ピアノ/ピアノ初級編(基礎を固めよう)

譜読みとは?コツややり方・ピアノ練習の3つのステップ

ピアノの譜読みのコツ・やり方とは?「書かれている音符を正確なリズムやある程度の表情を付けながら、ひととおり流して弾ける」作業を早くするには、この段階で丁寧にステップを踏むことが一番!今回は「効率よく譜読み練習を進めていくための3ステップ」をご紹介します。

北條 聡子

執筆者:北條 聡子

ピアノガイド

譜読みとは?ピアノの練習に役に立つ?

譜読みとは?コツややり方・ピアノ練習の3つのステップ

「譜読み」とは、初めて弾く曲の楽譜を見て、書かれている音符を正確なリズムやある程度の表情を付けながらひととおり流して弾けるようにする作業

レッスンや教本などで頻繁に耳にする、見かける「譜読み」という言葉。「譜読み」とは、初めて弾く曲の楽譜を見て、書かれている音符を正確なリズムやある程度の表情を付けながらひととおり流して弾けるようにする作業のことです。

ただ、「それでは譜読みをしてみましょう」と言われても「何から始めればいいの?」と迷ってしまうことはありませんか。「とりあえずゆっくり両手で弾いてみる」という人も多いと思いますが、実はそれはよほど読譜力のある人でない限り、時間がかかるわりには役に立つ練習とは言えません。

<目次>  

譜読みを効率よく進めるための3ステップ

「早く弾けるようになりたい!」という気持ちはわかりますが、だからこそ焦らず丁寧にステップを踏んでいくことが、結局は時間の節約にもなり、すらすら弾けるようになる一番の近道です。今回は、効率よく譜読みを進めるための3ステップとその練習方法をご紹介します。
 
階段のイラスト

丁寧にステップを踏んで譜読みを進めることが、スラスラ弾けるようになるための一番の近道!

  • ステップ1:楽譜をみるだけの時間をもつ
  • ステップ2:丁寧に片手練習をする
  • ステップ3:両手で合わせて弾く
 

ステップ1:楽譜を見るだけの時間をもつ

ピアノの練習は、ピアノの前で楽譜とにらめっこしながらひたすら指を動かすというイメージがありますが、ピアノのない場所で楽譜を見ているだけの時間をもつことも効率的に譜読みを進めるための大切なステップです。新しい曲を始めたばかりの時は、音をおさえることに集中してエネルギーを使いますが、楽譜を予め見ておくことで、同じパターンの繰り返しや、動きに規則性があることなどに気づき、実際にピアノで練習する時の譜読みの時間がグッと節約できることもあるのです。

また、難しそうなリズムを手で打って確認する、すぐに読めそうもない音は音名をふっておくなど、練習がスムーズに進むように準備をしておくこともできます。楽譜は譜読みの段階だけではなく、たとえ見ないですらすら弾けるようになっても時々じっくり眺めてみるようにしましょう。必ずひとつやふたつ忘れていることや新しい発見があるものです。

■譜読みを始める時のチェックポイント
  • 調性と拍子の確認
  • 音符の動きに規則性のある箇所はないか
  • リズムの難しそうなところは手拍子などで確認
  • すぐに読めない音に音名をふっておく
  • 記号や表記の意味がわからないものは調べておく
楽譜の写真

楽譜をじっくりながめることも有意義な練習過程のひとつ

 

ステップ2:練習は片手から丁寧に

メロディーラインを弾くことの多い右手の練習はしても、伴奏パターンの繰り返しや断片的なメロディー、和音を弾くことの多い左手の練習はあまりしないという人も多いのではないでしょうか。でも、片手ずつ独立して弾けなければ両手できれいに弾くことは絶対にできません!

両手で弾けるのに、片手ずつだとまったく弾けなくなってしまう場合があります。このような時の演奏は、決まって音のバランスが悪かったり、フレーズを無視していたり、細やかな表現の乏しい「音は鳴っているけれど、なんとなくきれいでない演奏」になっています。それは、両手ばかりで練習することによって、右手と左手がお互い依存し合い、音の動きを縦のかたまりとして覚えてしまい、肝心の音楽の横の流れがつかめていないことが大きな原因です。

片手練習には、横に流れる音の動きがわかる以外にも、楽譜に書かれている様々な記号や標語に目を向ける余裕ができる、間違いに早く気づく、指や手、腕の動きを集中してチェックできる、疲れにくいなど利点がたくさんあります。急がば回れ!譜読みの最初の段階で片手練習にじっくり時間をかけることが、結局は良い演奏をするための早道なのです。

■片手練習のポイント
  • 楽譜に書かれている表記どおりに弾けているか確認する(強弱やアクセントなど)
  • 指使いを守っているか確認する。自分に合った指使いを決める
  • 正しいリズムで弾けているか確認する
片手練習は退屈でも、必ずその成果は演奏にあらわれる!

片手練習は退屈でも、必ずその成果は演奏にあらわれる!

 

ステップ3:両手で合わせて弾く

右手、左手がひと通り弾けるようになったら、少しずつゆっくり両手で合わせていきましょう。「片手ではスラスラ弾けていたのに、両手だと全然思うように弾けない!」これは当たり前です。がっかりせずに、両手の動きに慣れるまで、フレーズ単位で区切って繰り返し練習をします。

この時、最初から全部の音を弾こうとすると、何度も止まってなかなか先に進まない状態が続くことがあります。その場合は、まず右手を優先させてなるべく止まらずに弾くように心がけ、左手は入れられる音だけ弾いてみたり、その反対に、左手を優先させて右手は入れられる音だけ弾くという練習をしてみましょう。最初はほとんど音を入れられないかもしれませんが、根気よく繰り返すうちに次第に動きに慣れて弾ける音が増えてきます。

だんだん指が慣れてくると、弾けるところはスラスラと速いテンポで進み、苦手なところは遅くなるというように、テンポやリズムを無視して自分の心地よいペースで弾いてしまいがちです。多少は仕方ないとしても、これは癖として定着して、後の演奏に悪影響を及ぼす危険があります。すらすら弾けるようになった箇所も、苦手な箇所と同じテンポで弾くように心がけましょう。

■両手練習のポイント
  • 小分けにして少しずつ確実に弾けるようにしていく
  • 最初から無理に全部の音を弾こうとしない
  • 弾きやすい箇所も苦手な箇所も、できるだけ同じテンポで弾く
鍵盤と手の写真

最初はすらすら弾けなくて当たり前!少しずつ根気よく繰り返し練習しよう

譜読みの段階で間違って覚えてしまった音や悪い癖は、時間が経てば経つほど直すのに時間がかかり苦労します。「最初にもっと丁寧に譜読みをしておけば良かった……」 と後悔しないために、是非この3つのステップを参考に新しい曲に取り組んでみてください。
 

譜読みのコツを掴んでやり方を習得したいあなたにおすすめの本!

「早く上手に弾けるようにするためには、どのように練習すればいいのか?」という質問にズバリ答えてくれている本。45ページの薄いマンガ本ですが内容は濃く、どのレベル、年齢の人にも参考になる練習法が満載!何度も止まったり弾き直しながら練習することが、どれだけ後の演奏に悪影響を及ぼすか詳しく解説されているので、丁寧にステップを踏みながら譜読みをする大切さがよくわかりますよ。
 
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