インテリアコーディネート/インテリアアイテムの選び方・活かし方

日本人が手がけた長く使えるインテリアの逸品4選

日本最大の国際家具見本市「インテリアライフスタイル」が2014年6月4日~6日に開催。その中からインテリアのプロが気になった椅子やファブリックなどを紹介します。

菅野 民子

執筆者:菅野 民子

インテリアスタイル実例ガイド

ニッポンを見つけた!2014年インテリアライフスタイル展から

2014インテリアライフスタイル展

2014インテリアライフスタイル展

2014年6月に東京ビックサイトで開催された展示会は、日本はもちろん、イタリア、フランス、北欧ブランドなどの国際色豊かなインテリアが集結しました。今回はその中からキラリと光る、日本人が手がけるファブリック・家具・照明を紹介します。

 

使い込むうちに生まれかわる!経年変化を楽しむファブリック
ミナ ぺルホネン「dop(ドップ)」

ミナ ペルホネンの「dop(ドップ)」

ミナ ペルホネンの「dop(ドップ)」カラーは17色合計34パターンがある

アルテック社の「スツール60」

アルテック社の「スツール60」使うほどにビンテージ感が増す

お気に入りの椅子、でも使いこむ内にファブリックが劣化してしまいがっかりという経験がありませんか。今回、インテリアライフスタイル展で発表され、「インテリアライフスタイル アワード」を受賞したのが、ミナ ペルホネンのデザイナー皆川明氏の張り地のコレクション「dop(ドップ)」です。

長く使うことで古びたり、劣化するのではなく新しい魅力が生まれるという魔法のファブリックです。両面モールスキンの生地は、摩擦で表面がすり切れたとき、裏面の色が現れてくるという、まるで生き物のように経年変化を楽しむことができるという、すぐれものです。


Maruniのロングライフ家具!60年代の復刻版
マルニ木工「マルニ60+(マルニ ロクマルプラス)」

マルニ木工「オークフレームチェア」

マルニ木工「オークフレームチェア」チェックの張り地が印象的

木の豊かな表情を生かしたキノママ・ウォールナット

木の豊かな表情を生かしたキノママ・ウォールナット、2シーター

マルニ木工では「ロクマルビジョン」に賛同して生まれたマルニ60の新作を発表。1960年代に生産した家具を復刻した商品「オークフレームチェア」がチェック柄のファブリックで展示されていました。オリジナル名は「宮島」。両脇のフレームが宮島にある厳島神社の鳥居をモチーフにしたことからこの名がつけられたされたそうです。単なる復刻ではなく、マルニの DNAを引き継いで新しく作られた商品です。

1960年代に「世界に通用するスタンダード」を目指した日本の企業は、シンプルで品質がよく、普遍的なデザインなものを多く誕生させました。「ロクマル ビジョン」は、時代の激流中で埋もれてしまった商品を、再び日本の本物として復刻した「ロングライフデザイン」をめざした異業種合同プロジェクトのブランドです。


「包む」「折る」新たな光の文化!「Wrap lamp-DROP」
Shoya YOSHIDA - renaissance(璋也・吉田ールネッサンス)

Wrap lamp-DROP

因州和紙「包む」をテーマに一枚の和紙から折り上げたランプシリーズ。Wrap lamp-DROP

力強い形状の和紙の照明器具に出会い心惹かれました。独特の表情を見せる和紙は、島根県に1300年前から伝わる因州和紙(いんしゅうわし)です。ブランド名の 「Shoya YOSHIDA - renaissance」は、柳宗悦が提唱した「民藝運動」を鳥取で実践した吉田璋也(1898~1972)を日本の「デザイン運動」の先駆けとして高く評価して2011年立ち上げたブランドです。当時、吉田氏は地域素材を使い、鳥取の作り手達と新作民藝運動を起こし、家具、照明、小物、着物など数多くの暮らしの製品を作り、販売していました。

Wrap lampシリーズは「包む」をテーマにした、吉田璋也デザインのペンダントランプへのオマージュになります。デザインは白岡崇です。また、「Wrap lamp」シリーズは、1月にメゾン・エ・オブジェパリで発表され、パリの郊外のホテルに納入されています。


海外でも人気の高い「AA STOOL」 
デザインの力で復興!石巻工房

石巻工房の展示風景

石巻工房の展示風景

シンプルな「AAスツール」

26x90mmのデッキ材だけでできたシンプルな「AAスツール」

石巻工房は3.11の津波による大きな被害を受けた宮城県石巻の自立復興を促す施設として2011年6月に設立されました。シンプルで簡単、頑丈、機能的なことに加えて、素朴でどこか愛らしいデザインの木工製品は、2×4規格のレッドシダーで作られています。2012年の展示会で初めて見たときは荒削りで商品としてはどうかなと首をかしげたものでした。2014年震災から4年、技術もあがり大量生産品にはない、人に寄り添うような素朴な味がある魅力的な製品が多数生み出されていました。

石巻工房のブランドのコンセプトは「スモール・アウトドア」。「手づくり」にデザインの付加価値を与えることにより、今やドイツの家具展示会、パリの名店メルシーに展示など世界的に評価を得ています。手作りのアウトドアいうヨーロッパにはないカテゴリーの隙間を埋めていて、輸出も伸びているということです。「AA スツール」は、26x90mmのデッキ材だけでできたシンプルなスツールです。脚の部材の両端を少しだけ斜めにカットして組み合わせることで、座面を互いに支えあって自立します。

日本の製品を作りだす技術や感性、独特の慣性を含んだデザインが海外にも伝わりはじめています。クールジャパンはまだまだ続きそうです。

<DATA>
国際見本市インテリアライフスタイル (公式サイト)

ミナ ぺルホネン
マルニ木工「マルニ60+(マルニロクマルプラス)」
Shoya YOSHIDA - renaissance
石巻工房

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