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住宅ローン、変動か固定かを決める3つのポイント

住宅ローンを組む場合、固定型にするか変動型にするか、頭を悩ますところです。変動金利型の低い利率は魅力的ですが、金利上昇リスクも気になるところです。そこで、今回は、金利を選ぶときのポイントを(1)金利の決まり方、(2)過去の金利推移と経済環境、(3)家計の金利上昇リスク許容度の3つの視点で考えてみます。

平野 泰嗣

執筆者:平野 泰嗣

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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 住宅ローン金利過去最低水準

史上最低水準の住宅ローン金利。今が買い時か!?

史上最低水準の住宅ローン金利。今が買い時か!?

アベノミクスによる景気回復に加え、消費増税対策として、住宅ローン控除の拡充、すまい給付金の新設などの住宅取得のための優遇策、そして、過去最低水準の金利が続いていることから、住宅購入を検討する人が増えてきているように感じます。

住宅ローンの変動金利については、2014年6月時点で0.6%を切っている金融機関もあり、例えば、3000万円を35年・変動(当初0.6%)の住宅ローンを組んだ場合、毎月の返済額は7万9208円になり、家賃と同じぐらいの返済額になるケースもあります。

変動金利型の住宅ローンは、借入期間中に半年ごとに金利が見直されるものをいいます。適用金利は半年ごとに見直されますが、返済金額は5年ごとに改定され、その改定される返済金額は、金利が上昇した場合でも、従前の返済額の1.25倍とするタイプのものが多いです。そのため、急な金利上昇時には、利息の支払の割合が増え、元金の返済が少なくなるばかりか、利息の支払額が返済額を超えてしまうケースでは、未払い利息が発生してしまいます。

一方、固定金利型の住宅ローンは、借入期間中の金利が固定されるものをいいます。そのため、元利均等返済で借りた場合の返済額は、完済するまで変わりません。固定金利型の住宅ローンの代表であるフラット35の金利水準も2014年6月時点で1.73%程度となっていて、3000万円を35年・固定(1.73%)の住宅ローンを組んだ場合、毎月の返済額は95,272円になります。先の変動金利で借りた場合と比較すると16,064円の差となります。将来の金利上昇リスクを考えると、金利の低い今こそ、固定金利で借りてしまった方が安心ではないか、けれども、毎月の返済額の差を考えると変動金利も魅力的だと、いろいろ頭を悩ましてしまいます。

固定か?変動か? 選択のポイントは?

住宅購入に関する相談で、必ず、「変動金利と固定金利のどちらがよいのか?」という質問をいただきます。「どちらが、最終的な返済額が少なくなるのか?」という、金額面だけで捉えた場合、将来の金利の動向を予測することは困難なのと、変動金利を選択した場合の最終的な返済がいくらになるかわからないので、明確に回答するのはやはり、不可能といわざるを得ません。

ただし、「金利の予測は不可能なので、回答できません」では、相談になりませんので、3つの視点で考えてみる必要があります。
●金利の決まり方
●過去の金利の推移と経済状況
●家計の金利リスク許容度

>>金利の決まり方とこれからの見通しは?

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