ギリシャ/アテネ

アテネ観光の拠点、シンタグマ広場周辺

アテネは人口約350万人の大都市。見所は世界遺産のアクロポリスをはじめとしてたくさんあります。そこでアテネの観光エリアを5つに分けて紹介していきます。今回はアテネ観光の拠点となる中心地のシンタグマ広場周辺についてです。

有馬 めぐむ

執筆者:有馬 めぐむ

ギリシャガイド

拠点のシンタグマ広場、元王宮の国会議事堂、衛兵の交替式

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グランド・ブルターニュやアセンズ・プラザなど5つ星ホテルが立ち並ぶシンタグマ広場周辺

中心地シンタグマ広場周辺には見所がたくさんあり、交通の拠点でもあります。ライン2と3(赤と青のライン)の地下鉄の駅があり、ライン3はアテネの国際空港であるエレフセリオス・ヴェニゼロス空港とシンタグマを結んでいます。

地下鉄の「シンタグマ」駅から地上に出れば、そこがシンタグマ広場。噴水や大きな木々があり、人々が集うカフェなどがあります。シンタグマとは憲法の意味で、1834年、憲法が発布されたのでそのように呼ばれるようになりました。シンタグマ広場周辺はアテネ観光の拠点となる場所で、高級ホテルから若者用のユースホステル、旅行会社、カフェ、タベルナなども多く点在しています。シンタグマ広場とモナスティラキ広場を結ぶエルムー通りには、様々なブランドの店が軒を連ね、地元の人々や観光客がショッピングを楽しむストリートとなっています。

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民俗衣装がモチーフの見事な制服を着ている衛兵

シンタグマ広場からアマリアス大通りを渡ると、国会議事堂があります。元は初代ギリシャ国王オソン1世のためにつくられた王宮で、ドリス式の柱が美しい建物です。建物の前には無名戦士の墓があり、衛兵に守られています。衛兵は専門の職人がつくる見事な刺繍や400ものプリーツがある民族衣装がモチーフの制服(画像は夏季の制服)に身を包んでいます。1時間ごとの衛兵の交替式には多くの見物客が集まります。特に日曜日の交替式(10:50~11:10)が大規模で、多くの旅行者で溢れます。かなり混みあうので、10時半ごろには到着して見物する場所を確保した方がいいです。

国立庭園からゼウス神殿まで 貴重な建造物が目白押し

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重要な国際会議やイベントが開催されるザピオン国際展示場

シンタグマ広場の南側をざっと紹介していきます。国会議事堂の南には緑溢れる国立庭園があり、都会のオアシス的な場所となっています。その隣にはザピオン国際展示場があるザピオン公園があります。ザピオンは正面の列柱が荘厳な美しさをたたえる建物で、国際会議などが開催されます。ザピオン公園では子供用のイベントなどがよく開催され、舞台や移動遊園地、食べ物の屋台などが設置されていることも多く、旅行者でも散歩が楽しめる場所です。

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1896年第1回近代オリンピックが開催されたパナティナイコ・スタジアム

ザピオンからもう少し足をのばせば、1896年に第1回近代オリンピックが開催されたパナティナイコ・スタジアムです。6万5千人以上を収容する大理石の観客席は圧巻です。元は紀元前331年にパン・アテナ大祭の競技場として建造されました。ローマ時代に、当時の大富豪イロド・アティコスが大理石の観客席を寄贈しましたが、今日には遺されていません。現在の観客席は、近代オリンピックの前年に古代の競技場に近い姿で修復されたものです。2004年のアテネ五輪のマラソンで、野口みずき選手がトップで入場、テープを切った場所として記憶している方も多いでしょう。毎年開催されるアテネ・クラシック・マラソンのゴールにもなっています。

アマリアス大通りの終結点にたたずむのがアドリアヌス門。ローマ時代、2世紀に建設された門で重厚な姿を見せています。その南に位置するのがゼウス神殿。15本のコリント式の柱がとても美しい神殿ですが、元は104本の柱が並んでいたそうです。このように、シンタグマ広場の南側は、国立庭園からゼウス神殿まで貴重な見所、建造物がたくさんあり、どれも迫力ある姿を見せています。

学問の殿堂が立ち並ぶパネピスティミウ通り

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ギリシャ学術院(アカデミア)。円柱の上の知恵の女神アテナや太陽神アポロンの像が美しい

シンタグマ広場から北側の紹介です。北へ延びているパネピスティミウ通りは大学通りの意味。その名の通り、アカデミックな雰囲気に溢れており、ギリシャ学術院(アカデミア)、アテネ大学、国立図書館と3つの壮麗な建物が並んでいます。学問の殿堂として、それぞれ圧倒的な存在感のある建物なので、一見の価値があります。地下鉄のライン2(赤のライン)「パネピスティミオ」駅の目の前ですが、シンタグマ広場から歩いても10分ほどです。

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優美な曲線の階段が特徴的な国立図書館。入館は無料

ギリシャ学術院は、高い円柱の上の女神アテナや太陽神アポロンの像が、青空を背景に美しい姿を見せているのが印象的です。入口にはプラトンとソクラテスの像があります。国立図書館は、入口の緩やかな曲線を描いたカーブの階段が優美な建物です。館内には70万冊以上の蔵書があります。この周辺には貨幣博物館や国立歴史博物館など、貴重な資料でギリシャの歴史を知ることができる見所もあります。

シンタグマ広場から発着のトラムで南の海岸線へ

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都心シンタグマとアテネの南の海岸線を結ぶトラム

2004年アテネ五輪の際に整備された路面電車のトラムもここから発着しています。トラムはシンタグマからS.E.F(ピレウス周辺のスタジアム)方面、またシンタグマからヴーラ(人気の海岸)方面へ走っています。外の景色がよく見え、アテネの市街地から徐々に海岸に沿って走るので、旅行者がぶらっとアテネの南方面へ向うのに乗るのは楽しいと思います。アテネ市民も南の海岸線に海水浴に行くための足にしています。ただとてもゆっくり進むので、時間にゆとりがない場合は、バスなど他の交通機関を利用した方がずっと時間は短縮できます。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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