ヘルシンキ最大級の青空フリマ、ヒエタラハティ蚤の市

何気ない日用品から思わぬ掘り出し物まで、何に出会えるかはお楽しみ

ヘルシンキ南西部の臨海エリア、ヒエタラハティ（Hietalahti）の夏～秋にかけての名物スポットといえば、広大な敷地で毎日開かれている青空蚤の市。2017年度は5月2日～9月30日までが公式オープン期間です。

骨董品の商売人たちも店を広げていますが、ここでの主役はやはり一般市民！ 駐車場のように白線で仕切られた区画を借りて、家庭内で不要になった日用品や衣類、雑貨や食器のコレクション、自作の手芸品や芸術作品などを、ずらりと並べて売り買いしているのです。

なかには、他人にとってはただのガラクタ？とも思われるような、庶民的な日用品ばかりが並んでいるお店もあります。けれどそんな中で思わぬ掘り出し物に出会ってときめく瞬間こそが、フリマめぐりの醍醐味！もちろん陳列品をじっくり見定めていけば、国内外のコレクターやバイヤーが足を止める、イッタラ、アラビア、マリメッコといった国内トップデザインブランドのヴィンテージ品もさり気なく埋もれています。また、いつ頃どこの国で作られたものかもわからないけれど、なぜか惹かれて自分の手元に置きたくなるようなモノとの出会いが待っているかもしれません。最初から「こんなものが欲しい」というような期待をせずに、一期一会を面白がる……それが蚤の市を楽しむコツです。

支払いは、基本的に現金で。値引き交渉はゴリ押し注意

ヒエタラハティ蚤の市の売り手の多くは一般人なので、街なかのように当たり前にクレジットカードが使えるというわけではありません。現金を持って参加しましょう。

価格は、すでに値札で表示されている店舗もあれば、店員さんとの交渉次第、という店舗も。前者のようなお店でも、店員さんに親しみを持って交渉すれば、多少は値引きのチャンスもありますが、基本的にフィンランドには大胆な値引き交渉文化はありませんので、ゴリ押しすると困った顔をされてしまいます。はじめから値引き交渉に踏み切るのではなく、それらの商品の持ち主だった店員さんに、商品の背景や思い出を聞くところから始めて会話を楽しみ、仲良くなる……というのも、市民フリマならではの楽しい交渉術かもしれません。

お店側が商品を持ち帰るための包み紙や袋を用意しているとは限らないので、ショッピングバッグを持参しておけば、いざというときに商品購入を諦めずにすむでしょう。

併設するマーケットホール内には、ランチもできる新鮮食材店が

青空蚤の市の敷地内には歴史あるマーケットホールもあります。かつてここはアンティークショップのひしめく骨董マーケットとして、ヴィンテージ食器コレクターたちによく知られた場所でしたが、2012年に骨董屋はすべて撤退し、肉・魚からコーヒーなどの嗜好品までを扱う個店や個性的な飲食店の並ぶマーケットに生まれ変わりました。

特にマーケットホール西側の一角には、ヘルシンキでは珍しく生牡蠣をいただけるオイスターバー（鮮魚店）、新鮮な上質肉でハンバーガーなどのイートインメニューを提供する精肉店などがあり、ここでのランチもおすすめ。2階にはテーブル席も用意されています。2015年には、ヘルシンキではまだ珍しいラーメン屋さんも出店し話題になりました。

＜DATA＞
■Hietalahden kirpputori（ヒエタラハデン・キルップトリ／ヒエタラハティ蚤の市）
住所：Lönnrotinkatu 34, Helsinki
アクセス：トラム6「Hietalahdenkatu」下車すぐ
営業時間：2017年度は5月2日～9月30日まで。月～金曜8:00～18:00、土曜8:00～16:00、日曜10:00～16:00
※上記はあくまで出店可能時間であり、実際は午前9～10時ごろから出店準備を始める人が多いです。また、終業時間を待たず早々と撤退していくお店も少なくありません。悪天候時は中止されます。

■Hietalahden kauppahalli（ヒエタラハデン・カウッパハッリ／ヒエタラハティマーケットホール）
住所：Lönnrotinkatu 34, Helsinki
アクセス：トラム6「Hietalahdenkatu」下車すぐ
営業時間：夏季は月～火曜8:00～18:00、水～土曜8:00～22:00
定休日：日曜
※店舗により営業時間が変わるので、ウェブサイトで確認してください。