資産運用/投資初心者にもできるカンタン資産運用法

資産運用では見直し=リバランスを忘れずに行おう

資産形成の際のポートフォリオは作って終わりではなく、作ってからが本当のスタートです。時の経過とともに当初の資産配分のバランスは変化してくるうえ、資産クラスも多様化していくことから、当初作ったままではポートフォリオが劣化してしまうのです。分散投資の考え方の最後では、ポートフォリオの見直し、いわゆる「リバランス」を中心に解説していくことにしましょう。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

  • Comment Page Icon

各資産クラスは均等に増えるわけではない

資産分散、通貨分散、時間分散を行い国際分散投資のポートフォリオを構築してきました。構築し終わりやれやれと思われているかもしれませんが、資産運用はポートフォリオを作っただけで終わりではありません。定期的にメンテナンスが必要になるのです。メンテナンス=リバランスの考え方を見ていきましょう。

わかりやすくするために、例を図解します。投資金額100万円、当初に構築したポートフォリオの資産配分を国内外の株式と債券に25万円(25%)ずつ均等に投資したとします。運用が開始されてから1年が経過し、投資金額は120万円と順調に資産は増加しています。順調に増加しているとはいえ、4つの資産クラスが均等に増加することはまずありえません。

リバランスの考え方

リバランスの考え方



1年が経過したポートフォリオの内訳を見ると、国内債券は23万円、国内株式は32万円、外国債券30万円、外国株式35万円というように、増えている資産クラスがある反面、減少している資産クラスもあります。当初の資産配分は25%(25万円ずつ)の均等投資ですから、国内外の株式などへの資産配分が増えてしまっています。

ポートフォリオを構築する際に期待した収益より収益が期待できる反面、リスクを取ったポートフォリオに変化していることから損失も大きくなる可能性も高くなっているはずです。『「国際分散投資」における資産分散の重要性』を解説をした際、分散投資を行うのはポートフォリオの価格変動を抑えて複利効果を高めるためと述べました。複利効果を高めるために、運用によって資産配分が変化したポートフォリオの配分割合を、当初の配分に戻す必要があるのです。この作業を「リバランス」と呼んでいます。

  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます