ネパール/ネパール基本情報

ネパールの治安

温厚な民族の人々が暮らし、南アジアでは比較的安全と思われるネパールですが、街中ではスリ、ひったくりなどの犯罪、トレッキング先の山岳地帯ではトレッカー行方不明になる事件、事故も発生していますので、それぞれ気をつけるべきことを挙げてみます。

うえの ともこ

執筆者:うえの ともこ

ネパールガイド

カトマンズの空港と世界遺産観光エリアの治安

世界遺産パタンダルバールスクエア

世界遺産パタンダルバールスクエア

内戦時は爆破テロなどの事件が起こり、外出禁止令が発令される事もありましたが、2006年の内戦終結から現在までネパール全土で比較的治安は悪くないと言えるかと思います。しかし、空港に降り立ったところから気をゆるめてはいけません。特に悪質というわけではありませんが、客引きやポーターがお迎えを装って、ホテルに案内する、荷物を運ぶと声をかけてくることがあります。車まで数メートル運んだところで、高額のチップを要求するなど、追い返すのも大変になりますから、毅然とした態度で断ってください。

盆地内の世界遺産サイトには、自称観光ガイドと称する人たちがツーリストに声をかけて案内をかって出ようとしてくることがあります。外国語も達者で便利なように思いますが、後にガイド料を請求されたり、土産店に連れて行かれたり、身の上相談から情に訴えかけ、借金を申し出られるような場合まであるようなので、最初から相手にしないに越したことはありません。

ツーリスト街とローカルバザールの治安

ツーリストのメッカundefinedタメル地区

ツーリストのメッカ タメル地区

リーズナブルなホテルやゲストハウスが密集する地区や建物がひしめき合う住宅地に滞在する場合、隣の建物との距離、テラスや窓の位置、窓のグリル(鉄格子)があるかどうかを確認ください。1・2、3階の低層階は特に外から侵入されやすいので注意が必要です。不特定多数の人が利用する場所ですので、部屋を留守にする際は必ず施錠を確認し、貴重品類の保管はホテルのセーフティーボックスを利用しましょう。

ホテル、レストラン、お土産店が集まるツーリストハブのタメルやポカラのレイクサイドは朝から夜遅くまで賑わいますが、ヒマラヤトレッキングツアーやサファリツアーに参加しないか?安いツアーがあるよ、と呼び込みをしていることがあります。最初は安いと思ったのにいろんな追加料金がかかって通常の数倍の料金になる、トレッキング先でガイドが突然逃げてしまう、最初から法外な料金を吹っかけてくることがあるので要注意です。普通に考えると、真面目に業務を行っている会社ならそのような呼び込みはしないはずです。一般的な相場、内容を確認の上、信頼のおける会社のツアーに参加しましょう。

繁華街では違法なドラッグの売人が声を掛けてくることがあります。国際空港でも麻薬を隠し持って出国しようとする外国人が度々捕まっています。警察も摘発に巡回していますから、軽い気持ちで試してみる、所持するなどの冒険心はもたれませんように。
そのほか、旅の途中に知り合った現地人が「日本に居る友人に贈り物をしたいので、あなたの住所を教えて欲しい」と、帰国後に違法な物品が送られてくるというケースも耳にします。親切心につけ込んだ手口もありますので警戒してください。また、外国人女性がレイプの被害に遭う事件もありましたので、女性は特に遅い時間に一人で出歩くのは賢明ではありません。
祭りで賑わうローカルバザール

祭りで賑わうローカルバザール


バザールや繁華街、レストラン、カフェ、混雑する乗合バスなど人が混み合うところではスリ、引ったくり、置き引きが発生しています。鞄は必ず口が閉まるものを。バックパックも前に抱える様にして持ちましょう。ラップトップ、スマホやカメラなどガジェット類や時計を人目に付くテーブルに出しっぱなしにするのもよくありません。椅子においたままお手洗いに立つなどは間違ってもしてはいけません。

ヒマラヤトレッキングでの安全対策

ヒマラヤトレッキングundefinedジョムソン以北は荒涼とした山岳地帯

ヒマラヤトレッキング ジョムソン以北は荒涼とした山岳地帯

山岳地域では毎年外国人の単独トレッカーの行方不明、死亡事例が報告されています。トレッカーの安全を確保する意味で、主要なトレッキングルートに入るためのTIMSカードという出入山記録のシステムがありますが、道中事件や事故に巻き込まれても、下山予定日を過ぎた時点でしか第三者は異常を察知できません。今後は外国人の単独トレッキングを禁止する方策も検討されています。トレッキングはグループに加わるか、政府認定資格を持った身元の確かなトレッキング、登山ガイドを雇用するのが安心です。

ゼネラルストライキ「バンダ」

政治、学生団体などが各自の要求を主張するため、交通封鎖や商店を閉めるように呼びかけるゼネスト=「バンダ」を実行することがあります。数日前から実施予告が発表され、在ネパール日本大使館からもお知らせメールで注意が促されますが、当日になってみないとどのくらいの規模でバンダが実行されるかはわかりません。交通の要所、交差点などでグループがタイヤを燃やしたり、過激な団体の場合、バンダを無視する一般の通行車両、バス、タクシー、バイクは投石や焼き討ちされることもあり、非常に危険です。
緑色のナンバープレートの旅行者専用車両を利用するか、空港からは市内各所に向けて護衛付き臨時シャトルバスが運行されます。行き先を確認してから利用してください。 そのほか、外務省の危険情報、安全対策の項も参考にしくてください。

外務省 海外安全ホームページ>>>

■緊急連絡先
・警察 TEL:100(緊急時)
・カトマンズツーリストポリス TEL:4247041
・消防 TEL:101
・在ネパール日本国大使館
  TEL:(+977)-1-4426680 ※休日・夜間の閉館時は担当者に自動転送されます
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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