS。ブレンボのブレーキや専用セッティングのサスペンションが与えられた、CB400SFのバリエーションモデルでした。

初めて乗ったバイクもCB400SFで、初めて買ったバイクもCB400SFだったので、筆者にとって特に思い入れのあるバイクです。私がバイクに興味を持ち始めた頃、CB400SFは当たり前にカタログにラインナップされ、常に人気の車種でした。

2017年は排気ガスの規制強化に伴い、前述したSR400を含めさまざまなバイクがカタログ落ちしました。そんななか、CB400SFの販売についてはギリギリまで発表されませんでした。しかし2017年10月19日、ついにホンダから「平成28年度排出ガス規制の法規対応を施してCB400SFを10月20日から発売します。」というプレスリリースが流れたのです。

「明日からかい! もっと早く発表してくれ!」と思ったのは私だけではないはず。いずれにしろ、私のバイク人生のスタートだったCB400SFがカタログに残ったのは、2017年のバイク業界のビッグニュースのひとつでした。
先日試乗したモデルチェンジ前のCB400SB

先日試乗したモデルチェンジ前のCB400SB

カタログ落ちしちゃうかも! と思っていたので、筆者は2017年9月にCB400SFのバリエーションモデルCB400SBに試乗してインプレッションしていました。比較的直近でバリエーションモデルを体感しているので、今ならCB400SFとの違いがはっきりわかるはず! ということで今回は、CB400SFを1週間試乗したインプレッションをお届けします。
   

CB400SFのスペックや価格は?

CB400SF サイドビュー

CB400SF サイドビュー

CB400SFにはABS付きモデルと、ABSなしモデルがありました。今回のモデルチェンジでもCB400SFはABSの有無が選択可能ですが、カウル付のCB400SBはABS付きの一択です。車重はABS付きモデルで200kgでしたが、モデルチェンジ後は1kg重くなりました。

馬力は規制対応することで3PS上がって56PS/11000rpmとなり、トルクも若干上がりましたが、どちらのモデルもカタログに掲載されている定地燃費値で比べると、燃費はモデルチェンジ前後で変わっていないようです。

価格はモデルチェンジの1年前に販売されたCB400SFの場合、ABS付き2色塗装モデルで84万4560円(税込み)。それに対し2018年モデルのCB400SF(ABS付き)の2色塗装のモデルは、89万8560円。差額は5万4000円です。値上げの幅としては小さくはありませんが、どのような装備が追加されたのでしょうか? チェックしていきましょう。
 

2018年モデルCB400SFの装備は何が変わった?

CB1300SFと共通のLEDヘッドライト。

CB1300SFと共通のLEDヘッドライト

装備面での大きな変更点として、丸型LEDヘッドライトの採用がありました。このヘッドライトは恐らく、兄貴分にあたるCB1300SFにも採用されているもの。サイズも以前はCB1300SFの方が大きなヘッドライトが装備されていましたが、今回で共通のサイズとなり、CB400SFは一回りヘッドライトが大きくなりました。
サスペンションはプリロードのセッティングが変わり若干硬めに。

サスペンションはプリロードのセッティングが変わり若干硬めに。

サスペンションはさらに熟成されたとのことでしたが、見た目はあまり変わっていないように思えました。実際に跨ってみると、若干硬い印象です。セッティングを見ると、初期の沈み込み量を調整するプリロードのセッティングが、以前のモデルに比べて一段階硬いセッティングになっています。公式にはどのように調整されているのか発表されていませんが、サスペンション本体自体は変更されずにセッティングのみ変更された可能性が高いでしょう。
マフラーは内部構造が変更になった

マフラーは内部構造が変更になった

馬力が3PS上がった要因として、スロットルボディーと排気系の刷新が挙げられます。以前のモデルのマフラーに比べて音量は明らかに上がっています。これだけ排気音が変わっていると、加速の体感も変わってきそうです。
 

2018年モデルのCB400SFは低速トルクが若干落ちている感覚がある

HYPERundefinedVTEC搭載のCB400SFのエンジン

HYPER VTEC搭載のCB400SFのエンジン

CB400SFに採用されている装備でも、HYPER VTECは特徴的です。CB400SFとVRR800シリーズに採用されている同機構は、回転域によって2バルブと4バルブが切り替わるようになっています。

マイナーチェンジするたびに同機構もどんどん進化し、初期の頃のHyper Vtec1は切り替えのタイミングでターボがかかったかのような加速が突然始まる印象でした。しかしHyper Vterc2、3、Revoと進化し、現行のHyper Vtec Revoは切り替わったタイミングを体感できないほどに滑らかに作動するようになりました。

以前のCB400SFは全ての回転域でフラットに加速する特性がありましたが、モデルチェンジを機会に若干動きが変わった印象です。イメージとしては、スポーツ走行用のアフターパーツメーカーのマフラーに変更した際の体感に近いです。マフラーの音が大きくなり、排気の抜けが良くなることで低回転時のパワーが落ちて、高回転時のパワーがアップするイメージです。

これは、筆者が直前に旧モデルに試乗したからこそ感じることであって、低回転時のパワーが大きく損なわれたわけではありません。相変らず4気筒エンジンを搭載したバイクらしく、低回転から高回転までストレスなくエンジンが回り、少しアクセルを多めに開ければ今までと同じように加速することは可能です。今まであまり抑揚がなかった高回転域にスパイスが加わったことで、抑揚のあるライディングができるようになりました。
 

CB400SF 教習車仕様もリリース! 違いは?

CB400SF 教習車仕様

CB400SF 教習車仕様

新しい規制に対応したCB400SF教習車仕様も、2017年12月8日に発売されました。市販されているCB400SFと比べてシート高が5mm下がり、ハンドルポジジョンも使いやすいアップハンドルに変更されています。

タイヤサイズもフロントで1サイズ、リアは2サイズ細くなっており、教習所のランニングコストを意識したサイズに。そのほか転倒時にダメージを減らすエンジンガードやリアバンパー、運転状況を把握するのに必要な表示ランプなどが追加されています。
 

これからもカタログ落ちしないでいてほしい

新しい排気ガスの規制は欧州規制のEURO4と同等になっており、日本も足並みをそろえた形です。今後2020年にはさらに規制の厳しいEURO5に、日本もまた足並みを揃える予定です。今回のホンダの規制対応では、エンジン本体に手を入れたというより、恐らくマフラーに手を加えて排気ガスの濃度を下げています。しかしマフラーで排気ガス濃度を下げるためには、キャタライザーという高額なパーツを使う必要があり、それが車体価格に反映されています。CB400SFの兄貴分であるCB1300SFは、今回の規制に対応するためにキャタライザーを3つも使っていると公表されています。

新設計のエンジンはCO2排出量を低減する設計がなされており、キャタライザーを何個も使う必要がありません。しかしCB400SFにしてもCB1300SFにしても、エンジンは新しく設計されたものではないので、EURO5時には排気系の変更だけでは恐らく対応できないでしょう。

そうなると、エンジン自体に手を入れるか、新たに設計し直さなければならなくなります。エンジンの開発には莫大な費用がかかるため、ホンダがゴーサインを出すかは微妙なところ。現在の二輪業界の状況を見ると、大型バイクの人気に押されて、400ccクラスは以前ほどの人気はなくなってきています。

CB400SFも好調に売れているとはいえ、全盛期に比べれば販売台数はかなり落ちてきています。一方でCB400SFは教習車として、全てのバイク乗りのスタンダードであり続けているわけですから、今後もホンダには継続販売していってほしいものです。
 

CB400SF 2019年仕様はABSが標準装備に

CB400SF 2019年モデル

CB400SF 2019年モデル

2018年11月26日から販売されている2019年モデルのCB400SFは、ABSの有無が選べなくなり、バリエーションモデルのCB400SBを含めて全てABSが標準装備となりました。バイクのABSは義務化されていくので仕方がありませんし、安全上絶対に必要な装備です。しかし厳しい排気ガス規制などと重なって追加しなければならない装備が増えたことで、車両販売価格が高騰していきそうなのがやや懸念されます。
 

CB400SF 2018年モデルをカスタムするなら

CB400SFは常に人気車種だったため、たくさんのアフターパーツがリリースされています。2018年モデルも外装類は大きな変更が加えられていないため、17年モデル以前のパーツも装着することができる製品が多数あります。

ですが、公道走行が可能なマフラーに関しては認証が必要になるので、規制対応した2018年以降のモデル用の製品を選ぶ必要があります。アールズギアのマフラーは、手軽なスリップオンとフルエキゾーストの2種類から選ぶことができます。サイレンサーはチタンブルーが鮮やかです。

  ネイキッドマシンのCB400SFですが、ビキニカウルやアンダーカウルを装着するカスタムが人気です。マジカルレーシングのアンダーカウルは、塗装前提のFRP製とウェットカーボン製をラインナップ。カーボンは平織りと綾織がラインナップされており、綾織の方がやや高価ですが、個人的には見た目の美しさは綾織の方が優れていると思います。
  一部のカスタムショップがCB400SFのカフェレーサー風カスタムを手がけているようですが、フレームの加工やハンドル周りのケーブル類の処理など敷居はやや高め。クラシックなスタイルのメーターバイザーを選択すれば、カフェレーサーの雰囲気がでます。前述したアンダーカウルとセットで装着してもよいかもしれません。
 

CB400SF スペック詳細(2019年モデル)

型式:2BL-NC42
全長×全幅×全高(mm):2,080×745×1,080
シート高:755mm
車両重量:201kg
総排気量:399cc
最高出力(kW[PS]/rpm):41[56]/11,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):39[4.0]/9,500
燃料消費率(km/L):21.2(クラス3-2)<1名乗車時> WMTCモード値
燃料タンク容量(L):18
カラーバリエーション:アトモスフィアブルーメタリック
キャンディークロモスフィアレッド、ダークネスブラックメタリック
販売価格:ダークネスブラックメタリック86万8320円
キャンディークロモスフィアレッド、アトモスフィアブルーメタリック91万1520円
(税込み)
 

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