高校受験/高校受験の基本情報・勉強法

中3生が公立高校合格を目指して、8月にすべきこと

中3生にとってこの夏は高校受験を成功させられるかどうか、勝負の夏です。やることはもりだくさんですが、公立高校の合格にもっとも効果のあることを3つに絞ってお伝えします。

西村 創

執筆者:西村 創

学習塾・個別指導塾ガイド

理科・社会の教科書の音読を3回くりかえす

優先的に勉強すべきは、勉強時間に対して点数アップ効率が高い理科と社会です。

優先的に勉強すべきは、勉強時間に対して点数アップ効率が高い理科と社会です。

まとまった学習時間を確保できる夏休みは、普段と違って新しいことに手をつけがちです。たとえば書店に行って問題集を買ってきて苦手科目を克服しようとしたり、逆に得意科目の成績をさらに伸ばそうと難問にチャレンジしたりする受験生をよく見かけます。また、抜けていた知識の穴を埋めようと一問一答集を最初のページから取り組んだり、まとめノートを作る作業に没頭したりする受験生もいます。

ただそのような行動はほとんど途中で挫折します。貴重な時間を浪費してしまうお決まりのパターンです。では何をすればよいか。それはとにかく基本的な知識を徹底的に身につけることです。具体的には教科書の内容を復習することです。優先的に勉強すべきは、勉強時間に対して点数アップ効率が高い理科と社会。この2科目の教科書を1年生の最初のページから本文を声に出して通読しましょう。

音読していると、よく理解していない内容やうる覚えの事項が出てくるはずです。このときに音読を単元の途中で中断しないのがポイント。どんどん音読を進めてできれば1冊、難しいようであれば区切りのいいところまで音読しきることで、全体像が頭に入ります。とにかく1年生から3年生までの教科書を音読し終えてください。

それができたら2回目の音読です。くりかえすことで知識が頭に一気に残りやすくなります。2回目の音読ではよくわかっていない言葉や覚えていない用語に赤でマルをつけ、本文だけでなく欄外の補足説明も音読し、図表などにも目を通してください。理科も社会も入試ではこの図表にからませた問題がよく出されます。

それが終わったら3回目の音読。赤マルがついているところは意味を調べたり、紙に何回か書いて覚えながら音読を進めてください。この3回目の音読が終われば、教科書内容はほぼひととおり頭に入っているはずです。昨今の入試では一問一答式の単純な知識ではなく、知識をもとに考えさせる問題が多くなっています。細かい事項を覚えていなくても、教科書の通読によって全体像が頭に入っていると、考えさせる問題にも自然と対処できるようになっているはずです。
 

国語・数学・英語は過去問をくり返し解く

主要3科目は過去問をフル活用して効率的に得点アップを狙います。最近の年度の過去問は受験が近づいてから取り組むために残しておいたほうがいいので、古い年度の過去問から解いていきましょう。解くときは必ずタイマーを用意して実際の試験時間と同じ時間で解きましょう。過去問を解くのは問題の傾向に慣れるためでもありますが、試験の制限時間内に解き切る時間感覚を身につけるという意図もあります。

解き終えたら解答を見ながら解答を見ながらマルバツをつけてください。このとき、間違えたりできなかったりしたところを「すべてできるようにしないと」と思いがちですが、そんな必要はありません。解答をよく読んで見直すのは、「ケアレスミスをした問題」と、あと少しで正解できた「惜しかった問題」だけでかまいません。

あと少しでできた問題を次回確実にできるようになれば、それだけでひと科目10点以上、3科目で30点から50点アップすることになります。この点数はとてつもなく大きい点数です。日本全国、9月からは志望校判定模試が大々的に始まります。この志望校判定模試の結果によって受験する学校を決めていくことになります。したがって、この8月が終わるまでにとにかく確実に得点力を上げる必要があります。そう考えると難しい問題を解けるようになるために時間を使うよりも、すぐに得点に結びつく基本的な問題で確実に点数を稼ぐ力をつけることに時間を使った方が効率的です。テストの配点は難易度に関係なくほとんど同じだからです。

過去問を解いて一週間くらいしたらもう一度その過去問を解いてください。ただそのとき、入試制限時間から5分削ってやるのが本番で力を発揮できるようになるためのコツ。短いようだったら3分でもOKです。本番のときに余裕を持って見直しできる時間を作るためです。過去問の解きなおしをしたらまた採点をしてみてください。1回目に解いたときの点数よりも10点~20点上がっているはずです。得点力が確実に上がっているのを実感できると思います。

解答と自分の答案を見比べて、もうこれ以上点数上がらないというところまで解きなおしをくりかえしたら、次はもう一年新しい年度の過去問に取り組み、また解きなおしをくり返してください。実際の入試問題を解きなおしをすることで、入試本番に発揮できる実戦的な力を鍛えることができます。各科目の問題を見なくてもイメージできるようになるくらいまでになるのが理想です。

さて、いかがでしたでしょうか。理社と国数英では攻め方が異なります。この夏、効率のよい勉強法で得点力をとことん上げて、高校受験を成功させてください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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