中足骨骨折の症状・診断・治療

中足骨骨折とは

足趾には趾骨と中足骨があります。中足骨に直接ないし介達で外力が働くと中足骨骨折となります。

中足骨骨折が多い年齢・性差

運動、事故などに伴い発生する骨折ですので、あらゆる年齢層に発生します。一般の人にも発生しますし、スポーツ選手などでもみられます。男性に多い骨折ですが、女性にも発生します。

中足骨骨折の症状

骨折部位の腫脹、疼痛、隣接する関節の可動域の低下などがみられます。趾の形が変形することもあります。骨折した部位に加重ができませんので歩行が難しくなりますが、踵の加重でなんとか歩行可能な場合もあります。

中足骨骨折の診断

■単純X線
単純X線写真は放射線被爆量も少なく、費用もわずか。その場で撮影も終了し当日説明を受けられるので、整形外科では必ず施行します。

中足骨骨折の治療法

大部分の中足骨骨折の治療では、保存療法といってギプス固定などで治癒することが可能です。

■鎮痛薬
ボルタレン、ロキソニンなど非ステロイド消炎鎮痛薬（NSAIDと省略されます）を用います。

• ボルタレン……1錠15.3円で1日3回食後に服用。副作用は胃部不快感、浮腫、発疹、ショック、消化管潰瘍、再生不良性貧血、皮膚粘膜眼症候群、急性 腎不全、ネフローゼ、重症喘息発作（アスピリン喘息）、間質性肺炎、うっ血性心不全、心筋梗塞、無菌性髄膜炎、肝障害、ライ症候群など重症な脳障害、横紋 筋融解症、脳血管障害胃炎。
• ロキソニン……1錠22.3円で1日3回食後に服用。副作用はボルタレンと同様です。

どちらの薬でも胃潰瘍を合併することがありますので、胃薬、抗潰瘍薬などと一緒に処方されます。

いくつかの骨折では手術を選択した方がよいことがわかっています。

■ジョーンズ骨折（第5中足骨骨幹部骨折）
これはスポーツ選手にみられる疲労骨折で保存的に治療しても再発率が高いため、手術がよいと考えられています。


手術で金属のネジで骨片の固定を行いました。

■下駄骨折
第5中足骨基部の剥離骨折です。
この骨折も保存的な治療で難しい場合があります。経過により手術を追加します。


■抜釘術
術後に骨折が治癒した後に固定具を除去します。抜釘術（ばっていじゅつ）と呼ばれます。

中足骨骨折の予後

中足骨骨折は頻度の高い骨折で、早期の診断治療が大切な骨折です。骨折の部位程度などにより治療後の予後は変わってきます。早期に整形外科専門医を受診することをお勧めします。