住宅ローンの借り換え・返済/住宅ローンの借り換え先の選び方

共働き家庭の住宅ローン、返済リスクは3倍?

夫婦2人の所得合計で住宅を買う方法として、収入合算やペアローンがあります。所得がダブルになれば、買える住宅の選択肢は増えますが同時に将来、返済が困難になる可能性も増えるのです。借り換えで家計の危機を回避することができた、相談事例を見てみましょう。

中村 諭

執筆者:中村 諭

住宅ローンガイド

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 ダブルインカムの住宅ローン、破たんの可能性が高いわけ

世帯主ひとりの所得で住宅ローンを組むよりも、夫婦ふたりの所得で住宅ローンを組む方が、単純に審査対象の年収が増えますから、融資の審査は通りやすくなります。

しかしながら、無理のない返済を考えたときに、お金の入り口が2つあるという事が、リスクとなる可能性があります。ふたりの収入があって、はじめて返済できるのですから。
 
以下に夫婦の収入がある場合・なくなった場合に、住宅ローンの返済が可能かどうかを単純に○と×で表してみます。

●夫ひとりでローンを組む場合
1.夫の収入:あり・・・ローン返済【○】
2.夫の収入:なし・・・ローン返済【×】

ふたりでローンを組む場合
1.夫の収入:あり、妻の収入:あり・・・ローン返済【○】
2.夫の収入:なし、妻の収入:あり・・・ローン返済【×】
3.夫の収入:あり、妻の収入:なし・・・ローン返済【×】
4.夫の収入:なし、妻の収入:なし・・・ローン返済【×】

夫婦どちらかの収入がなくなるとローン返済ができなくなり、たったの1円、銀行口座残高が足りない場合でも、債務不履行となってしまいます。ダブルインカムの場合、住宅ローンの返済が困難になる可能性(上記の【×】の数)は、ひとり名義でローンを組む場合の2倍ではなく、3倍となってしまうのがわかると思います。

「妻が仕事を辞めました」~相談事例から見る借り換えのコツ

ご相談者は東京都内で別々の会社に勤務するAさんご夫妻です。

Aさんご夫妻が、住宅購入時に考えたローン返済計画は、「総返済額を減らすことができるし、早く返したいから、借入期間は短めにする」というものでした。

この返済計画の前提にあるのは、二人とも働いているという事です。借入期間を短くすれば、確かに、総返済額は減らすことができます。でも、その代わりに、家計に占める毎月のローン返済額は大きくなってしまいます。

今回、Aご夫妻の相談は、奥様が転職の為に今の会社を退職してしまったので、毎月の家計支出、特に支出の大きい住宅ローンを見直したいとのご依頼です。

次のページでは、具体例を元に見直しの仕方を見てみましょう

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