『複製された男』と2度見したい映画

ミステリー映画はどれだけ観客をだませるか、謎をラストシーンまで引っ張って行けるかにかかっています。練られた脚本と演出のマジックなど細部にわたり丁寧に作らないと、すぐネタバレしちゃう難しい分野なのです。2度見したくなる映画というのは、そういう意味では演出も脚本も実によくできた秀作であるということでもあります。つまりハズレなし！

そんな2度見したくなる映画を新作『複製された男』＆過去作からピックアップしていきましょう！

もうひとりの自分の正体は？『複製された男』の謎とは

『複製された男』(2013年度作品)
ジェイク・ギレンホール主演の『複製された男』は初見だと「？？？」となる可能性の高いねじれたミステリーです。

大学の歴史教師のアダム（ジェイク・ギレンホール）はある日、同僚にすすめたれた映画を見ると、なんと自分にそっくりの男が出演しており驚きます。その俳優アンソニー（ジェイク二役）のことが忘れられないアダムは、アンソニーを執拗に探しますが……。
他人のそら似なのか、クローンなのか……アンソニーと対峙してなお混乱を極めるアダムの気持ちと同様に、見ている者も混乱させるこの映画。ときどき何かの象徴のように現れる蜘蛛もその混乱を加速させます。

しかし、そっくりな人物アンソニーの正体がわかって思うことは、人間とはなんと欲深く、かつ、弱い生き物だということ。ネタバレになるので多くを語れないのがもどかしいけれど、正直1回目はアダムをとりまく物語を追い、2度目はアダムとアンソニーの人物像に注目しましょう。するといろいろな事実が浮き上がってきます。この二人って……と、気付くはず（指輪とかね、小道具に仕掛けもあるのですよ）
ちなみにラストシーンは目を覆う衝撃！　あのラストカットはあとあとまで引きずり夢に出てきそうです……。

監督：ドゥニ・ヴィルヌーヴ　出演：ジェイク・ギレンホール、メラニー・ロラン、サラ・ガドン、イザベラ・ロッセリーニほか

7月18日（金）TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
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