絵本/絵本関連情報

とても大切なうんこの話『わたしたちうんこ友だち?』

絵本『わたしたち うんこ友だち?』に登場するヒナちゃんは、学校でおなかが痛くなってもトイレを我慢して、辛い思いを繰り返します。そんなヒナちゃんに、救い主が現れました!

執筆者:千葉 美奈子

 学校のトイレではうんこはしない!『わたしたち うんこ友だち?』

トイレにまつわることは、子どもでも大人でもとても重大。特に学校では大きい方はできないお子さんも多いでしょう。においが漂ってしまうと気になったり、男の子の場合には、個室に入ると「うんこしてるー!」なんてからかうこともありますよね。

『わたしたち うんこ友だち?』に出てくるヒナちゃんは、小学校2~3年生ぐらいの女の子のよう。毎日心配を抱えて学校で過ごしています。「学校のトイレでうんこなんかしたら、みんなに『くさい』なんていわれる」と我慢しているのですが、決まって授業が終わるころにトイレに行きたくなります。仲良しのマキちゃんが「いっしょにかえろう」と誘うのも上の空に、1人で急いで家に帰ります。今日は何とか大丈夫そうでマキちゃんと一緒に帰れると思っていたら、急におなかが痛くなってきました……。


うんこも気持ちもためこんでしまったヒナちゃんに救い主が

早くおうちに帰ってゆっくりトイレに入りたいけれど、走ったらよけいおなかが痛くなる。おなかが痛くなる間隔はどんどん短くなり、こういう時にかぎって犬に吠えられて緊張の糸が切れそうになったり、おしゃべりの近所のおばさんに出会って冷や汗が出てきたり……。ほとんど泣きそうになりながらようやく家にたどりついてトイレで用を足し、ホッと一息、ふた息ついたら、ヒナちゃんの様子を心配したマキちゃんが、訪ねてきました。


とても大切な「うんこの話」

ヒナちゃんの様子を見て、全てを察していたマキちゃん。2人の間でうんこ談義が始まります。ヒナちゃんが学校でトイレに行けない理由や、男子にからかわれた時にマキちゃんが言い返したスカッとするセリフ。学校のトイレでうんこをしながらも、マキちゃんもそれなりに気にして考え、取っている“対策”に、ヒナちゃんは目からうろこが落ちる思い。自分のうんこなんて見たことないというヒナちゃんに、マキちゃんがうんこをきちんと観察する大切さを話し、ちょっと戸惑いながらも少しずつ気持ちが軽くなっていくヒナちゃん。ずっと困った顔をしていたヒナちゃんの表情は、すっかり晴れやかになっていました。

ヒナちゃんにとっては、うんこに対する重苦しい気持ちが少し軽減されたことよりも、もっと嬉しいことを感じたマキちゃんとの会話だったようです。今後、もし、ヒナちゃんが学校でうんこをしてだれかにからかわれるようなことがあっても、ヒナちゃんは前よりは気持ちを堂々と持って、少しずつたくましくなっていけそうです。トイレに関する心配事が少し軽減されたことで、ヒナちゃんの学校生活は、ぐんと楽しいものになるのではないしょうか。ヒナちゃんの大きな一歩、ヒナちゃんとマキちゃんのうんこ談義を通して深まったさわやかな友情に、エールを送りたくなります!
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